とある事件を受けて。
面倒だから、丸ごと採録する。
ネット上でダブって残るのもなんなので、あとではリンクだけ残してオリジナルの過去記事のみにしますが。
日本では犯罪加害者の家に抗議や脅迫が殺到。一方アメリカの大量殺人犯の母「私に届いた手紙の大半が励ましでした」
■『加害者家族』になったら人生オワタ\(^o^)/です
http://d.hatena.ne.jp/michiaki/20101219/1292759610
にて、という本が紹介されています。
- 作者: 鈴木伸元
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2010/11/27
- メディア: 新書
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……実は加害者家族も凄惨な生活を強いられる。身内の犯罪を機に失職や転居を余儀なくされるだけでなく、インターネットで誹謗中傷され、写真や個人情報まで流出される。そんな過酷な現実を受け止められず、自殺する人も多い。
加害者の家族が「世間にお詫びします」といって自殺したり、名前を変えたり・・・という話はよく聞く。確実な話では1989年に犯人が逮捕された幼女誘拐殺人事件の家族がそうだったはずだ。
だが。
その実態は、想像を超えて悲惨でした。ただ、なんとなく、それを、やっぱりそうなるんだよな、そういうものだよな、という覚めた目で見ている部分もあった。
ですが、下記の記述を見てショックを受けました。
1998年にアーカンソー州の高校で銃乱射事件が起きた際、高校のキャンパス内で発生したという事件の重大性に鑑み、マスコミは加害者少年の実名や写真を掲載した。
このとき、加害少年の母親に対してアメリカ社会がどのように反応したのか、ジャーナリストの下村健一が驚くべきリポートをしている。
実名が報道されたことで、母親のもとにはアメリカ全土から手紙や電話が殺到した。手紙は段ボール2箱に及ぶ数だった。
だが、その中身は、本書でこれまで見てきたような日本社会の反応とはまったく異なっていた。加害少年の家族を激励するものばかりだったのだ。
TBSの「ニュース23」で放映されたリポートでは、少年の母親が実名で取材に応じ、顔を隠すことなく登場した。下村が、受け取った手紙の内容は何かと聞くと、母親は「全部励ましです」と答えたのだ。
下村は自身のブログでその手紙の内容をいくつか紹介している。
「いまあなたの息子さんは一番大切なときなのだから、頻繁に面会に行ってあげてね」「その子のケアに気を取られすぎて、つらい思いをしている兄弟への目配りが手薄にならないように」「日曜の教会に集まって、村中であなたたち家族の為に祈っています」等々。
下村は、アメリカでの取材生活の中で「最大の衝撃」を受けたという。ちなみに下村健一という方は、今菅内閣の広報官をしている、あの下村健一氏のことだ。
自分が、これにつけたブックマーク。gryphon 「日本の治安の良さは『罪七族に及ぶ』との発想・感覚がいまだ因習に残り、家族に累が及ぶ抑止力が働くことと裏腹なのだ」と、山本七平も2、30年前に指摘してたね。連合赤軍の親をモデルにした「食卓のない家」も推奨
twitterより少ない100字なので意を尽くせてないが、ここに書いた、「食卓のない家」を紹介させてください。
呉智英の書評を孫引きする形で。
- 作者: 円地文子,佐高信
- 出版社/メーカー: 読売新聞社
- 発売日: 1997/02
- メディア: 単行本
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これは、連合赤軍事件の”戦士”を息子に持つ会社員を主人公にしたもので(※この原稿が書かれた当時の)4年前に出たものだが、今でも版を重ねている。初め新聞小説だったものだから、物語展開にいくつか無理が見られるが、ここに描かれた父は(略)立派である。
『食卓のない家』に描かれた父は、息子に対しては、獄中に面会にも行かず、弁護士の斡旋もせず、世間と会社に対しては、過激派の父という非難に少しも屈することなく、自分は自分、息子は息子、息子の思想は思想、刑罰は刑罰、という徹底的に毅然たる態度を貫き通す・・・(後略)。この書評は
に載っている。
- 作者: 呉智英
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 1996/07
- メディア: 文庫
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沢木耕太郎「テロルの決算」も”テロリストの親”のその後と世間を中心に読み直したい。
のだが、手元にない。
有名な本だから、もし手元にあって、上の話題に興味があるなら、特に主人公の山口二矢少年が実際に事件を起こしたあとの両親の記述に集中して読み直してほしい。
実は、山口の父親は自衛官なのだが、それで思うような「右翼思想を父が子に伝えた」みたいなことは全然なく、リアルに上の「食卓のない家」のような、毅然とした個人主義を実践する人だった、と若きルポライター沢木は取材の上で結論しているのだ。しかしそれだからこそ二矢の行動に関係がある、ともいえる。同時に母親は典型的な日本人?で「こんな大それたことをしたのだから、二矢は死んでくれればいい」と・・・このあとの展開をうろ覚えで書くのもなんなので、実際に読んだ人に任せたい。
- 作者: 沢木耕太郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/11/07
- メディア: 文庫
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