自身の会見の開始時間が延びていたことについてTwitterで「とうとう50分遅れ。」と発信していた河野大臣は、「この記者会見も大臣が各省に散ってやっていれば、今頃みんな終わって寝ているはずだ。ここで延々やっているのは前例主義、既得権益、権威主義の最たるもの。こんなもの、さっさとやめたらいい。ぜひご協力をいただきたいし、これを皮切りにやっていきたい。SNSでも発信していきたい」と述べた。
拙ブクマ
「前例主義、既得権益、権威主義の最たるもの」河野行革相、深夜の閣僚リレー会見に苦言(ABEMA TIMES) - Yahoo!ニュースb.hatena.ne.jpああ、こりゃ「巧い所を衝いた」のは間違いないな。最初にまず、一本を先取した。
2020/09/17 08:35
そこで、この記事を「再放送」します。
「下村健一さん…は、安倍政権のメディア戦略を『悔しいくらいうまい』と話す」
「2010年10月に官邸に入った翌月、首相のブログを始めたが、作ってからUPするまで2日ぐらいかかかった。あっちこっちのチェックが入った。アップする時にはみんなの関心が次に移ってしまい、やってもやってもアクセス数が伸びなかった」
「フェイスブックは菅政権時代も野田政権時代も内閣広報室から何度も提案されたけどできなかった。政治家や総理執務室の周辺官僚が慎重だった」
「民主党は情報戦略に関しては土俵にも上がれなかかった、不戦敗だ」
そして、ちょっとムムと思ったのがこのくだり。
「ネットの怖さを言えば、権力サイドが直接メディアを批判する場を持ってしまったことだ。権力がダイレクトに報道機関に言うのはまずいときでも、独り言のようにつぶやくと勝手に国民が反応するプレッシャーの掛け方ができる可能性がある。(既存の)メディアがいばっていると『権力・国民連合対メディア』という変な構図ができあがる恐れがある。」
補助線に「橋下徹」を置くと、さらにわかりやすいか…しかし、政治対立、それも二大政党制であれば、どちらにも支持者がいるのはある意味当然で、(既存)メディアが批判すれば、それへの反批判もあるのは当然なんだろうけど、要はその「核」、「種」のようなものがあるのとないので違うということかな。
ただ、歴代最高内閣支持率を誇った鳩山内閣も、菅直人内閣も、なぜそういう「権力・国民連合vsメディア」が作れなかったのか。
チェックが厳しくて小回りが利かなかったとか、そんなことで説明がつくのかな。
まあ、いずれにせよこの2013年の記事から『権力・国民連合対メディア』という言葉を覚えて、持ち帰ってください。
下村氏は、民主党政権下でジャーナリストから権力側に入り、首相直結のプロパガンダを担当した側である。その視点の党派性もあることは付記しておこう。
ところで、それに近い話を、伊藤昌亮氏が別の表現で書いていたと記憶しているが、正確な文面は思い出せない。
学校の教室で、先生の一方的な権威に反抗する生徒が、逆に先生と対立する「校長先生」と結託する、みたいな比喩だったかな。

ネット右派の歴史社会学 アンダーグラウンド平成史1990-2000年代
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