ある記事への、ブクマにこう有りました。
すこし前までBL語りすることが女性の解放だという風潮があって、そういう本もけっこう出たけど、そんなわけはなくてポリコレ的に致命傷のブーメランになっていてあの頃語っていた人みんな戦々恐々としていると思う。
https://b.hatena.ne.jp/entry/4705546724776613442/comment/tokyotokyotokyotokyob.hatena.ne.jp
自分は2011年の、この記事を書いたときにはじめて「BL」という文化を体系的に調べ、初歩的知識を得て考え始めた新参もいいところのものですが、それでも興味深いものだ。
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そして、以下に紹介する漫画の描き手は男性なわけですが、それはそれとして…再紹介
ゆうきまさみ先生の、小味の効いた全3巻の短期連載「でぃす×こみ」という作品がある。内容は…アマゾン解説参照
まさか…BL!?兄妹漫画家コメディー!「ゆうきさん、どうしたの!?」と物議を醸した、
革新の“漫画家マンガ”誕生!!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
万年選外ながら、漫画家を目指す女子高生・渡瀬かおる。
しかしある日、ビッグな新人漫画賞を受賞!
だが授賞式で仰天&顔面蒼白―――
それもそのはず、「あたしが描いた漫画じゃないっ!!」!!なんと、かおるの名前を騙って、しかも“BL漫画”を
応募したのは―――実の兄だった!?
笑劇必至、ゆうきまさみの新境地!!
努力の妹×天才の兄が織りなす、凸凹漫画家コメディー!
連載が始まった直後、まだ単行本も出ない中で、紹介文を載せた当ブログ。
ただ、そのとき、これに気づいたのはたぶん慧眼なんだろうけど…タイトルに注目。
抜粋して、例によって「再放送」する。(略)
これは「差別」か?
つまり、このように「取りつくろいもの」になる理由というのが・・・社会的偏見、差別主義者の跋扈する今の社会状況がシカラシムルものではないか??という問いです。
こーすることによっておはなしが、前述したような笑える「取りつくろいもの」になっていくのは分かりるのですが、ここで皆さんお待ちかね、「ポリティカル・コレクトネス」の登場でえす。
さて、この女性編集者の態度は”差別”か”偏見”か・・・あるいは?という問いをたててみる。
(略)ま、とにかく、本人の個人的な、リアルな性的指向がどーこーに関係なく、
(1)創作意欲のたまものとして結果的に「BL漫画」を描く「男性漫画家」がいた、と。
(2)それを知らずに、その男性に「(ああいう)BL漫画を、男性が描いたらドン引きですわー」と編集者が言い放つ。
(3)その結果、(1)の男性は正体を明かす(カミングアウト?)ことができなかった。この展開・・・「愉快なコメディ」なのか「深刻な社会的差別・偏見を告発するドラマ」なのか?
かの(2)の女性編集者は、恥知らずの差別主義者なのか???いいですか、ワンモアリピート。
「…これもまた、女子による女子のための漫画なんだからってね!」
(問い)「つかぬことを伺いますが―――すると男子はあーゆー漫画を描きませんか?」
「これは女子ロマンの世界ですからねー。男の子には描けないってゆーか…男が描いてきたらブッ飛ばすってゆーか…」
「そうねえ、もし男があれを描いてきたら――。ん〜〜 あ、だめだめ!あたしが真っ先にドン引き!!」
もちろん、これは「架空の人物」の「架空の発言」であり、さらにいえば、こういう人がいない事には「とりつくろいもの」としての同作品がそもそも成立しないというストーリー上の必然というものがあって、作者の思想の反映とも思えないし、上のリアルな発言とはそもそも別物である。ただ、それとは別に、作中の人物に評価を下すとするなら…上の女性編集者(八反田)は「やや発想が極端で過激だが、善良かつ優秀な人」ぐらいの微熱的な批判をするわけにはいかまいて。「今回の騒動となったツイート氏と同レベルの発想をする、とんでもない差別主義者」ということに、しないとしゃーない。前回、そう断言せず留保をした、当ブログもその判断は甘かったということになろう。「文明の名において、彼女は断罪されるべきである」という、心に東京裁判である。
ただ、上のような「BLは女の子のためのコンテンツ、男は入ってくるな!!」的な主張も大問題ではあるのだが(繰り返しますが「でぃす×こみ」自体はフィクションで、男性執筆のものです)、本丸はそちらではない。やはり、「自分はこういう恋愛…というか性的な関係が理想だ」的な”語り”(そこには、おそらくエンタメ的な、あるいは自虐的な誇張もあったろう)に、「ポリコレ基準でアウト」な発言があるのではないか、ということです。
異性愛も含めて言えば、たとえば、女性にあこがれる人が多いという「壁ドン」ひとつをとっても、である。
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これもすごい
第1章 やまだないと×福田里香「私たちの大好きな少女マンガ」
やまだ:少女マンガってさ、ちょっとタブーっぽいこともありにするための工夫をいろいろ考えるよね。
よしなが:そうですね。男同士もタブーの一つだし・・・
やまだ:男同士がタブーっていうよりも、~中略~、レイプされてみたいっていう願望がタブーだから、
男の子とかの姿に変えて描くんじゃないかな。
福田:レイプ願望とは違うと思うな。~中略~ ていうか、レイプしたくなるぐらい・・・・
福田・よしなが:私を好きになってほしい!
福田:(笑)ってことなのよ。
~中略~
福田:その人限定でレイプされるほど愛されたいってことなのよ。
レイプは最上級の乙女表現にすぎない。
よしなが:一般のレイプ願望ではないんだよ。その人にどれだけ求めてもらえるか、っていう話なんですよ。
福田:だから、それ読んで女の子が全員レイプしてほしいと思うのは大間違いで、そんなことは望んでない。
だいたい男の人って勘違いするんだよね、それ読んで。
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ただ、それが取り締まられるべきか、規制されるかといえばそうでもなかろう。それは「ハコヅメ」105話が、端的な補助線となる。
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ただ、それらの発言を調査、発掘して保存しておく……、それ自体はいろいろと後世のために役立つのではないか。
というか、さっそく、その事例が集まっている。(主にコメント欄)
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すこし前の話
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