また、すごい話がきたな。
大前提をしってほしいのだが、作品は本来、とてもハートフル(和製英語)なヒューマンストーリーだ。正面から「里子」「特別養子制度」を扱った作品。
ひとによっては、あらすじ紹介だけで泣く、とも言われる(笑)
くりことびより
雪本愁二
お菓子メーカーで働く総二郎とその妻・真琴。そんな彼らは里子のくり子を迎えた。緊張してるのか「ん」しか言わない彼女。幼い頃の記憶があまりない総二郎はなかなかくり子との距離を縮められない…。しかし総二郎の得意なお菓子作りにくり子は興味深々で…! お菓子作りが家族の絆を紡ぐ! 繋がりのない親子が“家族”になるハートフルストーリー。
あ、この一話は読んでもらうと話は早いわ。
もともと主人公の総二郎と真琴の夫婦が里子を迎えた理由のひとつは、総二郎が実質的な里子、10歳で両親を亡くして、真琴の家に引き取られたからだ。
10歳の彼の両親の葬式で、真琴は制服を着ていた。まあそんな年齢差。
だが…13話で、その背景があかされる。真琴の父親=総二郎の義父が、家を訪問。くりこにとっては「おじいちゃん」ができて大喜び。
だが、義理の息子でなく実の娘のほうが、父親に対して、溶岩石のようにカテェ。
なんと、交際に最初は激怒していたのだ。どっちも武道家であり、衝突はさけられず。
で、なんで怒ってたかと言うと…
・自分の家で預かった小さな子がいた、家族同様に育てていた。
・しかしその子が、「まだ中学生」の時に、その子にとっては年上の、実の子が恋愛感情を抱き、そういう関係に陥った。
・それは「我が家で預かってる大事な子」に対して、不道徳なことである。
と。
しかし、娘さんのほうはこう反論する。
いや、反論なのか(笑)
この話は2月7日に無料公開されるんだって。
comic-days.com
ちょうどのこの設定が、ちょっと前に話題の「グルーミング」論とかぶっちゃうんだわ。いや被らないぎりぎりだったかな。
m-dojo.hatenadiary.com
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性犯罪の規定を見直す刑法改正案などが15日、参院法務委員会で全会一致で可決された。SNSなどでやり取りを重ね、わいせつ目的で子どもを懐柔して会うように仕向ける「性的グルーミング」を処罰する規定も盛り込まれている。
(略)
同年代同士の恋愛による行為が処罰されないように、被害者が13歳以上の場合、年齢差がプラス5歳以上の相手の行為を対象とした。
www.asahi.com
「付き合った」のが総二郎(男子)が中学生のころから。そして気になる年齢差が、たしか…4歳だったかな?
だとしたら設定上はセーフ!!だと思う。またもちろん、性的な関係抜きの恋愛で、その後「結婚を前提」にした関係ということになれば、これまた勝手に、というしかない。
じゃあ父親が因循姑息で溶岩石のように凝り固まったカテェ頭の、理不尽な怒りなのか?
そこが法的な話とはまた別なのだろう。「きょうだい同然に、同じ家で育った2人」で「年下がまだ中学生」の時に、年上が「気持ちを抑えられなかった」場合、法的な犯罪性があるかないかは別にしてモラル的な問題があるのか。
それとも、問題はあっても娘さんが言うように「気持ちは抑えられない」、そのことを「わかってくれない」ことは批判されるべきか。
なお、作品中ではくりこちゃんがマシュマロでおいしいお菓子を作ったので、こういう争点はすべて何も解決しないまま存在が消滅しました(笑)