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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

”麻生太郎の部落差別”説に「そんな事実はない」とするジャーナリストも(先週の週刊朝日など)

昨日、自民党総裁に当選した麻生太郎
私はかつて、あるノンフィクション本を紹介し「これが事実なら」という留保の上で
麻生太郎を日本の総理大臣にしてはならない」と言い切ったことがある。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20051102#p4

その後、結局事実関係の確認を含め、あまり話題にもならず膠着した感じ。
北海道大学山口二郎教授がつい先日、東京新聞のコラムで、やはりこれを理由にした麻生否定論を主張したほかは、あまり目だった動きがないままだった。
だがここで、(そのスタンスは知らないが)第三者といえるジャーナリストが「いや、麻生はそんなこと言ってないよ」と主張しているので公平のためにも紹介する。


先週の週刊朝日、鼎談形式。出席者の一人がブログも持っている。
http://www.uesugitakashi.com/archives/51501414.html

2008年09月16日19:15
自民党総裁選 麻生幹事長が恨まれた「野中差別発言」の真相を語る 週刊朝日
麻生幹事長が恨まれた「野中差別発言」の真相を語る


週刊朝日』今週号、恒例の鼎談です。

もはや麻生首相誕生"秒読み"状態の永田町。だがこの状況にあって頑なに「待った」をかける人物がいる。本誌恒例のお三方、元自民党の実力者・鈴木宗男氏(60)と、政治ジャーナリストの藤本順一氏(50)、そして『官邸崩壊』の著者・上杉隆氏(40)が、その"対立"の根源に迫った。


さて、いまからその資料を手打ちしないと。こりゃひと苦労だなあ……と思ったが、ありがたいことに、ここにその資料がある。それ以外の麻生批判の側からの文章も多数。大変な労作だ。


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ホドロフスキの記録帳

■[政治][メディア]麻生部落差別発言問題週刊誌記事
http://d.hatena.ne.jp/Jodorowsky/20080921


この「主な登場人物」も超重要
http://d.hatena.ne.jp/Jodorowsky/20080921#1221967320


私が言おうとしたのはこの記事。

藤本 魚住昭著『野中広務 差別と権力』(講談社)でも触れられていますが、麻生さんが01年、所属していた大勇会(河野グループ)の会合で、「野中のような(被差別)部落出身者を日本の総理にできないわな」と発言したという話です。

 ところが私の取材では、この話はまったく違う。実は、野中さんの麻生さんへの"攻撃"は、森政権の退陣を受けた同年4月の総裁選に端を発しています。橋本派(現・津島派)内部の権力闘争が絡んでいるのです。
(略)
問題の派閥の会合の発言というのは、ちょうど見直し時期で「延長なし」が決まっていた時限立法の「石炭六法」(02年3月までに失効)について、

「石炭六法は終わるけれど、旧産炭地が置かれた状況は変わらない。同和対策や在日朝鮮人の問題など政治的な責任はなくならない」

 という趣旨のことを話したのが発端です。戦後日本の「産業の米」と言われた石炭産業の末端を支えた人たちへの配慮が必要だ――という内容が曲がって伝わった。もちろん、麻生家は炭鉱を経営していたので事情は十分知っている。しかし、反対勢力が「麻生擁立」を封じ込めるために利用したのです・・・

藤本順一氏は今年3月にも、話し言葉ではなく文章で

…有力幹部はある通信社の宏池会担当記者からこの時の発言メモを入手していた。ところがこのメモは、麻生との後継者争いに敗れて河野グループを離脱したベテラン議員が、麻生憎しででっち上げたものだったことが、後に明らかになっている。

と断言している。これは知らなかった。
だが今回のほうが重要なのは、相対する相手として鈴木宗男氏がいるということ。彼は野中広務の側近中の側近、その相思相愛ぶりと忠誠はそれこそBLっぽい(んなアホな)という声も出るくらいだった。
魚住本の信頼度を担保するものとして「野中諜報機関」の情報力があり、私もそれを前提としている。

で、こういう重大問題に対し鼎談に臨んだ鈴木氏、もしその情報が確度の高いものだったら、「藤本さんはそういうふうに聞いてるかもしれませんけどね…私のつかんでいる情報とは違うなあ」と余裕たっぷり、自信満々に切り返すはずだと思うのだ。
だが、鈴木氏は

鈴木 そりゃ「言っていない」ということであれば、また別問題になってくるわなあ。麻生さんも弁明しておけばよかったのに。

あれ?弱気?
鈴木宗男も「永田町に出回ったメモ」という、怪文書スレスレのものが情報源だったと話している。


と、否定論も出てきたというだけだと、また一歩動いただけで膠着している、との話になる危険性は高い。。
こっから先はジャーナリストの出番であって、魚住昭藤本順一が、自分の掴んだ事実、取材結果の総力を結集して論争してもらわないといかん。「創」とかの場でやればいいと思うのだが。

「違う」と説明する義務について(の議論)

この話は前述の鼎談にも出ている。

鈴木 そりゃ「言っていない」ということであれば、また別問題になってくるわなあ。麻生さんも弁明しておけばよかったのに。
 

藤本 私も麻生さんにそう言ったんですが、「しゃべっていないことを弁明する必要はない」というのが彼の論理でした。


山口二郎氏が東京新聞で語っていたのはまさにこの点である。
山口氏の政論は多く首をかしげるところもあり、ことに民主党参院与党になってからは党派性が通常の3割増し、という感じでわたしとは距離があるのだが、以下の主張には7割がた、いや6割8分くらいで賛成なのだ。

■山口主張要約
「麻生は部落差別発言が事実ではないなら反論すべきで、それをしないことが問題なのだ」


こういう話は「そりゃ悪魔の証明だろ」「被告に立証責任はないよ」という意見が当然出てくるだろうが、ようは国の最高責任者になろうとしている、そういう意志を示している人には、通常の責任以上のものを求めていい、という論理だ。
山口氏も言っているが、米国の大統領は基本的にそういうルールの下で選ばれている。
それを日本の首相にも求める、ということだろう。


ただ、7割がたの賛成なのは最近、当の米国でも「泥仕合の中傷、デマにはいちいち反論しない。無視するだけだ」というスタイルで大統領選挙を闘う候補者も多くなっているということだ。ひとつひとつの反論は逆にそういう攻撃に「場」を与え、存在価値を認めるからだということらしい。オバマもマケインも(マケインは特に2000年に)そういう戦術を取った。
ただ、それだけでもうまくいかず方針転換を余儀なくされたらしいが。

麻生的な沈黙スタイルも一定の理由はあろうか。

(藤本説が事実なら)通信社記者、取材メモを政治家に渡すなよ

野中広務の情報力はマスコミの協力がある、というのはなんか公然の秘密になっているが、

鈴木 私が聞いたのは、派閥の定例会見後の雑談で、麻生さんがポロッと言ったということ(※この鈴木説は「大勇会の会合」ではなく別の場所だということになり、発言場所が違うのか?という謎も出てくるが、それはまた別に)。それを番記者が聞いて、これは言いすぎだとメモを流した。それで、議員会館に「紙」が出回ったんですよ。私のところにも、ポストに入っていました。

有力幹部(※野中広務であることは確実)はある通信社の宏池会担当記者からこの時の発言メモを入手していた。


いいんか、そもそも。
オフレコに関しては「仮にオフレコで『実はおれ、人を一人殺しちゃってさあ』と聞いても喋らないのが記者倫理だ」という意見と「個人的に伝えるべきだと感じたら、記者生命と引き換えにしても自身の判断でそれを報じるべきだ」という二つの倫理の対立はあるらしいが「許せないと思ったら別の政治家にご注進して、永田町の政局に利用させるべきだ」というような記者倫理はないだろうよ(笑)。


福田康夫官房長官時代の「核武装」発言
島村宣伸の「日本は併合で韓国にいいこともした」発言


などは「公の話題になったので実質的にオフレコの意味は無く、解除する」という形になったと記憶する。
もうここまでごちゃごちゃになったら、もうひとりの重要プレイヤー「取材メモを流した、通信社の記者」が実名で登場し、「いや、私は確かに聞きましたor直接じゃないけど、XXさんから聞きました」と発言すれば場が動くのだが。

野中も「大勇会のすくなくとも三人」プラス「河野洋平」から聞いたといっている。
引退した野中がこの「大勇会の三人」の実名を挙げるか、今度引退する河野がクチを開くということもあっていい。
なにしろ部落差別者が首相になるかならないかという日本政治の瀬戸際なんだ。
大勇会の三人」も、野中の主張が本当なら実名で自分から名乗り出るべき、いや名乗り出るはず。それを代わりにやっても当然許してくれるさ。ネッ

河野もしかり。これまでは「永田町記者よ、麻生に聞け」といってきたが、野中が唯一実名を挙げた情報ソース河野洋平に、メディアは「河野さん、野中さんにああ言ったってのはホントっすか?」と聞くべきでしょ。