たまたま見かけたツイート。
私が中学の時も、登山靴とか安全靴を履くのが流行った。
— 黒色中国 (@bci_) March 12, 2021
安全靴の重さと硬さを利用して蹴りを入れると、分厚いベニヤ板とか、合板のドアが面白いほどカンタンに穴が開いた。
ナイフは銃刀法違反になるけど、安全靴で捕まることはないし。世界のどこでも、若者が考えることは皆同じ、ということか。 https://t.co/SdtNIoKyuT
[アシックス] 安全靴 作業靴 ウィンジョブ 樹脂製先芯 FCP102 ブラック/シルバー 26.5 cm 3E
- メディア: ウェア&シューズ
ひところ「男の人ってこういうの好きなんでしょ?」といって、色っぽい話題を連想させつつ、怪獣とかメカとか鉄道とかを語るってネタが流行ったが、「実は安全靴は武器になる」的な話題こそまさに「男の人ってこういうの好きなんでしょ?」どんぴしゃな話である。その証拠に、上のツイートをブクマしたら連動ツイートがちょっとリツイートされ拡散した(笑)
ほかにも反応いろいろ
昔近所のワー○マンに「中高生は購入禁止」の貼り紙がありました😅
— あさぼらけのなまけぶた7 (@79Jd7MYfD24WF00) 2021年3月12日
私も仕事で安全靴履いてますが、何度荷物を落としたり台車で轢かれたりしても無傷で助かってます😊
昔ヤンチャしてたという方に、「ブーツの爪先部分に鉄板曲げたやつ仕込んでおくんだよ。フフッ😏😏」
— coco子 (@coco00500) 2021年3月12日
って言われて、
「え、何のために?」と思ったけど聞けなかったので、いま理由の一つがわかって良かったです😌😌
暗器とかクナイの現代版が安全靴と言うわけか。
— sirakiy3 (@sirakiya3) 2021年3月12日
登山用、ソールが硬いと歩きにくいから冬季以外は柔らかいの履いてる。 https://t.co/HuLncbWPDG
この話は、当ブログの中でも長く愛読されアクセスの多いこの記事とダイレクトに繋がっている。
さて、さて、「社会的に携行可能か」という問題について。
…「ジャパニーズ・チャンバラ」(略)……を支えたのは日本が明治まで「貴人(武士)は、名誉の証として刀を常に携行していい(というか持たなくてはいけない)」という社会的ルールがあったからですわな。そして江戸時代にはいると、そもそも長槍や弓や種子島なんかをおおっぴらに持って大通りを練り歩くと、武士でもお咎めを受ける世になりました。
(略)
宮本武蔵も柳生一族も、新撰組も人斬り以蔵も千葉道場も薩摩示現流も、その制約がある中でこそ強さを誇れた、のでありましょう。反対に、タフガイは拳銃を持って当たり前な開拓期のアメリカ西部では、二丁拳銃抜く手も見せぬ早撃ちガンマンが最強であったろう。それは異論がない。「携行を許される武器」にはどこも社会的、法的に…、あるいは2mの槍は持ち運べない、というような物理的な上限がある。
では今の日本では、銃刀法という制約がある以上、剣術はその意味を失ったのであろうか???
さてここからまだ話が…(後略)
安全靴はむかしは相当に武骨でダサい感じのデザインだったというが、今は洗練されて、履いてても見分けがつかない、という…というか、上のナイキのやつの画像見ても、ほんとにこれ安全靴?というイメージだ。…たしか中島らものエッセイに、自分が欲しかったブーツは高かったが、ほぼ見てもわからないような安全靴は驚くほど安く、それを履いてもちっとも見栄えは変わらないので買った、みたいな話があったはずだ。
そこでも、先端の堅さが護身の武器になる、という話は言及されてたはずだ。中島らもはああ見えてプロレス格闘技にすごく詳しい人だったしな。「ガダラの豚」では路上のケンカにヒールホールドを使うTVプロデューサーが出てきたような…(笑)
閑話休題。
「安全靴が武器」論は広く言えば「プロテクターが合法的な武器」論であり、そう考えるとそれを描いた森恒二の「ホーリーランド」の慧眼ぶりが明らかになるわけです。
残念ながら今手元には、同作品で語られている「防具有効論」の画像は無いんだけど…防具をつけていても、凶器だとして罪に問われる心配はない、というところは確かにその通りで。服の下に隠せて偽装できるというのは、安全靴がその危険性を隠せるのと同様。
ホーリーランドみて回し蹴り覚えたりこんな感じのポテチの筒を工作して腕の防具を作ったりするのは義務教育だよなぁ? pic.twitter.com/nmUtQEN26A
— レゾルシン (@RezolC6h6o2) 2019年7月26日
しかし、こういう話はなぜ中学校では盛り上がるんでしょうねえ。
「かってに改蔵」ではこの種の武道や武器の話が、机上の空論のまますごく盛り上がって収拾がつかなくなるさまを描くシーンがあり、これまたたいそういたたまれなかった(笑)。