◎朝日襲撃「赤報隊」の正体 本誌取材班
安倍、岸田と「総理」へのテロが相次ぐが、かつて日本中を震撼させた事件があった。
「赤報隊」と名乗る犯行グループは朝日新聞阪神支局で記者を射殺、
リクルート社や、中曽根、竹下両元総理も標的にした。時効から20年──。
犯行直後に「逃走資金」を渡し、その後、リクルート社から
1億円を受け取ったと証言する人物がいる。
新谷学編集長の文章は、こうつづられる______
取材に時効はない
編集長ニュースレター vol.25
新谷 学 「文藝春秋」編集長
2023/05/08
いつもご愛読いただき、ありがとうございます。「週刊文春」特集班のデスクだった2002年のある日、一人の記者から見せられた捜査ファイルの衝撃は今もはっきりと覚えています。
そこには「取扱注意 警察庁指定116号事件」と記されていました。
「116号事件」とは、1987年5月3日に起きた朝日新聞阪神支局銃撃をはじめとする、「赤報隊」を名乗る犯行グループによる連続テロ事件の総称です。
赤報隊は朝日新聞の他にも、リクルート社や中曽根康弘、竹下登両元首相をも標的にし、日本中を震撼させました。
週刊文春の記者が入手したのは、警察庁、兵庫県警が時効前の1998年にひそかに作成した20冊に及ぶ捜査ファイルの束でした。
時効は翌2003年に迫っていました。週刊文春では新年特大号の目玉記事とするべく、精鋭部隊による「116号事件取材班」を結成しました。膨大な捜査ファイルの中でもとりわけ取材班の目を引いたのが、「重要捜査対象者9人」と題されたリストです‥‥(略)
bunshun.jp
とはいえ、このへんの「未解決事件を追う」ジャーナリズムは、得てして羊頭狗肉になりがちである。
またこの事件では、というか、これぐらいの規模で騒ぎになり、かつ刑事事件としては未解決に終わった事件は、かつて週刊新潮が煮え湯を飲まされたように「あの事件は、実は自分がやりました」と、さも深刻に告白する、そんな歪んだ名声欲、注目欲に染まった人も多い(これもしばしば、「犯罪マニア」的にその存在に詳しく、詳細を知っていて迫真があったりする)
実際に読まないと…いや読んでも、果たしてどう評価していいか分からない