まず、本題に入る前に最新回の「ウィッチウォッチ」が、すごい『意外な展開』を見せてくれて、ヤラレタ!感あり
今週のウィッチウォッチ。 pic.twitter.com/AGGeLcweKM
— ニャモモ (@303nyamomo) 2021年8月10日
よく考えたらスケットダンスは最初のころ(そしてその後も時々)、学園ミステリー的なテイストを入れて、ちゃんと謎や推理やトリックを構築してたもんな。
個別にその出来がいいとか悪いとかというより、それがまず「構築」できるのが大したもんよ。
今回の一件、その衝撃の展開に至るまでに「読者諸君は既に、これまでの描写で、合理的な考察によりその結論にいたる材料を提示されている」とまでなっていれば完璧だったが…、それはさすがに過剰要求だろう(伏線どれぐらいあったっけ?あとで単行本その他で読み直す)
それにしても、今回ああいう変化はSF的な理由でもあるから一概には言えないが
前の回などで・・・・・・という役割を担っていた人物が、次の回で・・・・・だと、やはり印象に残る。このあと・・・・・・なら、また彼が・・・・になるだろうし、そうでなければ・・・・・・・となる。
今回の話は、以上で。
以下本題。
ひと昔前、日本のマンガで海外のファンがいる、というのは、まず膨大な漫画作品の中から、厳選の名作として海外出版社が翻訳出版を手掛けたり、海外に売られたアニメが反響を得てからのことで、対象もごく少数の巨匠・エースに限られていた。
今ではネット海賊版を経て、アプリなどで公式の海外版も連載直後にすぐ供給される。アプリは閲覧数も一けたまでわかるから、人気のあるなしも一目瞭然だ。逃げ上手の若君はさすがに時代背景が海外には伝わりにくく、暗殺教室で評価の高い作者も海外閲覧数では苦戦してるとか…
そんな海外反応を,ジャンプなどを中心にまとめるサイトがあるんやけど。
そこの「ウィッチウォッチ」感想見てみた(別にそれほど、海外で圧倒的に人気!とかではないですよ)
その中で………海外の人たちの反応
カンシがウィングマンというところが本当に素晴らしいよ。篠原先生は『彼方のアストラ』を描いてから三角関係は必要ないことに気付いたのかもしれないね。
wing manとは?( 恋の橋渡しをしてくれる人のこと。女性ならwing womanになる。)
天狗よりも優れたウィングマンはいない。「モイは絶対にニコに興味はない」と言った時に彼がそうではないと言ってくれて良かったよ。
カンシが恋のライバルではなく、ウィングマンであることを嬉しく思うよ。
wing manとは?( 恋の橋渡しをしてくれる人のこと。女性ならwing womanになる。)
勿論、彼はウィングマンだ。
………はい、「ウイングマン」と聞いて、いろいろそこから話を広げたいおじさんも多いと思うが、そこはこらえていただきたい。そもそも通用しない。何かが変わる君の目の前。
本題に戻って、へえ、海外の反応も自分と似た感じだ、と思いました。過去記事より……
篠原健太「ウィッチウォッチ」登場してきた「天狗キャラ」が、鬼のヒーローのライバルではなく、側面支援の友人に収まる
ウィッチウォッチ、不和解消 作劇論としてなかなか興味深かった。
当初の登場の回からすると、 鬼のヒーローである モイちゃんと、例えば「うる星やつら」で言えば面堂終太郎のような、恋愛の場面で主人公を巡り張り合って、なんだかんだと突っかかっていくようなタイプの方が、お話が作りやすい気もするのだが、そっちではなくあっさりと仲良くなって、主人公二人の恋愛も後押しする(ただしそれが逆効果になる可能性も高い)ような展開になっていった。これは以前書いた「同じ男の子が好きな女の子たちが、かえって仲良くなる」というパターンの方が最近目に付くのとひょっとしたら同じなのかもしれないな、と思ったがそういうことなのかどうかちょっと分からない。ただ篠原健太はその辺のことにはこだわりがあってスケットダンスの時も編集者から「このグループには敵が必要なんじゃないか?」と強く叱咤されても頑として拒否したと言う話があった。
あと展開が早いというか、「このネタ引っ張ると思ったら引っ張らなかったな」というのが多い。主人公が魔法が使えること、それを助ける男の子は鬼の使い魔であること…の秘密がばれるばれないをネタにするのかと思ったらこれもあっさりオープンリー・ウィッチになったし。担任教師の漫画ガチオタも、少なくとも生徒の一人には簡単にばれてしまったし。
そういう時代なんだろうな。
今は、恋のライバルがガチンコでさや当てするような作品は流行らず、むしろそういう関係だけど仲が良い、というほうが主流となってる説
m-dojo.hatenadiary.com
高橋留美子や浦沢直樹は、今でも第一線の超人気漫画家であることはリスペクトに値するけど、本当に今風の作品を描いてるわけでもなく「最強最後の昭和マンガ」を、今でも力技で通じさせているからすごい、ともいえる(とはいえ、今の連載ではやっぱり、ガチガチに恋敵同士が喧嘩や謀略をするような話はないしね。そもそもジャンルが違うからということでもあるが)
そしてさらに、だが。
恋敵が登場して三角関係になる、とかは陳腐で個人的にも好みではないが、ただドラマとしては作りやすいだろう。こんなふーに、出会って数回で仲良くなって、それ以上にドラマが作れるのかい?と素人ながら思ったのですが…
「You need to make to so clear to him that he can't possibly misunderstand.(彼に誤解させないようにハッキリと伝えるべきだ。)」(原作 カンシ「ん~つまりもっとアホにもわかりやすくアピールを・・・」)
イエース! 話せ! 言葉を使うんだ! 行動して! 何かするんだよ!
「You need to make your hair flutter!(髪をパタパタさせる必要があるな!)」
・・・何だ、それ?
なんだそれ、と思うだろうが、つまりこういうこと。

…いや、読んでも「なんだそれ」だな、これ(笑)
つまりこういう感じで、あるキャラを、主人公の男女(には限りません。それが令和)の「恋敵、ライバル」でなく、「ウイングマン(橋渡し役)」と位置付けるのはいいが、この人物が「マヌケ、おっちょこいちょい、センスがずれてる」と設定すると、そこから珍妙な形で彼らの恋愛を仲介しようとへんてこな戦略を立てて、それが逆効果になったりとんでもない結果になったり……そんなことで話を作れるんだな。
だが、コメディ前提になるが。
なんか既視感があると思ったら、「オバQ」のなかに結構あるんだよ、この種の話が。ドラえもんにもあったかな。特殊能力を利用して、誰かの恋を成就させるつもりが、いろんなトラブルであらぬ方向に……と。
けっきょく、自分が「今、ここ」の作品を見てあれがおもしろいこれがつまらないと論じていると、いつしか藤子不二雄に帰っていくからおそろしい。
もちろん篠原健太氏は、俺的に認定する藤子・F・不二雄遺伝子の、直系の子孫ですし。
まあ、そもそもそれが「トレンド」なのかといえばちょっとそうは言いきれない気がするんだが(上の海外反応だって多数派かどうかわからん!)、おれの個人的好みとして断言するとしよう。
「誰かの恋の橋渡しをしようとするが、ちょっと間が抜けているのでとんでもない失敗する奴(ウイングマン)」を物語の中心近くに置いて、そのネタで話を引っ張るのが好きなんで、もっと増えてほしいです、と。
こんな作品やキャラクター、ほかにもありますかね?
もう2巻出るのか。