読んだ。
- 作者:小佐野 景浩
- 発売日: 2020/05/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
「普通の人でいたかった怪物」
今でも根強い〝日本人レスラー最強説〟と、
権力に背を向けたその人間像に迫る!天龍源一郎、長州力、川田利明、田上明、小橋建太、渕正信、秋山準、佐藤昭雄、
和田京平、鶴田恒良(実兄)、池田実(日川高校バスケ部同級生)、鎌田誠(元中大レスリング部主将)、磯貝頼秀(ミュンヘン五輪代表)他、
当時のコメントと多くの新証言をもとに、
誰もが踏み込めなかったジャンボ鶴田の実像に、
元『週刊ゴング編集長』小佐野景浩が初めて踏み込んだ大作。「鶴田の何が凄かったのか、その強さはどこにあったのか、最強説にもかかわらず真のエースになれなかったのはなぜなのか、総合的に見てプロレスラーとしてど う評価すべきなのか――などが解き明かされたことはない。もう鶴田本人に話を聞くことはできないが、かつての取材の蓄積、さまざまな資料、関係者への取材、そして試合を改めて検証し、今こそ〝ジャンボ鶴田は何者だったのか〟?を解き明かしていこう――」(著者より)
怪物的なスタミナやパワー、跳躍力に190センチ台の身長……誰もが認める身体能力を持ち、デビュー直後から高い水準の試合を組み立てられるプロレス頭もありながら、永遠の若大将的なポジションに甘んじて、最終的にはカリスマ的な人気を得るには至らなかった(たとえばアントニオ猪木、前田日明、長州力、天龍らと比較してもそうだろう。また、こういう伝記本が出るのが稀であること自体もその証だ)のがジャンボ鶴田。
自分も、ジャンボ鶴田が一番好きだとか、ジャンボ鶴田を応援するっていうイメージはなかったなあ。
伝記だからもちろん好意的にその人柄やファイトも綴っているのだが、
逆にいろんな記述から、【なぜジャンボ鶴田は、あの才能にも関わらず「プロレス界の頂点に立つ絶対的カリスマ・ジャンボ鶴田」にならなかったのか?】という大きな謎の、【答え合わせ】ができる本であると思う。
そのへんのことは、ちょっと時間がないので別の記事にゆずろう。
今回は別の1ネタを。
この本の中で、それほど分量的には大きなスペースを占めているわけじゃないが、鋭い批評を語っているのが川田利明。
この人は全日本時はキャラクター的に寡黙と言うか、ぶっきらぼうに語るようなイメージを持たれていたが、実はたいへんなおしゃべりで語る内容が楽しいという点では、おしゃべり親方野郎とも呼ばれる元稀勢の里こと荒磯親方にも似ている(笑)
特に鶴田論は、「体格に大きな差がある相手」という意味ではここで証言している天龍や長州、小橋建太などでは語れない話が多く、いかに小兵レスラーは体力差というもの……言い換えれば、「鶴田の余裕」を感じながら戦っていたかの、貴重な証言になっている。
しかし付き人でもあった川田は、そんな完全無欠の鶴田に、ひとつだけ欠けたものがあった、と指摘している。
それは______________
画像参照。
なんと
失礼な。
鶴田は、レコードまで出しているんだぞっ。