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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

橋本派、1億円小切手受領。野中広務、青木幹雄も同席・・・野中広務論

参院選挙の「橋本派敗北」(古い日記参照)に加えこれじゃあ、もはや党内勢力としての維持も難しいだろう。小泉の行動に掣肘が加わらないのは不安でもあるが、それでも彼らにそれを期待するのが間違ってる。チェックアンドバランスは与野党対立の中で生まれるべきだ。


しかし少しかわいそうなのは野中氏。彼は議員としての晩年、明白に権力闘争に敗北を喫し、失脚した。そこで彼は次なる最終目標として「識見と良識ある言論者」として認められ、愛されたいと考え、小泉憎しの感情とあい合わせるようにして田中秀征後藤田正晴的?なややリベラルな言論人として迎えられたいと考え、行動してきた。
ようは「ベビーターン」(←プロレス用語。気になる人は検索してみて)したかったわけだが、これで見事に失敗だね。

俺はこの人の権力把握時代の政策や発言、そしてハンデを背負った若い時代のころはそれなりに知っているつもりが、「彼は弱者の立場に理解がある」という世評は、実は究極のところでまったく信じていない。

端的にいえば「某国の人たちの立場を考える」と称して、そこの圧制や恐怖政治に苦しむ人民では
なく某総連の幹部と密談して便宜を取り計らう、そういうタイプに過ぎない。
そして弱者うんぬんをそのカモフラージュに使うのだから余計にタチが悪い。



だが、50年後に日本の近代史家が研究して一番面白いのは小泉でも岡田克也でもましてや森喜朗でもなく(笑)、野中だろうとは思っている。
最近、月刊現代連載時にも話題を呼んだ魚住昭の「野中広務 差別と権力」が発売されたが、その前に先行して出された松田賢弥「闇将軍」がまずは必読だ。

フリージャーナリストと野中の微妙な関係、そして京都にめぐらされた野中人脈の息苦しい支配の様子が生々しく迫ってくる。これを読むと魚住本の理解は格段に深まるはずだ。
この本が大きな注目を集めなかったのは出版のタイミングもあるけど、残念な話である。