まず、この作品について…「ヤングアニマルZERO」に連載されているのだった!そして、実は迂闊なことに、例のサブスク「ブックウォーカー」に入っていたのに、雑誌ごと読んでいなかったんだ!
(あとからサブスクに加わったのか、こちらが見落としていたのかは不明)
bookwalker.jp
例の移籍作品「創世のタイガ」や「拳闘士セスタス」って、ここ連載じゃん。読み逃してたのは大損だったと言わざるを得ない。そして、こういう、登場人物はフィクションらしいけど「北欧ルポ」的な漫画があるって話、どこかで聞いてたんで「あー、これか、そしてこので連載してたのか」と、そんな印象。
で、雑誌のほうでも読み始めて、面白かった回を紹介しようとしたら、ちょうどヤングアニマルWEBでの無料公開中だった、と。
話は単純で、スウェーデンで暮らす日本人カップルの、男性のほうが病気になる。医者に掛かろうとして、一連のムーブの中で日本とは違う同国の医療システムが紹介される、という話。
ぶっっちゃけドラマ性には欠けるっちゃ欠けるんだが、その知見はものめずらしく、「こういう作品も必要なんだよ、こういう作品も」と思った次第。
で、実際にどんな医療かと言うと…
younganimal.com
8割!スウェーデンスゴイ!北欧スゴイ!
医療費年間上限2万円!!!(以下(略))
だ、けれども。
これを聞いて!あ!!これが医療のトリレンマってやつか!!と感じ入ったのだった。
もとはどこで聴いたんだっけかな…と記憶をたどると、はてなの有名ブログ「NATROM」さんの記事で2007ー09年ぐらいに読んだらしい。
natrom.hatenablog.com
20070517
外来の待ち時間を減らす方法医学
イキナリ私の答えを言っちゃうと、1)コストをかける、2)アクセス制限、3)医療の質をあきらめるのうち、どれか好きなのを選んでくれ、ということになる
そろそろ、我々は選択しなければならない。コストを負担するか、アクセス制限か、医療の質をあきらめるか。医師同士で解決するべき問題ではない。勤務医が雇用者と交渉してどうにかなる問題ではない。我々の問題だ。
natrom.hatenablog.com
これをポジティブに言いかえると「医療の質、低いコスト、素早いアクセス性の3つのうち2つは実現できます」となる(笑) 自分はどこかで、そういう表現で教わった。
たとえばこのtogetterまとめの…ブクマの方がより参考になる
b.hatena.ne.jp
これはまた、非常に大きな、重い問いである。
どうでもいいが来たる衆院選でも東京都知事選でも、あるいは大統領選でもいいのだが、たとえばこういう問いを投げかけ「あなたなら、何をあきらめますか?」と候補者に選択させる。
通り一遍に子育てだ福祉だと抽象的に美辞麗句を言わせるより、こうやって「やむを得ない時、何のマイナスを選ぶか」を明示させる、そんな政治をだね…閑話休題。
ただ、自分も大きな顔をできない。
なんか、ぼーっと抽象的に考えたら「それなら…アクセス性かなあ」と、そんなふうな曖昧な選択をしたまま、2007年から過ごしてきた。
自分自身はおかげさまで大病とは縁が無かったからではあるが、
ただ、こんな事例を聞くと、それこそ青ざめる。
素早いアクセス性、大切!!!それを捨てるなんてとんでもない!!
だが……と、トリレンマの最初に戻る。それじゃ何の意味も無いがな。
とにかく、この難問を思い出した。
ぶっちゃけ、難問だねえ、じゃなくて、どれかを選択すべき時は着実に迫っている…いやとっくに来ているのか?
北欧の話も、決してひどい訳じゃない。そういう振り分けがあって、年間上限2万円ですぐれた医療が(待つけれども)得られるというのは、確かにうらやむべきことかもしれないのだから。
作品の中でも「郷に入れは郷に従え」「そういう差異も楽しんだ者勝ち」と主人公は語っている、朦朧としつつ(笑)
しかしこっちは確実に北欧スゴイ。処方箋不要、個人番号伝えればそのまま(病気に合った)薬を買える
北欧はこうなのに、なぜ
日本はそうでないのか!!河野太郎、お前の努力不足だ!……いや、そんな情報をオンラインで一元管理されたくない、と言う人が多数なのかもしれないが!!!