INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

高島俊男「寝言も本のはなし」 2003,10,27


論座(2003年)11月号「読売新聞『社論』の研究」
最近、産経や読売が朝日との主張の相違を強調し、「どうか比べてください」と胸を張る、というネタが多い(読売は傘下企業の中公新書で、産経は本紙紙面で)

イラク情勢の泥沼化を追い風に、逆襲に転じたいとこだったが、迫力不足は否めず。
だいいち松本健一イラク戦争に反対したとはいえ、あまりにも文脈が違うことは明白。朝日によりそうような論者じゃ説得力が弱いと感じたのだろうが、それにしても人選というものがある。そいう点が煮え切らないこと自体が、今の朝日の弱みなんだよなあ。

                                                                                                  • -

高島俊男「寝言も本のはなし」
再々読ぐらいだ。高島氏の本はそもそも、有用な知識を得んがために読んでたのだが、その実何度も味わうのにふさわしい文章だったのだ。(一番好きなのは「ほめそやしたりクサしたり」収録「ぼくのお葬式」)
とはいえ、よい知識にもむろんことかかない。
「本の並べ方について」は分類という一種の機械的、無味乾燥的な作業が実は世界・宇宙を秩序付ける王の営み、学問全体を規定する意味があること、それが文化・文明を厳然と区分するものだということがわかるだろう。
ボルヘスが中国の分類に衝撃を受けた、という例の話につながるのでは。

津田左右吉と内藤湘南の対比列伝もおもしろい