今日はちばてつや先生に「あしたのジョー」の長年疑問に思っていた点についてお答え頂き、更に私の解釈をお話しすることが出来た。ポンと肩を叩かれ「そこまで深く読み込んでくれて嬉しいです!」と言って頂いたので、「死ぬまでに実現したい事」リストの一つが埋まった。
— 七月鏡一 (@JULY_MIRROR) June 13, 2024
確かめたかったのはこれなのです。世田谷文学館の特別展で見た「あしたのジョー」の原画。西と紀ちゃんの結婚式の回。彼女の目の下にあるホワイトによる修正痕。これは果たして涙を一度描いてから消したのかどうか? pic.twitter.com/8lQKNPmoNX
— 七月鏡一 (@JULY_MIRROR) 2024年6月15日
ちばてつや先生のお答えは「描いてるうちに涙は流してない方が良いのではと考えて修正した」と言うものでした。ホワイトの修正は印刷物では消えてしまいますが原画には残ります。私はそういう部分にこそ創作者の試行錯誤の足跡が残っていると考えています。
— 七月鏡一 (@JULY_MIRROR) 2024年6月15日
つい先程発表された文化庁による「漫画原画やアニメのセル画」の収集事業の意義の一端はこういう部分にもあると思っています。 https://t.co/rFI0WPx0MG
— 七月鏡一 (@JULY_MIRROR) 2024年6月15日
自分の感想リプ
NHKがニュースで伝えてもいい歴史的発見と証言https://t.co/YYy38iMRnG
— Gryphon(INVISIBLE暫定的再起動 m-dojo) (@gryphonjapan) 2024年6月16日
小説家や原作者の原稿用紙の描き直しあと(司馬遼太郎とかすごい)もそうなんだけど、ワープロやお絵かきソフトの普及によって、途中の描いたり消したりの試行錯誤は結果的に残らない時代からは、こんな調査が事実として不可能になるんだよな…https://t.co/6lOaPRj4yT
— Gryphon(INVISIBLE暫定的再起動 m-dojo) (@gryphonjapan) 2024年6月16日
のちにまとめになった
togetter.com
いや、テレビも新聞もそりゃストレートニュースのヘッドラインというのは大げさだけど(笑)、文化的なニュースとしては展覧会の話題と合わせて扱えるでしょ、それが漫画のいまの「権威」。(今後書く、あの話題に繋げる)
そして、リプでおいらが書いたように…すでに多くの人が指摘しているけど、手書きの原稿用紙には文章も絵も修正のあとが残り、そこからいろいろな試行錯誤が自ずと浮かぶ。
だが、ワープロは切り貼りも修正も自由自在で、しかも痕跡は意識しないと残らない。
これは、もはややむを得ないことだよね…もちろん時代や技術が進歩すれば、いや今でも意識してやれば、すべての作業履歴を残すことも可能だろうけど。
と、同時に、この歴史的発見が確立できたのは、なんといってもちばてつや先生が80代も半ばを超えて、いまでもご健在、元気でらっしゃるから直接疑問を聞けたゆえだ。
これこそが、一番重要な記録のバックアップシステム。他の創作者さんも、このバックアップ機能をまず鍛えるように、です。
しかし、人物の表情を描くって、微妙な線の上下や太い細いで本当にかわるんで、試行錯誤するみたいなのね画家も漫画家も。
白ハゲや棒人間しか漫画を描いてない人間には、全然実感なかった。みんな一発で顔書いてそれで終わりと思ってた(俺の白ハゲ漫画がそうだから!!)
また、創作は最終的に世の中に出たものが真実で、途中の「有り得たかもしれないコース」はゼロ、になるのかどうか、ということも思いをはせた。
作者が未練がましく「…というIFを書いてみました(みようかと思いました)」とスピンオフをやったり、正伝を書き直したり……という話も、ああそういえばこの前「アメトーーク!」で話題になってたね。