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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 報道、記録、文化のために

2025年沖縄県議会で「エイサー参加と自衛隊差別」についてはどう論じられたか(議事録より)

昨年9月、こんな話題があった。
www.okinawatimes.co.jp

それに、こうブクマした

自衛隊への職業差別? 全島エイサーまつり出演への反対巡り 沖縄県議会の与野党が対立 | 沖縄タイムス+プラス

議事録完成はしばらく後だろうが、非常に興味深いのでいつかブログに転載しておきたい/にしても、これへの見解が <a href="https://x.com/ABETakashiOki/status/1971424483060953105" target="_blank" rel="noopener nofollow">https://x.com/ABETakashiOki/status/1971424483060953105</a> だとは。/でも「差別にはNO DEBATE」であるべきでもない

2025/09/28 01:36
b.hatena.ne.jp


そのことを思い出したので、県議会議事録を見てみる。


こちらから
www.pref.okinawa.jp



○島尻 忠明 議員 我が党関連の全島エイサーの件につきまして、お伺いいたします。
 先ほどから執行部の皆さんはいろんな意見があるというふうに答弁をされておりますが、玉城デニー知事は、知事として自衛隊の皆さんがエイサーを踊ることには反対ですか。
○中川京貴 議長 玉城知事。
○玉城デニー 知事 どのような方々であれ、皆さんで集まってエイサーを練習して、それを――何と申しましょうか、何かの大会に参加するというようなことに関しては、それぞれのお考えがあっての判断でいいと思います。
○中川京貴 議長 島尻忠明議員。
○島尻 忠明 議員 ですから、知事としてはどうですか。沖縄県知事としては。
○中川京貴 議長 玉城知事。
○玉城デニー 知事 職業によらず、みんなでチームを組んでエイサーを練習して参加をしたいということについては、そのような気持ちは非常にいいのではないかと思います。
○中川京貴 議長 島尻忠明議員。
○島尻 忠明 議員 教育長にもお伺いします。
 教育長、小学校ではいろんな体育祭とか学習発表会でエイサーをやりますよね。これ自衛隊の子どもにエイサーを教えなくていいって学校で教えているんですか。学校ではどのような指導をしていますか。そこまで波及してきますよ、この問題は。
○中川京貴 議長 教育長。
○半嶺 満 教育長 学校においては、生徒同士がお互いを尊重しながら、しっかりと協力しながら、学校行事、教育活動に取り組むこと、これは重要であるというふうに考えておりますので、各学校の取組、これはしっかりと尊重されなければならないというふうに思いますし、学校が取り組む方向を決めたものについては、しっかり協力しながら取り組んでいるというふうに考えております。
○中川京貴 議長 島尻忠明議員。
○島尻 忠明 議員 この問題が起きてからある方が――ここにありますけど、正直なところ沖縄の血が入っていないと踊ってはいけないと思っているとか、いろんなものが出てきているんですよ。でも、知事、このプログラムを見てください。東京中野区新風エイサーとか、いろんな方々、多種多様の皆さんが参加しているんですよ。この辺を踏まえて、教育長か知事に答弁をいただきたいと思います。踊ってはいけないんですか、沖縄県以外の人は。
○中川京貴 議長 玉城知事。
○玉城デニー 知事 答弁を繰り返しておりますけれども、この参加される団体については、様々な意見があることを踏まえて、主催者において適切に判断されるべきもの、今回もそのように検討されたものだというように思っております。また、その経緯については、この祭りに関係する関係団体の方々にも丁寧に御説明をしていただいたほうがいいのではないかということも答弁をさせていただいております。
○中川京貴 議長 島尻忠明議員。
○島尻 忠明 議員 (資料を掲示) この冊子にもありますが、これ大変な、いろんな誤解も生んでいるんですよ。ここにエイサー川柳コンテストというのがあって、見たら、これ大阪府、東京都、群馬県、愛知県、兵庫県、千葉県、岩手県、こういう人たちからも選ばれているんですよ。皆さんこれ、日本だけじゃなくて全世界から注目をされている。これは先ほど我が会派の治利議員からも思いの丈は聞いたと思いますが、やはりその皆さんがしっかり誇りを持って、そして先ほどから万国津梁とかって言っても、みんなでひとしくやるってことが原点であると思うんですよ。しかし、こういうところにも余波が来て、こういうことを言っている方もいるんですよ。しかし、しっかりとこのようにコンテストに各都道府県から参加している。これだけ重い全島エイサーだと私思いますので、私はこの辺についても、ぜひいま一度所管であります――どなたか分かりませんけど、こういうのもあります。この辺を踏まえて、いま一度答弁をいただきたいと思います。
○中川京貴 議長 休憩いたします。
   午後5時20分休憩
   午後5時20分再開
○中川京貴 議長 再開いたします。
 教育長。
○半嶺 満 教育長 お答えいたします。
 エイサーに限らず様々な郷土芸能等がございます。議員からお話がありましたように、そういった取組を各学校においては各行事等で取り組んでいるところでありますので、これはやはり子どもがしっかりと――子どもたちは平等に互いを尊重しながら決めたことをしっかりと行っていくと、そういうことが重要であるというふうに思っておりますので、そういった職業的な部分でそういった差別があってはならないというふうに思います。
○中川京貴 議長 島尻忠明議員。
○島尻 忠明 議員 私は今年、おやじの初盆で島に行きました。初盆でありますから、我が家の関係者が仏壇に手を合わせに来ていました。その中には自衛隊関係者もいました。うちのおやじは、物すごくこの人をかわいがっていました。来て、しっかりやって、そこで私もよかったなと思って帰ってきたら、いきなり新聞でこういうのが出るし、本当にこの人たちは生きていても仕事で差別を受けるし、亡くなってから向こうに行っても大変な思いをしなければいけないんですか。ある方は英霊が何とかかんとかって言うんですけど、遺骨収集する方は、非常に無念で亡くなった方をしっかりと遺骨収集してちゃんと鎮めるのが仕事であって、こういうことにも言及したり、またある報道機関はそこにも同調するようなことをする。知事、生きていても差別される、向こうに行っても差別される。私はこれしっかりしないと、慰霊の日で御霊に哀悼の誠をささげます、そんな薄っぺらな言葉は要りませんよ。しっかりとこういうのをやっていかないと、何が何だか今の世の中分からなくなっています。それは立場立場があるのは分かりますが、こうなるとうちのおやじも死んでも死に切れませんよ、悪いけど。しっかりと供養してあげているのに。そういう観点からも知事、いま一度僕は慰霊の日の言葉も含めて答弁をいただきたいと思います。
○中川京貴 議長 玉城知事。
○玉城デニー 知事 議員、誤解があってはよくないと思いますので、あえて申し上げますけれども、今回県はそのような一連のことに関して発言をしておりません。ただ、社会で起きているそのような状況について、県はどう考えるかということについて答弁をさせていただいております。ですから、何回もこれも繰り返して申し訳ないんですが、かつて復帰当初は自衛隊に対して非常に厳しい見方もあったと思います。しかし、月日の経過とともに、自衛隊の方々のその活動を通して、その評価も、また賛成する方々も増えてきているということも、現状として私たちは十分認識もしております。かかるこのエイサーまつりへの自衛隊の参加については、何遍も申し上げますけれども、主催者において検討をし判断なされたものというように思います。なお、差別であるかどうかについては、この件については、しっかりと調査を行った上で判断をしなければいけないので、そこについての答弁を差し控えさせていただきたいということでございますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。
○中川京貴 議長 島尻忠明議員。
○島尻 忠明 議員 それでは知事含め担当部署も含めて、これはせんだってやった条例、ヘイトスピーチ、要するに差別解消条例についても、これは県のほうでしっかりと制定をしております。これだけ大きな問題になっています。沖縄だけじゃないですよ、日本だけじゃないです、これ。いろんなところまで波及していますので、その辺はしっかりと調査をするってことで答弁をいただきたいと思います。
○中川京貴 議長 玉城知事。
○玉城デニー 知事 繰り返すようで大変申し訳ありません。個別の言動が差別に該当するか否かについては、事実をもろもろ確認した上で慎重に検討する必要があるというように考えております。
○島尻 忠明 議員 ありがとうございます。
 これで一般質問を終わります。ありがとうございました。


○中川京貴 議長 これより討論に入ります。
 議員提出議案第2号に対する討論の通告がありますので、順次発言を許します。
 瑞慶覧長風議員。
   〔瑞慶覧長風 議員登壇〕
○瑞慶覧 長風 議員 沖縄社会大衆党の瑞慶覧長風です。
 会派を代表して、議員提出議案第2号に対して反対の立場で討論を行います。
 まずもって、沖縄市の全島エイサーまつりにおける自衛隊第15旅団の出場に対する抗議を発端として、県議会で議論が展開された経緯がありながら、本決議案にはそのことが一切触れられておらず、どのような具体的事象に基づき提案されるかが不明確です。また、本決議案の趣旨である差別的風潮とは一体何を指すのか、誰がどのようにこの風潮を定めるのか、決議の骨格となる部分が抽象的であり、到底理解を得ないものであります。
 そもそも憲法上の人権は、国家権力に対する国民の権利であり、日本国憲法第14条でも国家権力が国民に対しての差別を禁止していることから、国家権力そのものである自衛隊は国民への差別を制限される側であり、受ける対象ではないということであります。
 かつての沖縄戦において、第32軍が軍官民共生共死一体化の方針の下に県民を強制的に戦争に巻き込み、住民虐殺、強制集団死まで引き起こした残虐な戦の記憶は癒えることはなく、その旧日本軍を継承する姿勢が随所に見られてきたのも自衛隊であり、近年では、米軍と一体化による日米合同軍事訓練の激化、敵基地攻撃ミサイルの配備計画、そして宮古島市では、駐屯地司令による民間人への恫喝事件も起きている中で、県民が自衛隊に対して恐怖や不安、違和感を感じ抗議を行い、時に宣撫工作に対しても意見を表明するのは当然の権利であります。
 健全な民主主義社会において、国家権力に対しての批判があるのは当然のことであり、本決議案は国家権力に対する言論封殺と取られかねません。
 県民の代表機関であり、権力機関と言える県議会が、このような極めて抽象的な決議において、結果的に国民主権ではなく、国家権力・組織を擁護する姿勢を示してしまうことは、戦前の大政翼賛会的な政治体制への回帰をほうふつとさせるものであり、県民の表現の自由の萎縮効果をもたらし、沖縄県議会の品格を著しくおとしめ、県民の失望を招くことにつながると言わざるを得ません。
 沖縄県における自衛隊の災害対応、人命救助、緊急搬送や不発弾の処理などの任務に理解が示されていることは疑いようのないことだと考えます。しかし、共生の精神を損なうというならば、現状の行き過ぎた軍拡問題に対する県民の声を抗議活動や妨害行為と威圧した防衛大臣に対する抗議や、国家組織として真に県民の信頼を得るための組織運営を自衛隊に求めることこそ、私たち県議会は行うべきであり、県民に求めることは筋違いであります。
 よって、本決議案に反対をし、討論といたします。
○中川京貴 議長 新垣淑豊議員。
   〔新垣淑豊 議員登壇〕
○新垣 淑豊 議員 議長、そして議場の皆様、沖縄自民党・無所属の会の新垣淑豊でございます。
 ただいま上程をされております「自衛隊及び隊員とその家族に対する差別的な風潮を改め、県民に理解と協力を求める決議」に、私は賛成の立場から討論をさせていただきます。
 本決議は、その表題に「差別的な風潮を改め」と掲げております。私たちは、今こそ差別とは何か、その根本から向き合う必要があると思います。差別とは、人の属性や出自、性別や信条、あるいは職業といったその人の尊厳に関わる要素を理由として、正当な理由もなく不利益な扱いを加えたり、社会から排除したりする行為であります。日本国憲法第14条は、「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により(中略)差別されない」と明記しています。さらに第22条では、「何人も、公共の福祉に反しない限り、(中略)職業選択の自由を有する」と定めてあります。つまり、生まれながらの属性や本人が選んだ職業を理由に不当な扱いを受けることは、私たちの社会の根幹を揺るがすものであり、決して許されるものではありません。与野党にかかわらず、多くの議員の皆様が自分の生活や自分の身の回りに自衛隊やその隊員、その家族とのお付き合いがあると思います。自衛隊員は、私たちと同じ社会の一員です。家庭を持ち、地域で暮らし、社会を支え、共にこの沖縄で生活する私たちの隣人であります。どれほど大きな組織であっても、その中にいるのは私たちと同じ人間です。
 沖縄はさきの大戦による戦争の記憶や敗戦、米軍統治、本土復帰という歴史を経て、自衛隊という存在に複雑な思いを抱えてきました。私自身もウチナーンチュとして、その思いを深く理解しております。政府の防衛政策に対して意見や批判があることは、民主主義社会において当然のことです。しかし、問題はその思いが組織への批判にとどまらず、職業そのものを理由とした個人への排除へと転化してきた現実があります。ここに、私たちが向き合わなければならない差別の本質がある。
 自衛隊員は、毎年120件から150件の災害対応、令和5年には1800件ほどの不発弾処理、昨年度は247件の急患搬送など、私たちの命と暮らしを守るため、日々現場で汗を流しています。その人たちが職業を理由に偏見を受けたり、家族までもが不当な扱いを受けたりする社会は、決して健全であるとは言えません。
 沖縄では、かつて自衛隊の設置後に隊員の住民登録やごみ収集、さらには電話交換さえも拒んだ事例があります。隊員の子どもたちが学校へ入学できなかったこともありました。自衛官が琉球大学への入学を志した際には、自衛隊による教育現場への介入だとする反対運動が起こり、自衛官だからという理由だけで入学を断念せざるを得なかった事例もあります。また復帰直後には、行政機関やマスコミ、労働組合などが地域行事やスポーツ大会、国体の代表選手選考の場から自衛隊の参加を排除する方針を取っていたことも記録されております。制服姿で街を歩いただけで帰れと罵声を浴びた隊員もいました。二十歳の隊員が自衛隊員だからとの理由で成人式への参加を拒否されたこともあります。
 これは組織への批判ではありません。職業を理由に一人の人間が排除される。これこそが差別の姿であります。そして、こうした現実は過去の出来事ではありません。今もなおその風潮は続いております。宮古島の駐屯地では、早朝の訓練中に、きれいな朝日に戦闘服は似合わないと拡声機で叫ばれる事案がありました。これは訓練に臨む隊員だけでなく、応援に訪れた家族までもを深く傷つけてしまいました。那覇市では、小学校で予定されていた南西航空音楽隊の演奏会が中止となり、子どもたちが良質な音楽に触れる機会が失われました。8月末の陸上自衛隊と米海兵隊によるジョイントコンサートでは、県選出の国会議員までもが抗議活動に加わっておりました。日米合同訓練では、一部の過激な抗議が、表現の自由を超えて妨害へと発展いたしました。有事の避難や国民保護、災害対応につながる重要な訓練を阻害することは、我々県民の安全を危うくする行為であります。さらに、沖縄市の全島エイサーまつりでは、地域文化の場に市民団体から政治的課題が持ち込まれ、陸上自衛隊第15旅団エイサー隊の出演中止が求められました。その際には、先祖の中には沖縄戦犠牲者もいると、市民団体は日本軍とのつながりを否定しない陸自の隊員が先祖供養の舞を担うことに抗議したと報道がされております。しかし、陸上自衛隊によれば、このエイサー隊の構成員には多くのウチナーンチュも含まれていると私は聞いております。そうした隊員たちにとっては、自らのウヤファーフジを供養したい、そういった思いまでもが否定される、そういうことにつながるわけです。
 これらの活動を見ると、政策批判ではありません。残念ながらその差別的な風潮が今もなお沖縄県に残っていると言わざるを得ない、そんな状況であります。その差別的な風潮、その矛先は、防衛の最前線で国と国民を守る人間に向けられています。また、今回の事案が取り沙汰されるようになり、一部の報道関係者の中には、自衛隊は強者だから差別は成立しないとの声を発する人もいます。しかし、強者だから差別ではないという考え方は、あまりにも乱暴であります。差別の本質は力の大小ではありません。ある属性を理由に人が不当に扱われているかどうか、それこそが差別の本質であります。そして、その影響は組織ではなく、一人一人の人生と心に深く刻まれるのです。
 私たち県議会が定めた沖縄県差別のない社会づくり条例の前文はこう述べています。「誰もが個人として尊重され、いかなる不当な差別も受けることなく、自分らしく生きることは、私たちの願いである」、そして、「全ての人への不当な差別は許されない」と宣言しています。自衛隊員であることを理由とする排除や偏見、差別的な風潮は、この理念と明らかに相反いたします。そしてこれは自衛隊員だけの問題ではありません。どのような職業であっても人としての尊厳が守られる社会をつくることが大切であります。今まさに、その根本的な価値が問われているのではないかと思っております。この決議は、そのための重要な一歩です。この決議は、自衛隊の是非を問うものではありません。歴史を学び、今なお続く現実に向き合い、未来に向けて差別のない社会を築いていく、それこそが政治に携わる私たちの責任であり、使命であります。
 以上の理由から、私は本決議に賛成いたします。議場の皆様の御理解と御賛同を心からお願いを申し上げます。
 ありがとうございました。
○中川京貴 議長 幸喜 愛議員。
   〔幸喜 愛 議員登壇〕
○幸喜 愛 議員 こんにちは。
 会派てぃーだ平和ネットの幸喜愛です。
 会派を代表しまして、ただいま提案されております議員提出議案第2号「自衛隊及び隊員とその家族に対する差別的な風潮を改め、県民に理解と協力を求める決議」について、私は反対の立場から討論を行います。
 まず、冒頭に申し上げたいのは、私は自衛隊員やその家族が県民としてひとしく尊重されるべき存在であることに何ら異論はございません。彼らが災害対応や救助活動などで果たしてきた役割は大きく、その努力に感謝する気持ちは県民共通のものであります。しかしながら、そのことと、この決議を県議会として採択することは、全く別次元の問題です。
 本決議文は前半で、「防衛政策への批判や抗議、意見表明は民主主義社会において当然のことであり、表現の自由として尊重されるべきである」と述べています。まさにそのとおりであり、私もこの一文には全面的に賛同します。ところがその直後に、「自衛隊員である」ことを理由に、社会参加の機会を奪うことがあってはならないと続け、さらに「県民に対して理解と協力を求める」と結論づけています。ここに論理的な矛盾が存在します。表現の自由を尊重すると言いながら、県民の側に「理解と協力を求める」という方向づけを公権力で行うことは、まさに思想・良心の自由への介入にほかなりません。自衛隊を支持せよとまでは書かれていないにせよ、県議会が一方の立場を理解せよと呼びかける時点で、意見表明の自由を実質的に制約する効果を持ちます。これは憲法第19条及び第21条が保障する思想・表現の自由の精神に反する行為であります。
 次に、本決議が前提としている「差別的な風潮」という言葉についてです。この文言には何をもって差別とみなすのか、具体的な定義も事実の根拠も一切示されておりません。過去に、行政サービスの拒否や地域行事からの排除があったとされていますが、それがいつ、どこで、誰によって行われたのか、検証可能な記録がここに示されていません。個別事案が存在するとの御説明でしたが……(発言する者多し)
○中川京貴 議長 静粛にお願いいたします。
○幸喜 愛 議員 それは人権侵害として個別具体的に是正すべき問題であり、県議会全体が風潮という曖昧な概念で県民全体に道徳的責任を求めるのは、民主主義社会の統治手法として極めて不適切です。しかも、差別的風潮の是正という名の下に、今度は自衛隊に批判的な意見を持つ県民が差別的と烙印を押されるおそれがあります。この構図は、反差別を名目にした新たな同調圧力を生み出す危険性をはらんでおり、結果的に多様な意見の共存を脅かすものです……(発言する者多し)
○中川京貴 議長 静粛にお願いいたします。
○幸喜 愛 議員 さらに重大なのは、地方議会としての権限の逸脱です。本決議は、県民の思想や感情に踏み込むものであり、行政運営上の具体的な施策や制度改善を伴うものではありません。むしろ、国家機関である自衛隊の存在や位置づけに関わる政治的・国政レベルの問題を県議会が一方的に判断し、県民に価値観の方向づけを行うという点で、地方議会として権限を逸脱しています。加えて本決議は、県民に理解と協力を求めるとしており、議会が行政機関と連携して、県民の意識変容を促すような政治的キャンペーンの根拠として使われるおそれがあります。議会の役割は、県民の多様な意見を保障することであって、特定の価値観を県民に説くことではありません。この決議を可決することは、地方議会が思想統制装置に転化する危険性をはらむものであります。本当に必要なのは、県民同士が互いの立場を尊重しながら冷静に議論し、相互理解を深めるための場を整えることです。それを行政や議会の上からの決議によって押しつけるのでは、むしろ反発や分断を招きかねません。
 上原快佐議員、次呂久成崇議員の質問へのお答えの中で、沖縄全島エイサーまつりのことが出ておりましたので、少し触れさせていただきます。
 全島エイサーまつりは、先祖を供養し、沖縄戦の不条理に耐え、そして乗り越えて生き抜いてきた沖縄市民、県民、とりわけ青年たちを励ますことを原点として70年の歩みを刻んでまいりました。その間、一度も自衛隊が参加したことがなかったのは、単なる慣例ではありません。深い戦争体験を抱えた市民・県民への配慮であり、市民が安心して集える祭りを守るための歴代市長や関係者の賢明な判断であったと考えます。そうであるからこそ、参加の門戸を開くべきは、地域に根差した子ども会や小さな青年会、婦人会、壮年会、さらには親子エイサーの団体、また沖縄市の姉妹都市のエイサー団体であったはずです。青年たちは憧れの全島エイサーまつりで踊るために、沖縄市主催の行事や地域の活動等でボランティア活動をし、日々努力を重ねてその出演権を得ています。そうした青年たちや市民グループの参加への機会を工夫することこそ、祭りの理念と調和する道であります。したがって、自衛隊参加への抗議は、誰に機会を優先的に与えるべきだったかという優先順位の問題であり、職業差別では決してありません。
 県議会は多様な意見の代表機関である以上、県民の心の在り方を一方向に誘導するような決議を県議会として採択すべきではありません。私たちは表現の自由と思想の自由を何よりも尊ぶ社会を守る立場から、この決議に反対いたします。
 以上、議員提出議案第2号に対する私の反対討論を終わります。議員の皆様の御賛同を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
 以上です。
○中川京貴 議長 休憩いたします。
   午後2時33分休憩
   午後2時33分再開
○中川京貴 議長 再開いたします。
 新里治利議員。
   〔新里治利 議員登壇〕
○新里 治利 議員 議長、同僚議員の皆様、エイサーのまち沖縄市選出、沖縄自民党・無所属の会、新里治利でございます。
 まず、なぜこの決議を出さざるを得なくなったかを述べたいと思います。
 この決議は突然に思いつかれたものではありません。私たちが今、行動を起こさざるを得なかったのは、不可侵である伝統文化への政治的介入という一線を越える行為が、仮ではなく実際に起きたからです。また、わざわざ沖縄市のことを沖縄県に持ち込むなとおっしゃっている方もいるようですが、本員の一般質問の際に、この出演取りやめの要請書を出した政治団体は知事を支える団体かとの玉城デニー知事への問いに、認知しています、そうでありますと答えています。この政治団体の名称は、止めよう辺野古新基地建設沖縄市民会議であり、代表者は現職の県議会議員です。公職者が公式に、ある立場の人々を排除しようとした。これは明らかに一線を越えております。県議会で取り上げて何が悪いんでありましょうか。
 出演取りやめを求めた県議や各学者、メディアの方々は、エイサーを踊ったことがありますか。沖縄全島エイサーまつりに係る練習や準備をしたことがありますか。自衛隊の任務を体験したことがありますか。不発弾処理や離島からの患者空輸、やったことありますか。経験もないまま自衛官だからと沖縄全島エイサーまつりから排除しようとする。何の権限で、何の立場で。
 沖縄全島エイサーまつりは、青年たちが歴史と伝統を受け継ぎ、汗と時間を重ねて型を磨いて初めて立てる名誉の舞台です。陸自第15旅団エイサー隊も厳しい任務の合間を縫って練習を重ね、特別枠として選ばれたのです。それを自衛官だからと排除するのは、その努力と文化への理解を欠き、自衛官の職務も軽んじる行為で、差別的な風潮を助長しております。
 よって、議員提出議案第2号「自衛隊及び隊員とその家族に対する差別的な風潮を改め、県民に理解と協力を求める決議」に賛成の立場から事実に基づいて討論を行います。
 新聞紙面では、高良沙哉参院議員が要請書を差別ではないと擁護し、また県議会の委員会でも自衛隊の名称でエイサー大会に参加することは、政治的プロパガンダだとの発言がありました。しかし、本員はこれらの主張に明確に異を唱えます。自衛隊員はれっきとした国家公務員です。自治体職員が文化活動に自治体名で参加しても問題とされないのに、自衛官だけを政治的プロパガンダと断じ排除するのは偏見であり、それらによって文化活動の場を奪う道理はどこにもありません。憲法は、職業選択の自由を保障し、全ての国民が文化的活動に参加する権利を認めております。特定の立場を理由に文化の場から締め出すことは、自由と公正を壊す行為であります。
 今回の問題は、単なる意見の相違ではありません。事実として、公人が公文書という公の力を使って、ある立場にいる人々を排除しようとしたことこそが問題なのであります。それは、県民の誇りを踏みにじる行為であります。しかもその矛先が向けられたのが、私たちの魂であるエイサーでした。エイサーは先祖を敬い、平和を祈り、地域を結び、未来の子どもたちに誇りをつなぐ伝統文化です。政治の都合を持ち込むことは、断じて許されません。
 令和7年9月8日に花城大輔沖縄市長へ提出された要請書にはこう明記されております。「戦後80年の節目の年に、自衛隊の宣伝になるエイサーまつりへの自衛隊出演は、市民感情・県民感情からしても許されません」。文化の場を宣伝という政治的な色眼鏡で見て、祭りへの自衛隊参加を許すと軍事要塞化が進むというレッテル貼りをする。これはまさに政治的プロパガンダそのものであります。文化を守る純粋な議論ではなく、文化を政治的な偏見で縛ろうとする危うい発想です。エイサーを愛し受け継いできた者として、到底受け入れられません。また一部には、この決議が言論封殺につながるとの声もあります。私たちは抗議や議論を封じるつもりはありませんし、誰もが意見を述べる自由は尊重いたします。ただし、言論の自由や表現の自由の名の下に、自衛官やその家族を排除することは、自由をゆがめることです。権力ある立場が偏見を公文書に刻めば、未来の沖縄県民が被害を受けます。だからこそ、今ここで線を引かなければなりません。
 結びに、本員は沖縄市で生まれ育ち、15歳から太鼓を打ってきました。エイサーに人生をかけてきた者として、伝統文化を守る筋を通します。沖縄の様々な歴史的感情は理解できますが、公職者がそれを公式な排除へと変えるのは大変重い責任を伴います。そして、この決議は決して自衛隊を特別扱いするものではありません。ただ、誰かを排除してよいという前例を絶対につくらせない。文化を政治的な影響から守り、未来の子どもたちに誇れる沖縄を残していくためのものであります。
 以上、議員各位の御賛同をお願い申し上げ、本員の賛成討論を終わります。
○中川京貴 議長 新垣光栄議員。(傍聴席にて発言する者あり)
○中川京貴 議長 傍聴人に申し上げます。
 傍聴人は静粛に願います。
   〔新垣光栄 議員登壇〕
○新垣 光栄 議員 皆さん、こんにちは。
 新垣光栄です。
 会派おきなわ新風を代表して、ただいま議題となりました「自衛隊及び隊員とその家族に対する差別的な風潮を改め、県民に理解と協力を求める決議」について、反対の立場から討論を行います。
 本決議文は一見すると、隊員やその家族を守ろうという決議に見えますが、実際は自衛隊組織への批判や組織的な広報活動への反対といった県民の正当な意見表明を抑え込むものになっております。さらに文中では、自衛隊員と自衛隊を混同させ、論点をぼかし、県民を誤解させる危険があります。私たちは、自衛隊員やその家族が地域行事や社会生活に参加することを妨げる考えは一切ありません……(発言する者多し)
○中川京貴 議長 静粛にお願いします。
○新垣 光栄 議員 問題は、学校や地域行事を通して自衛隊という組織が宣伝や広報活動を行い、県民の生活や教育の場に軍事的・政治的な影響を持ち込むことです。ところが、この決議文は争点をすり替え、自衛隊組織への批判イコール隊員やその家族への差別と印象づけようとしております。また、最大の懸念は、「差別的な風潮」という表現の大きな危うさです。異論や批判を差別と決めつける考え方は、戦前の空気・風潮を思い起こさせます。かつて軍官民一体の体制の下では、政府や軍に対する批判は非国民とされ、沖縄県民は自由に意見を述べることができず、従うほかない状況に追い込まれました。その実態は、軍官民が共に戦い、やがて共に死へと追い込まれる軍官民共生共死であり、その結果として沖縄戦の惨禍を招きました。
 今回の決議は、自衛隊組織に異議を唱えること自体が差別であるという誤った印象を広め、県民の表現の自由を封じ、自由な議論を萎縮させ、これは戦前と同じく社会に同調圧力を生み、県民同士を分断し、民主主義の根幹を揺るがすものです。沖縄戦の悲惨な経験から私たちが誓うべきことは、沖縄を二度と戦場にさせないということです。私たちが守りたいのは、自衛隊員やその家族の人権と同時に、県民が自由に議論し、意見を表明できる社会です。よって、この決議が可決されることは、沖縄県議会自らが県民に誤解を与え、社会の分断を助長するおそれがあるため、私は賛成することはできません。
 以上の理由から、本決議に反対し、討論を終わります。どうか各議員の皆様、賛同をよろしくお願いいたします。
○中川京貴 議長 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
○當間 盛夫 議員 議長。
○中川京貴 議長 発言を認めます。
 當間盛夫議員。
○當間 盛夫 議員 ありがとうございます。
 「自衛隊及び隊員とその家族に対する差別的な風潮を改め、県民に理解と協力を求める決議」についてでありますが、我々は県議会で自衛隊に対する差別的な風潮があるとは思っておりません。また、県民の多数は自衛隊の活動に理解をしていると考えております。この全島エイサーまつりへの参加に端を発して、自衛隊に対する与野党の対決案件として意見書、決議書が提出されるということに我々はちょっと理解ができませんので、退席をさせてもらいます。
○中川京貴 議長 休憩いたします。
   〔無所属の会 所属議員退場〕
   午後2時47分休憩
   午後2時48分再開
○中川京貴 議長 再開いたします。
 これより議員提出議案第2号「自衛隊及び隊員とその家族に対する差別的な風潮を改め、県民に理解と協力を求める決議」を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の議員の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○中川京貴 議長 起立多数であります。
 よって、議員提出議案第2号は、原案のとおり可決されました。