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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

カメントツが小学生時代(90年代!) を回想する新連載、第1話から「ノストラダムスと僕たち」。さくらももことの対比も面白く…

ゲッサン」誌上での新連載

あのときのこどもさん

作品紹介
相も変わらず騒がしくて目まぐるしくて、だけど今よりちょっとだけ、スロウだったあの時代。
世界激変の90年代にこどもだったすべての人へ!!
全身全霊で遊んだあのオモチャ、クラスで流行った謎の遊びやトラウマすれすれのご近所事件などなど、「あったあった!」連続のバック・トゥ・世紀末キッズ・バイオグラフィ!!
作者プロフィール
カメントツ

愛知県出身の覆面漫画家。
2015年よりウェブメディア「オモコロ」にて漫画家としての活動をスタート。
2017年、Twitterで発表した「こぐまのケーキ屋さん」が大ヒット。

gekkansunday.net

連載開始にあたって「島本和彦先生のシマ(回想漫画)に入ってしまい、すいません!」と仁義を切ってたんだが(笑)、なに島本は80年代だし、平成ヲタクリメンバーズはゼロ年代の回想だ。90年代は親分が仕切ればよろしい……てか、「ゲッサン、懐かし系回想漫画ばっかじゃねーか」とか言うな(言ってないけど)


で、カメントツ氏が小学生時代を回想すると、90年代グラフティになるらしい…それ自体が読者にはダメージでかいかも(笑)

だが、ここで世代を超えた対話ができるガジェットが出て来る。
そう、それは「ノストラダムス」だった…

カメントツ、ノストラダムスを回想する

うん、君たちよりちょっと先輩も、だいぶ憂鬱だったよ(笑)。
その時点で五島勉氏の本はだいぶ昔に出てたはずなのだが、それがふつーに市立図書館にあったのだから、まぁすごい時代。


いやでもミリオンセラーだからね。市民からの要望強かったんだろう。実際貸し出しはすごい勢いでした。

カメントツとノストラダムス
中途半端に歴史(戦争の悲惨さ)や国際情勢を知っている、「賢い子」の断片的な知識が、こういうオカルト情報に拍車をかけるというのもあるあるだ(笑) では、戦争の悲惨さを調べよう…と図書館にある「戦争の漫画」をみんなで読むと…
カメントツとノストラダムス
何の漫画じゃったんかのう。ギギギ。 そして子供たちは、平和を保つために何ができるかを考えた結果、主権国家の上に立って物理的な抑止力を持つ超国家的な権力と武力が必要という結論に至る。 同時期にブームになりつつあった「沈黙の艦隊」から影響でも受けてんのかよ(笑)
沈黙の艦隊核兵器と威嚇
いや、その世界警察は紋章にすら「戦争禁止」をうたっているというから、実に哲学的かつ思索的ではないか。
カメントツとノストラダムス
そしてお話は、このエピソードを通じてむちゃくちゃいい味を出している「こうちょうせんせい」を巻き込んでいく。 いや、巻き込む理由は、この当時の小さい子供の発想からは無理からぬところなのだが…しかし、これ教育論的にはどう指導すべきなのかね?
カメントツとノストラダムス
大人になれば、多少は気になりつつも、あしらい方もわかるであろう「オカルト的終末論」を本気で信じておびえる子供たち。 しかしそこから自分たちなりの勉強・思索で「戦争と平和」「国家とその暴力の抑止」について、自分たちなりの考えをまとめ、善意でそれを実行しようとするまでになる。 そういうこどもたりの信頼の証、対象として学校と、自分---せんせいがいる。
カメントツとノストラダムス
この時、「そんなのはオカルトです!インチキです!信じるな!!」と頭ごなしに叱るのが、けして最善の選択ではないだろうし、現にそうしなかった。 どこまで現実に忠実な内容かはわからないけどさ、 もしこの校長先生のほうに話が聞けるのなら、この時本当にどう思って、どうふるまったかを校長の側から聞いてみたい…。 だが、1999年にあと7、8年ぐらい?(平成になったばかりだったそうだ)の時に校長先生なら、当時60歳近いだろう。 30年以上経過しているから、今ご存命でも90歳前後…健在かどうかもわからない。 そんな歳月が「ノストラダムス騒動」からは経過している。 そして…このテーマでは欠かすことのできないマイルトーン的な存在が、こちらもいまは故人のさくらももこが描いた「まるこノストラダムスの予言を気にする」の回。 或る意味カメントツ漫画は、これへのアンサーソングであろう。


w.atwiki.jp

ちびまるこちゃんの場合、「もし1999年に予言が外れたら、みんなちゃんとしてる中でアホな”大人”になってしまう」という別の心配によって立ち直るのだが、カメントツ氏の場合は「高校生の時に世界が滅ぶのかー」である。


そんな時代の差が両者にはある。その一方で「オカルト的終末論を浴びたこどもは、こういうふうにアホな反応をする」という点で共通しているといっていい。

だから、さくらももこファン、ちびまるこちゃんファンこそ、このゲッサンのカメントツ少年時代回想漫画の第一話は見た方がいい。


もっとも、ゲッサンの傾向、一般論として,来月次号が出たら、このページに「第一話」がUPされることが多い。8月12日前後、注意してみてくれ。

gekkansunday.net



どちらにしてもこの作品、要注目である。