ちょっとたまってた切り抜きを、デジカメで撮ったら捨てようと思っている。
そのついでに、メモ代わりにここに書いておく。そんなんで、ちょっと古い話にお付き合いを。
2013年6月3日、朝日新聞オピニオン欄。
安倍政権(再)がはじまって半月、まだ安倍がフェイスブックをやっていることそれ自体が話題になるようなのどかな時代でした。
高支持率のキープ、ぶらさがり取材のストップ、FB発信などについてメイン記事は世耕弘成官房副長官、サブ記事が元TBS記者で菅直人政権で内閣広報室審議官として権力の一員となった下村健一のインタビューという構成でした。
【世耕氏の発言の要約】
・ぶらさがり会見辞めた理由は?立ったまま、限られた時間でというのは情報発信としてどうなの、と。インタビューは数多く受けてますよ
・FBは首相自身で書いてるのか?基本的には自分、忙しい時は秘書官。見せて許可はとっている
・始めたのは昭恵夫人と同じぐらいか
・リーチ数は分析してる。「プーチンと握手」より「首相がトラック運転」の写真のほうが受ける
・新聞批判とか個人的見解は、個人として発信しているので踏み込んでいる。報道機関とは円満にやるし、論調の厳しい社とも付き合うが、ここがおかしいというときはFBの個人アカウントで反論する。
こっちはあんまりおもしろくないな(笑)
メインで紹介したいのは下村健一氏の言葉。こっちは適宜文章を引用しよう
「下村健一さん…は、安倍政権のメディア戦略を『悔しいくらいうまい』と話す」
「2010年10月に官邸に入った翌月、首相のブログを始めたが、作ってからUPするまで2日ぐらいかかかった。あっちこっちのチェックが入った。アップする時にはみんなの関心が次に移ってしまい、やってもやってもアクセス数が伸びなかった」
「フェイスブックは菅政権時代も野田政権時代も内閣広報室から何度も提案されたけどできなかった。政治家や総理執務室の周辺官僚が慎重だった」
「民主党は情報戦略に関しては土俵にも上がれなかかった、不戦敗だ」
そして、ちょっとムムと思ったのがこのくだり。
「ネットの怖さを言えば、権力サイドが直接メディアを批判する場を持ってしまったことだ。権力がダイレクトに報道機関に言うのはまずいときでも、独り言のようにつぶやくと勝手に国民が反応するプレッシャーの掛け方ができる可能性がある。(既存の)メディアがいばっていると『権力・国民連合対メディア』という変な構図ができあがる恐れがある。」
補助線に「橋下徹」を置くと、さらにわかりやすいか…しかし、政治対立、それも二大政党制であれば、どちらにも支持者がいるのはある意味当然で、(既存)メディアが批判すれば、それへの反批判もあるのは当然なんだろうけど、要はその「核」、「種」のようなものがあるのとないので違うということかな。
ただ、歴代最高内閣支持率を誇った鳩山内閣も、菅直人内閣も、なぜそういう「権力・国民連合vsメディア」が作れなかったのか。
チェックが厳しくて小回りが利かなかったとか、そんなことで説明がつくのかな。
まあ、いずれにせよこの2013年の記事から『権力・国民連合対メディア』という言葉を覚えて、持ち帰ってください。