一水会顧問・鈴木邦男は、令和5年1月11日午前11時25分、療養先の病院にて79歳で逝去しました。葬儀は親族で執り行われ、訃報はご親族を通じ、1月26日にお知らせ頂きました。ここに生前のご厚誼に深謝申し上げます。ご親族への、ご香典、ご供花等は一切ご遠慮願います。問合せ先は、一水会03-3364-2015
— 一水会 (@issuikai_jp) January 27, 2023
ブクマのコメントを再録しておきたい。
一水会という団体の、特に今現在の言動に大きな疑念を持つが、鈴木邦男個人は思想でなく、その姿勢のある部分(全部ではない)が大きな尊敬に値した。プロレス・格闘技ファンとしても合掌するのみ。
https://b.hatena.ne.jp/entry/4731510715571707332/comment/gryphon
まさに「一水会」のいま現在の問題と
鈴木氏の体調について、記事を書いたのは
昨年の8月。この二つ、繋がった話かもしれない……
どんなふうに表舞台からフェードアウトしていったかは、これで一応概要が分かると思う。
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80年代のエスエル出版から、非常に紙質の悪い単行本で出た、一連の格闘技本、業界の外部にいるからこそ……内情を分からないまま、ずかずかと氏が踏み込んだプロレス・格闘技関係のイッシューは、かなり奥の、致命的な部分を穿っていたりもする。
ただ、それを穿つノミとして役立ったのが「骨法(堀辺正史師範)」であり、だから別のゆがみや煙幕がはられ……と、ある意味あの手探りの時代が懐かしい。
自身の、こんな回想がある。
kunyon.com
『格闘プロレスの探究』と書かれている。あっ、私の本だ。懐かしい。確か、25年ほど前に出した本だ。
(略)
懐かしい本だ。笠原氏から借りて、パラパラと頁を繰る。奥付を見る。1989年1月20日発行になっている。エスエル出版会(鹿砦社)発行だ。この頃は、プロレスや格闘技の本を随分と書いていた。岡山プロレス研だけでなく、多くの格闘家に会い、取材している。タイやロシアにも格闘技の研修ツアーに行っている。体を賭けて、書いている。
大体にして、奥付の【編集者略歴】も、他の「鈴木本」とは、かなり違う。
〈鈴木邦男 早稲田大学政経大学院中退。産経新聞社勤務などを経て、現在、格闘技評論家として活躍。自ら、骨法、サンボ、柔道などを実践し、新たな格闘技論構築に努めている。そのためには、国内・海外問わず、どこにでも飛んでいく行動派。著書に『過激プロレスの崩壊』『プロレス・シュート・格闘技』『UWF革命』(いずれもエスエル出版会)のプロレス・格闘技関連書のほか、社会問題書など多数。プロレス評論雑誌『プロレス・ファン』(エスエル出版会)顧問〉
この本に載ってます この本に載ってます
全く違いますよね。一水会、新右翼…なんて一切出てない。「社会問題書など」の著書がある。という所だけだね、この人の正体を暗示してるのは。でも嘘ではない。贋の経歴ではない。本の取材も執筆も全て私がやっている。ゴースト・ライターもいない。「格闘技評論家」として本を何冊か書いてるし、他の格闘技雑誌でも書いたり、格闘家と対談したりしている。
月刊『ゴング』では、長い間、コラムを連載していたな。「誰がために鐘(ゴング)は鳴る」だ。
プロレス・格闘技だけでなく、そこを通して見た日本、世界についても書いている。
これも、まとめてみたいな。
(略)
この本の構成も紹介しよう。目次からだ。格闘プロレスの探究
出光さん、大塚さんと 出光さん、大塚さんと
第1章
王者UWFは批判を恐れてはならない
=『UWF革命』その後=
第2章
サブミッションは格闘技を変える
=麻生秀孝氏(サブミッションアーツ代表師範)に聞く=
第3章
「女子プロ最強」の次の目標は打倒ムエタイ
=神取しのぶ選手に聞く=
第4章
ソ連・サンボ研修記
=本場で体験したサブミッション・テクニック=
第5章
タイ・ムエタイ研修ツアー記
=打撃格闘技と組み打ち格闘技の違いと接点=
第6章
ファンの立場に立ったプロレス・マスコミを
=OWA(岡山大学プロレス研究会)大いに語る=
あとがきにかえて
プロレス・ルネサンスと宗教革命
日本古武道演武大会で。2/9(日) 日本古武道演武大会で。2/9(日)
プロレス評論だけではない。〈実践〉もやっている。ロシアに行って、サンボを習っている。それも5回ほど行った。デカいロシアの選手を相手に毎日、ハードなトレーニングをし、闘った。
又、タイには2度行って、ムエタイのジムで教えてもらった。ムエタイの試合もかなり見た。
又、その後、国会議員になった神取しのぶさんにもインタビューしている。
私はまだ柔道を始める前だ。神取さんの話を聞いて、「やはり、組み打ち格闘技の原点は柔道だ。講道館に行かなくては」と思ったようだ。
甲冑での演武 甲冑での演武
又、骨法の堀辺先生を知り、多くのことを教わった。ある意味では、この本が、私の「格闘人生」の原点になっているのかもしれない。
民族派運動をし、街頭で闘うのも、言論活動をするのも、皆、〈格闘技〉だ。生きていくこと自体が、〈格闘技〉だ。
だったら、今も、「格闘家」だし、格闘人生の探究だ。
この本の中で、〈ロシアのサンボ体験記〉も面白いが、タイでの「ムエタイ」体験ツアーだ。
トランクスにグローブをつけて、ジムで指導してもらった。打撃、防御、首相撲のやり方を教えてもらった。だから、〈第5章〉は、そんな写真が出ている。
大東流合気柔術 大東流合気柔術
又、ドン・中矢・ニールセンとタイで会ったので彼の話も聞いた。ニールセンは日本に来て、数々の格闘家と闘っている。
格闘技・プロレス的な文脈で鈴木邦男さんの功績を語るとすると、格探の荒井さんと並んで、新生UWFが実はリアルファイトではないことを初めて活字に起こしたことかもしれない。あの時期のエスエル出版にはだいぶ影響を受けたクチである。 https://t.co/DQYiBoj562
— 細田昌志『沢村忠に真空を飛ばせた男/昭和のプロモーター・野口修評伝』第43回本田靖春賞・3刷重版 (@kotodamasashi) January 27, 2023
エスエル出版で、鈴木邦男とその仲間たちが追ったプロレス・格闘技の論考を、いまの視点から再検証・再評価することが、故人が旅立った今こそ求められるのかもしれない。
安らかなれ。
一水会に関する諸問題も一応。
もはや一水会自体が問題ではなく、「一水会と関係を持つ政治家などの公人」の問題である、とも思っている(統一教会と同じアプローチ。)
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