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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

田原総一朗・西部進・姜尚中「愛国心」 2003,10,20


田原総一朗・西部進・姜尚中愛国心

面白みのない本だ。基本的にツクリがお手軽というべきで、原理論的な部分に踏み込まず(田原がいる以上無理だろうが)、アメリカの今の状況をあーだこーだいう床屋政談レベルの本である。
答えや考えもともかく、それを引き出す「問題設定」自体が凡庸なのだ。
こういうのを読むと、やはり呉智英のような存在が論壇には必要だということがわかる。

特に姜尚中氏に関しては、基本的な的な問題が二つある。

最近はだいぶネットでも(しばしば非常に下品な形で表現されるが)韓国における日本批判、そしてアメリカ批判は軍国主義や平和主義より、むしろ「わが民族は世界で最も偉大なり!!」という非常に極端な形でのナショナリズムを背負った上でのものではないか、その場合むしろ姜氏はそれの強烈な批判者とならない限り二重基準ではないか、という点。

あとひとつは、北朝鮮に対し平和論的・緊張緩和の視点で宥和政策を主張する時、それは必然的に金政権の温存・・・すなわち「あの国の国民は、そのまま恐怖政治の中で暮らしててくださいね」という意味もあるが、それを引き受ける覚悟はあるのかという点。

この本の中では、その答えは引き出せなかった。

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