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高島俊男は白川静の漢字学を「いたって程度が低い」と批判(「お言葉ですが…別館3」)

昨日のコメント欄で、「お言葉ですが・・別館3」について書きたかったが時間が無くかけなかった、という一言を書いたあと。

盗塁王赤星 2010/06/07 22:02
>お言葉ですが・・・別館3
これについてはぜひ gryphonさんのご意見を伺いたいです。
個人的には、あんまり悪い話を聞いたことなかった(私が不勉強なだけかもですが)白川静を高島先生がけっこう酷評してたのが面白かったです。


gryphon 2010/06/07 22:56
人脈どうこうもあるでしょうがそれ以前に氏は比較的「音」を重んじる傾向があるようだから、白川学が学問的に相容れないのは事実でしょう。私は孔子伝ぐらいしか白川氏のものは読んでいませんが。

では高島氏はどう論じたのか。

お言葉ですが…〈別巻3〉漢字検定のアホらしさ

お言葉ですが…〈別巻3〉漢字検定のアホらしさ

【参考部分を「あとがき」から抜粋】
「人にえこひいきと思われるのはイヤだから、(※本文では)白川・藤堂両人の言い分を均等に紹介してぼく自身の評価はさしはさまなかったが、率直に言って白川氏の書いたものは二つ(※岩波新書「漢字」と「文字学の方法」)ともいたって程度の低いものであった」

これは単独では意味が通じないでしょう。
本文に収録した文章の中に「両雄倶には立たず−白川静藤堂明保の『論争』」という一節があるのです、あとがきの一刀両断はあくまでもその補遺のようなもので、たしかに本文のほうは両者の議論をあくまでニュートラルに紹介したものです。

では高島氏は何をもって白川の漢字学を「程度の低いもの」としたのか。実はここでは「なぜなら…だからである」にあたる部分はまったく書いていない。これはどこかの編集者がおっとり刀で彼のうちに行き、「白川静批判を書いてください!」と頼むべきなのである。
それを待ちたい。といっても上に書いたとおり、自分は白川静は「すごい人だ」という伝説や評価を(主に呉智英ごしに)聞くだけで彼の漢字の本は読んだことないっす。

呉智英氏はこれらの書で白川を褒めたり、引用したりしている。

読書家の新技術 (朝日文庫)

読書家の新技術 (朝日文庫)

大衆食堂の人々 (双葉文庫)

大衆食堂の人々 (双葉文庫)

別冊宝島ではインタビューの聞き手にもなり、その文章はここに収録されているそうだ。
回思九十年

回思九十年

一方で呉氏が高島俊男を褒めた文章や対談はいくつか読んでいるが、収録されているものはあったかな。


なお、高島氏は東大で中国文学を学んだ。そこで上述の「えこひいきと思われるのはイヤ」といった話が出てくるのだが、まあ最終的に白川批判ということになったらそういう解釈をする人も中には出てくるのでしょう。
高島氏自身の漢字論はこういうすっごく面白い本もあるのだが、当然ここにはその性質上、古代中国における漢字の成り立ち…といった話は出てこない。

漢字と日本人 (文春新書)

漢字と日本人 (文春新書)


お言葉ですが…」シリーズの中??には「宝」と「包」には、おなじく大事なものを囲って守る、という意味があり、だから音声もパオ、と似ている。そういうふうに、漢字は音も理解しないと共通点がつかめないよ・・・といった話があったはず。これは藤堂氏の解釈と共通しているのかな?
推測です。

【追記】コメント欄より

AWG-9 2010/06/08 05:24
高島俊男では無いのですが、白川静の学問的?批判で、こんなの
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2004/02/post_23.html
がありました。
ご存知でしたらすみません。