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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「鎌倉殿の13人」雑談 安徳天皇に興味抱いたなら諸星大二郎を…/後白河法皇と「脈止め」【推理トリックメモ】

鎌倉殿の13人ネタ

あとでひとことふたこと感想を追加します


後白河法皇の「脈止め」ネタ~あなたの「脈止め」はどこから?







死の欺瞞

 死の欺瞞ぎまんについて奇矯な着想が幾つかある。その一つは職業利用の殺人で、自殺したとしか考えられないものである。
 あるアパートの一室に、ピストルを口中に入れて発射し、自殺している死体が発見された。そのそばに一挺のピストルが落ちていた。発射されたあとがあり、またピストルの表面についた指紋も、死者のものばかりであった。この事件はむろん自殺として処理された。口中にピストルの先を入れられて、無抵抗でいるような人間があるはずはなく、他殺とはどうしても考えられなかったからである。
 ところが、真相は他殺であった。そういう他殺をごく自然にやり得る唯一の職業がある。それは歯科医なのだ。咽喉科の医師でもできないことはないが、歯科医のほうがいっそう便宜である。恨みのある人物の歯を治療しているあいだに、隠し持ったピストルの筒口を患者の口中に入れて発射すればよい。歯科の患者は目をつむって、大きく口をあけているものだ。絶好の状態である。そして、殺しておいて、死体を別の町のアパートの人のいない部屋に運び、そばに被害者の指紋をつけたピストルを投げすてておけばよろしい。あまり著名でないイギリス作家の短篇である。
 いま一つの例は、生きていながら死んだと思いこませ、自分をこの世から抹殺するトリックである。これは種々の条件がよほどうまく揃わないとむずかしいのだが、Aという男が早朝、暴風雨の海岸の岩の上に倒れている。これを発見した友人が、驚いて岩に駈け上り、名を呼んでも答えない。まっさおになってグッタリしている。どうも死んだとしか見えない。念のために右手首の脈をとって見ると、全く絶えていることがわかったので、あわてて医師と警察に知らせるために人家の方へ走り去る。倒れていたAは、それを見送ってノコノコと立ちあがり、どこかへ行ってしまう。あとではAの死体が波にさらわれたものと判断される。かくしてAはこの世界から自己を抹殺したのである。
 どうして脈がとまっていたのか? それには手品師の使う手がある。脇の下に小さいボールのようなものを入れて腕でしめつけ、腕の動脈を強く圧迫するのだ。そうすると手首の脈は消えてしまう。この犯人はその奇術を応用したのである。これはカーの短篇。

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昭和、平成、令和。

あの脈止めトリック、わざわざ出す必要はない…というか、脈が止まるまでやったら「そこまで体調が悪いんじゃ法皇様は後ろ盾にはならん、頼朝に逆らうな」と行家が言ったかもしれない。あれは絶対ファンサービスというか「ミステリートリック、しかも『あるある』的なことを出せば僕のファンは喜ぶだろう」と三谷幸喜が考えた余計なお遊びだと思う(笑)。で、古典だけど、世代的に三谷も念頭に「魔少年ビーティ―」があっても不思議じゃないかも・・・・・

こういうのはやっぱり、自分が接した年代で区分けされることも多い。そしてインパクトがあればこうやって、誰かがそのネタを自作品に使って反響もリバイバルされる。
その結果、その話題、キャラ、シチュエーションで世代が区分する基準になる。地層の三葉虫みたいなもんだ(笑)


その『「あなたの~」はどこから?』傑作群
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安徳天皇…a,k.a「あんとくさま」