INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

「たこはデビルフィッシュと本当に呼ばれているのか?」-驚愕の研究に世界が震撼。

こういう、論文が先日発表された。
note.com

その前身として書かれていたツイートの時から注目していたが、こちらもまとめられている。

togetter.com


これに俺が注目しないわけがない。そもそもブログ内記事に「たこ」のタグをつけているところが、そうは無いだろう。

m-dojo.hatenadiary.com


しかし、それにしてもだ……よもや、よもやだ(煉獄さん風)

まさか、デビルフィッシュが、一般性の無い言葉であったとは。



こうある。

ヴィクトル・ユーゴーの1866年の小説『海の労働者』(原題 Les Travailleurs de la Mer)に巨大なタコと水夫達の戦いが描かれており、それが結構センセーショナルに売れたので、5年後、クリスタルパレスの展示会にdevil fishとして生きたタコを展示して見せた、とあります。その時点で一般的なイギリス人はタコなんて見たこともなくて、ユーゴーの小説に出てくる人間を捕まえて生き血をすするタコがものすごいインパクトだったと——っていうか、生き血をすするタコなんて、タコをパクパク食べる私にとってだって、ものすごいインパクトです。ありえない。


ビクトル・ユーゴ―、結構な荒唐無稽小説をかいている、つうか書き飛ばしてるからな……そしてそれが5年後に「クリスタルパレス」で展示された、というのが趣深い。
漫画「エマ」にも登場した、ガラスによる巨大な建物。大英帝国の国威と技術力の象徴。


>
f:id:gryphon:20201216092459j:plain
森薫「エマ」に登場するクリスタルパレス
<



ちなみにユーゴ―発表年が大政奉還の1年前だ。
おそらく、まだデビルフィッシュが生きているころに、どかんと欧米と日本文化の交流が始まった。そこでは料亭茶屋に外国人が招かれて山海珍味をふるまわれることがあったろう。
そしたらあの「たこ」が茹でて焼かれて食膳にのぼり、まだユーゴ―作品の印象が生々しい外国人が「これはデビルフィッシュだ!」「えっ、このおいしいやつを?異人さんは変わっているねえ」という話があってもおかしくない。

梶原一騎は、実はビルディングス・ロマン、教養小説の影響を強く受けており、ユーゴーの作品を読んでいてもおかしくない…
にしても、例に依ってのハッタリで、ここまで断言してるのだよな。

プロレススーパースター列伝

f:id:gryphon:20201216034012j:plain
たこはデビルフィッシュか問題 プロレススーパースター列伝 
f:id:gryphon:20201216034113j:plain
たこはデビルフィッシュか問題 プロレススーパースター列伝 





ちなみに初出調べの、こちらでいう「壱ノ型」「弐ノ型」などをやってみる。

【参考・初出探しの基礎方法】
twitter内の初出探し法 https://togetter.com/li/1084358 

青空文庫内を検索する http://www.aozora.gr.jp/index.html 

国会図書館デジタルコレクションを検索 http://dl.ndl.go.jp/ 

ヤフー知恵袋内検索 https://chiebukuro.yahoo.co.jp/

はてなブックマーク内検索 https://b.hatena.ne.jp/

海外のエンタメ・サブカルの「お約束」事典『TVtropes 』(英語)  https://tvtropes.org/

「タネタン」 https://moto-neta.com/

青空文庫で満足してやめてしまうのがおまえの限界だな。玄人は国会議事録を検索する。
https://anond.hatelabo.jp/20200418204831
https://kokkai.ndl.go.jp/

青空文庫に一例あり!!!

中谷宇吉郎 風土と伝統
 例えば、日本では鰻うなぎといえば、まず第一等の御馳走である。ところが欧米の諸国では、鰻が最下等の食物とされている。鰻以下のものといえば章魚たこくらいのもので、これは悪魔の魚デビル・フィッシュといって、犬も食わないものになっている。

これは書物の受け売りではなく1930年代にロンドン留学した実体験であるそうです。ただまあ、実際にそこまで食われない、ということは流通もしてない、ということではありましょう。

国会図書館にはDEVILFISHが。

招待講演 英語 教 育 と同義性 の メ カ ニ ズ ム ー JACET の 揺 籃期 と現 在一
English Teaching and the Mechanism of Synonymy
− JACET in itslnfancy and at Present一
千 葉商科大 学名誉教授 高木 道信


D.拙著『同義性のメカニズム』(北星堂,2004)を取り上げ同義性のメカニズムと英語教育の諸問題を考察する。以下,抜粋し当日補足したい。【まえがき】同義語・類義語を比較するとく知と情〉の対立が見られる:「蛸」(octopus;devilfish)「うそ発見器」(polygraph;liedetector)「花粉症」(pollinosis;hayfever),(p,3)

https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_10497957_po_ART0008393496.pdf?contentNo=1&alternativeNo=


そういえば思い出したが、ジェール・ヴェルヌ「海底二万リーグ」では、この種の頭足類はどんな扱いだったっけ。
映画だと、潜水艦といかが闘うのだが、実は原作ではそうではなく、潜水夫、生身の人間とたこだった記憶が…これも探せば出てくるだろう

岩波の紹介文

人間社会に対して激しく容赦のない不信の念をいだくネモ船長とは何者? そしてその目的は? アロナックス教授らを拘束した謎の潜水艦ノーチラス号は、インド洋から紅海、地中海、さらに大西洋を南下して南極へ。凍結した海底に閉じこめられ、巨大なタコの大群におそわれ、暴風雨に遭遇、と波瀾万丈の航海は続く。(全2冊完結)

これらの表紙

海底二万里 (創元SF文庫)

海底二万里 (創元SF文庫)

こんな映像化一覧もあった
chikyu-to-umi.com



あっそうだ、この場面だ。非常に印象的

(大蛸または大烏賊に絡まれた船員が最後にフランス語で叫ぶという印象的な情景があります。母国語を一切使わず、修得の困難な人工語を日常言語として使いこなしていたノーチラス号の船員たちは、非常に高い「理念的目的」を持っていたとしか考えられないのです)。
oshiete.goo.ne.jp

ノーチラス号の中は意図的に無国籍にされていて、船員もどこの国の出身かわからなかったが、海の怪物=たこ?に襲われた1人が、そんな恐怖の場面では思わず母語が出てきてしまい、客人(捕虜)的な扱いで船に乗っていた主人公は「彼は同胞だったのか…助けられなかった」と気にやむのだった。
ともあれ、たこかいかか、頭足類が人類への脅威扱いなのである。


そして時代が下って戦後、超一流レスラーのドン・レオ・ジョナサンが、実際に大ダコと闘うエキシビジョンを見せた、とも聴く。もっともこの人、ダイビングが趣味かつ副業であり、その宣伝だったのかもね(笑)

ドンの直接の画像は無いが、octopus wrestling で検索すると・・・・・
wrestling octopus

www.thatsweird.org

f:id:gryphon:20201216101511j:plain
octopus wrestling で検索すると


ちなみにこれも思い出したが、たこはどうもその8本の職種が広がることから侵略性、領土拡張などのシンボル的な扱いもあり、そして戦前の日本はまさにその大陸拡張、侵略性の象徴として旭日旗ライジングサンを、「たこ」に見立てられるプロパガンダアメリカなどからされた。
これは鈴木明の本に、多数の図版が載っていたが、ネットで探すとみつからんもんだな

この本だったかなあ…違う気もするな…


そしてその後も、日本特撮映画に大ダコが登場すると大うけ、特にキングコング対ゴジラでわき役として登場するとアメリカの興行主から「あのタコはよかった!たこが出てくる映画はもっとないのか!!」となり、下の画像に見るように「究極超人あ~る」で大だこが出てきて格闘=海外版、というギャグになったことは有名。


ja.wikipedia.org

【究極超人あ~る】

f:id:gryphon:20201216034314j:plain
たこはデビルフィッシュか問題 究極超人あ~る
f:id:gryphon:20201216034354j:plain
たこはデビルフィッシュか問題 究極超人あ~る

ちなみに、パロディ魂を継承した椎名高志は、蛸の形の悪魔が「わしはおぞましいだろう」と認識しているのに、美神のほうは「おいしそう」と受け取るというギャグをやっている。

GS美神 極楽大作戦】

f:id:gryphon:20201216034429j:plain
たこはデビルフィッシュか問題 GS美神、おいしそう


あっ、引用した漫画画像は、ぜんぶ少年サンデー系だ…。



まったくまとまりない感想となったが、はなからまとめようと思ってないのでこれでよし!!