ブレイキング・ニュース。予定を変更し、最初にこれをお伝えします
本日、2月29日(木)19時~放送のテレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!2時間SP」では、『藤子・F・不二雄の意外に知らないスゴイ偉業SP』が放送されます! 貴重映像・資料満載、スティーブン・スピルバーグから送られた手紙もテレビ初公開! ぜひご覧ください。https://t.co/5oybpYfw36
— 小学館「ドラえもんルーム」公式 (@100nen_doraemon) February 28, 2024
本題
オバケの国に帰って数十年後、人間の風習を真似して色々と懐かしんでる表情だと思うと、胸に来るものがある。#オバケのQ太郎 #藤子・F・不二雄 pic.twitter.com/ghZJ7R5MUT
— 剣之助 (@Kensuke_ex) February 28, 2024
日が変わっちゃった💦
— 犬たろうちゃん (@CHOPA_) February 28, 2024
間に合わなかったけど改めて、Qちゃん還暦おめでとう🎉🥳㊗️㊗️㊗️ pic.twitter.com/K0YOaJT1mr
#Q太郎誕生祭2024 pic.twitter.com/umZRRgooin
— b (@c17111582) February 27, 2024
そうか、60周年か…これで一番、印象に残るというか衝撃なのは、このブログが50周年を祝う記事を載せている、ということであった(笑)。つい最近のようなのだけど…
m-dojo.hatenadiary.com
その時の「オバQ論」に、いささかも修正が必要ないので、再掲載しておきたい。
「オバケのQ太郎」論序説―メモ代わりの、覚え書きとして。
・まずオバQは登場時「ハードでナウな、新感覚ギャグ漫画」であったのだそうだ。本人もそれを自負している…いま手元には無いが、1980年代に書かれた連名の自伝「二人で少年漫画ばかり描いてきた」(実質的にはA先生の執筆パートは8割。「ふだんのおしゃべりの割合」と称していた(笑))でも、そのことははっきり述べられている。
いまオバQを読む人は、穏やかでのんびりとした春風のような作風を期待しているだろうし、実際にそうなのだが、それは時代の変遷であり、「オバQ」や「おそ松」チルドレンがその方向性をさらに進めて、いまの地平に到達したからだ。まさにオバQ誕生の同年のことなどを描く「1964年のジャイアント馬場」には、日本のファンの前で披露された「ジャイアント馬場のプロレス」が極めて斬新、刺激的なニュープロレスであり、観客を熱狂させるものであったことが記されている。
そんな変動期にあったのだろう。
・その一方で、オバQには、藤子・F・不二雄先生が大好きだった落語のエッセンスがぎゅっと濃縮され…というか換骨奪胎されて使われている。落語を後年聞いた当方は、よく「あ、この元ネタはこれだったか」と思うぐらいです。
しかし、落語のネタもくすぐりも、当時から著作権フリーだったのに、ここまでその「当時のハードでナウな『ギャグ』」に変換できたのは、おそらく藤子さんらごく少数だったのだろう。
これについては以前かきましたです。藤子・F・不二雄漫画の落語の影響、「オバQ」編 -
d.hatena.ne.jp・実はオバQのパートナー「正ちゃん」はワトソンでものび太でもなく、えらくアグレッシブにアイデアや企画を発案し、それを皆にプレゼンテーションし、賛同を得て人員を組織化、資材も用意してその夢想を実行に移すという、とんでもないリーダーシップの持ち主。その卓越したリーダーシップを、オバQがサポート…それも消えるとか空が飛べるとか、ドラえもん的万能の才能ではない。正ちゃんが、うまくその限定した能力を、それが生きる場所を与えて活用するのだ。孔明か、劉備か。
これも以前、一本を紹介した。オバQ愛蔵版「貝殻でお金ごっこ」の話が、経済学の初級寓話として素晴らしい件 -
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彼が子ども時代に実行したプロジェクトはこの「独自の地域通貨とマーケットの建設」だけでなく
※宇宙ロケット開発
※電話ネットワーク構築(糸電話)
※模擬裁判
※民間の「子ども図書館」
※幻灯機による自作の物語上映(スライドや指人形など)
※探偵活動
※独立国の建設(オバQ島)
※無人島的自給自足の生活
※要塞の建築
※ラジコンを利用した模擬戦争ゲーム
※8ミリのサスペンス映画撮影
……アイデアと智謀、わくが如し。というか、以前かいたがこの男、むしろ革命家の素質すらある。
後年にかかれた異色作「劇画オバQ」では、発明の才能は極めて豊かだが、人が良くてだまされて失敗ばかりしている、大人の「ハカセ」君が、「あとは資金と、信頼できるパートナーだけなんだ」といって「ネクタイを締めての革命もある」と大企業の社員になった正ちゃんを口説くという展開になる。
あれはご都合主義でもなんでもなく、正ちゃんはそういう才能がある人間であることは疑いないのだ(笑)。
その誘いに、一度は脱サラも決意した正ちゃんだが、子どもができたことでその夢は終わった。だが、大企業の中でも間違いなく出世する人材であろう。小学館は講談社に対抗して「社長 正ちゃん」でも出せばよかったのに。
・ま、それは冗談としても、たとえば「ラジオを有線でつないでご近所間でのコミュニティ放送を立ち上げ、みんなが自分の発表したいコンテンツを流す」「幻灯機を自作しただけでは飽き足らず、物語を創作して、それをみんなに見てもらう」なんてのは、ニコニコ生放送やyoutubeの先取りではないか。まだ電話が貴重品で、個人用の電話も夢物語だった時代。糸電話ネットワーク(オバQがその特殊能力を利用する)で、友達同士で自由に雑談をできるなんて、いかにも時代を先取りしているではないか。
これからドローンという「空を飛ぶ」能力が個人化していく時代。「未来を想像した、SF予言書としてのオバQ」にも注目してほしい。
あともうひとつ、この記事も紹介しておくね。これも結構衝撃。
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同時に、ここ10年で認めざるを得ないけど、「藤子・F・不二雄ブランド」全体は永遠の人気者、国家を代表するキャラクターとなった(東京五輪を観よ)ドラえもんに牽引されて、今なお寿命を保っているが、それでもその中で「オバケのQ太郎」それ自体の知名度や人気は徐々に風化しているように思える。
それは仕方ない、というか60周年を祝われるキャラクターって、それだけで全体の0,0001%しか到達しえない大成功なのだから。
だけど!!
オバケのQ太郎 のポテンシャルは、作品そのもので、まだまだ味わい尽くせる力があると思うよ。もう少し具体的にいうと、無印オバQは確かに世相も含めて、今のテンポとはやや違うのもあるけど、それでも傑作と言っていい、今でも爆笑を呼べる作品もある。
さらにいえば、藤子・F・不二雄のクオリティ的に全盛期といってもいい切れ味を「新・オバケのQ太郎」は持っていて、絵柄のかわいさも含めて本当にリアルタイムで戦えるコンテンツ。タイトルを「シン・オバケのQ太郎」にして、庵野秀明に監督させて再アニメ化したっていいくらいだ(笑)
なにか意味不明になったが全集はもとより、いま、再度てんとう虫コミックスになっているぐらいではないか。全集・てんとうむしともども表紙だけで絵がかわいい。
もうひとふんばり、ここでムーブメントを起こして、このキャラクターを永遠のもととしていきたい。