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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

酔っ払いが、見知らぬ人から1冊の文庫本を貰う。それは沢木耕太郎「深夜特急」だった(働かないふたり)【大人のおとぎばなし】

今読むにはこの回、ポイントが必要となるので、紹介が遅くなり申し訳ない。
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「働かないふたり」

kuragebunch.com

基本設定を今北産業ってやつで

・このマンガの主人公は、ふたりの兄妹。彼らは「ニート」。
ニートだが、毎日とても楽しく日常を満喫。それが逆に忙しく働く人の「いやし」になるほど。その立場から、ある意味現代社会を問うている。
・二人とも行動はかなり「バカ」なことをしてるが、どうも兄さんは知的な人間でもあるようだ。妹さんは純粋にバカ(笑)だけど、とてもやさしい子。

で、そのお兄さんの話。
兄は、ニートとしてありあまる時間を駆使し、たいへんな読書家でもあるようなのだ。
夜の公園で読書していた彼が、かなり酔っぱらっているサラリーマンと出会い、挨拶をかわす。
ふとサラリーマンが、兄の読む本に目をとめ、「なつかしいな…」

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酔っ払いが見知らぬ人から1冊の本を貰う。それは「深夜特急」(働かないふたり)


それは、あとで書影が描かれてわかる。これだ。

サラリーマンさんはだいぶ酔っていたので、翌日はこの出会いを覚えていない。
なぜか手元にある本を「なんだこりゃ」と一度は投げ捨てようとするが・・・・・・・・・

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酔っ払いが見知らぬ人から1冊の本を貰う。それは「深夜特急」(働かないふたり)


ここで、お兄さんがサラリーマンにあげるのが「深夜特急」であるのは、偶然の必然である。
おそらくは、この本でなければならなかった。
感想文でいやいや書くために、若いころ一応目を通したのも、ふたたび、つい読み始めたのも、おもしろさのあまり2巻を夜の書店に買いにいったのも。

かってに改蔵だったか、さよなら絶望先生だったか。「自分探しは危険」というネタの時にこの書名があがってたような(笑)
あ、改蔵のほうか…

かってに改蔵 15
Jp-e : 091261750000d0000000
羽美が大きなカバンを持ってバスを待っていた。カバンの中には北海道のガイドブックに青春18キップ。そう、羽美は「自分探しの旅」に出ようとしていたのだ。改蔵は「自分探しの旅といえば聞こえはいいが、その大半は現実逃避、もしくはただの失踪」と喝破。羽美に“自分探しのプロ"である私立探偵・自分寺三郎を紹介する。だが結局北海道に行ってしまった羽美は…!?


改蔵:「さわきこうたろうの本でも読んだのですか?」
羽美:「そ・・・そんなわけないでしょ・・・」
     深夜特急
小説「深夜特急」(沢木耕太郎
インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行く  。ある日そう思い立った26歳の<私>は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。途中立ち寄った香港では、町の熱気に酔い痴れて、思わぬ長居をしてしまう。マカオでは、「大小」というサイコロ博奕に魅せられ、あわや・・・。一年以上にわたるユーラシア放浪が、今始まった。いざ、遠路二万キロ彼方のロンドンへ!

注意!!こんなものがあったら あなたの息子さんも 自分探しの旅に 出る兆候があります。
   フレイフレイ人生    おもひでぼろぼろ    青春⑱    生きるピント
かってに改蔵

いや……待てよ、「働かないふたり」も、このサラリーマンがこのあと、退職して一人旅に出てしまう可能性も??????

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沢木耕太郎は編集者から抗議された「貴方の本を読んで、彼が旅に出ちゃった」

http://www.jyh.or.jp/hm/download.cgi?name=04&type=pdf


沢木耕太郎も、そもそもこの旅の途中、見知らぬ人、文庫を交換していた。

本編中の記述だったか、派生したコラムのどこかだったかは忘れたが……70年代、80年代の日本人の、世界放浪バックパッカーは、当然のように旅の途中の無聊を慰める、文庫本を持って行った。
だが、長旅でその本も読み飽きる。
そこで、旅の宿で見も知らぬ同宿の日本人と、読み終えた本同士を交換するのだ。

いまでは、おそらく世界中で、kindle電子書籍をモバイルにダウンロードできる時代。大変すばらしい時代だ。
だが、それゆえに、いま文庫本を交換したくても、おそらくその文化は衰える一方だろう。
「プレ電子書籍時代」だからこそ、生まれた出会いかもしれない。

それが深夜の大都会で再現されたからこそ、この回の「働かないふたり」は「大人のおとぎばなし」たり得たのだろう。


「大人のおとぎばなし」リンク集

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最新の「働かないふたり」も面白いので読もう。/連載は400回、1600話突破

kuragebunch.com
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この作品は、公開された1回分に、4話ぐらいのショートストーリーがあると計算するので、400話・1600回なのだ。
で、これぐらいの長期連載はウェブ上でもなかなか無い。節目として、どこかでインタビュー記事とかあってもいいんじゃないでしょうか?


町はずれの浮浪者、狂者こそ、世を曇りなく見つめる賢者だ、という視点は昔からあった。

「働かない」「ニート」を前面に打ち出すこの作品は、期せずしてそういうジャンルに隣接しているのかもしれない。

www.youtube.com

漢文
楚狂接輿歌而過孔子、曰、鳳兮鳳兮、何徳之衰也、徃者不可諌也、來者猶可追也、已而已而、今之從政者殆而、孔子下欲與之言、趨而辟之、不得與之言。

書き下し文
楚の狂接輿(きょうせつよ)、歌いて孔子を過ぐ、曰わく、鳳(おおとり)よ鳳よ、何ぞ徳の衰えたる。往(ゆ)く者は諌(いさ)むべからず、来たる者は猶(な)お追うべし。已(や)みなん已みなん。今の政(まつりごと)に従う者は殆(あや)うし。孔子下(お)りてこれと言(い)わんと欲す。趨(はし)りてこれを辟(さ)く。これを言うことを得ず。



現代語訳
楚の狂人・接輿(せつよ)という者が、孔子の側を歌いながら通り過ぎた。
「鳳(おおとり:鳳凰)よ、鳳よ、なんと徳を衰えさせたものだ。過ぎた事を言っても仕方ないが、これからの事はまだ間に合う。止めなさい、止めなさい。今の世に政治に関わるのは危険だ。」
孔子は馬車から降りて接輿と語り合いたいと思われたが、接輿は走って逃げてしまったので話ができなかった。
blog.mage8.com

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孔子をからかった楚の狂人・接与。のちに李白が詩にもうたった(画は諸星大二郎孔子暗黒伝」)

我本楚狂人,鳳歌笑孔丘。
出自於李白的《庐山谣寄卢侍御虚舟》
朝代:唐代

作者:李白

原文:

我本楚狂人,鳳歌笑孔丘。
手持綠玉杖,朝別黃鶴樓。
五嶽尋仙不辭遠,一生好入名山遊。
廬山秀出南鬥傍,屏風九疊雲錦張。
影落明湖青黛光,金闕前開二峯長,銀河倒掛三石樑。
香爐瀑布遙相望,回崖沓嶂凌蒼蒼。
翠影紅霞映朝日,鳥飛不到吳天長。
登高壯觀天地間,大江茫茫去不還。
黃雲萬里動風色,白波九道流雪山。
好爲廬山謠,興因廬山發。
閒窺石鏡清我心,謝公行處蒼苔沒。
早服還丹無世情,琴心三疊道初成。
遙見仙人彩雲裏,手把芙蓉朝玉京。
fanti.dugushici.com


それはたしかにユートピアだけど、今はまだ企業の管理職としておそらく高収入のお父さんが引退したらどうなるの?という視点も持ちつつ。