疫病も含めた「災害」ということで特集するらしい。
江戸日本の危機に挑んだ緒方洪庵、二宮金次郎の闘いの物語
歴史秘話ヒストリア
江戸時代、日本を襲った未知の病「コレラ」と、数十万人もの命を奪った「天保の大飢きん」。前代未聞の大災害に立ち向かった、緒方洪庵と二宮金次郎の挑戦に迫る。
歴史秘話ヒストリア「病 災害 江戸の先人かく戦えり」
放送日
7月22日(水) [総合] 後10:30出演者ほか
【キャスター】渡邊佐和子内容
江戸時代、日本を襲った巨大危機に対した2人の挑戦秘話。1人は医師・緒方洪庵。相手は恐怖の感染症「コレラ」。原因も治療法も分からない中、洪庵はありとあらゆる情報を「共有」することで、「未知の病」に挑んだ。もう1人は二宮金次郎。相手は全国で数十万もの死者を出した天保の大飢きん。このとき金次郎は、地元・小田原の死者ゼロともいわれる奇跡を実現させた。前代未聞の大災害に立ち向かった2人の苦闘に迫る。
ぶっちゃけていえば、コロナを経たいま、緒方洪庵は今後の大河ドラマの主役候補の一人とすべきではないか?コレラだけではなく、天然痘にも対処しているわけだし。
緒方洪庵はこの前紹介した吉村昭「雪の花」にも出てきた。
m-dojo.hatenadiary.com
- 作者:昭, 吉村
- 発売日: 1988/04/28
- メディア: 文庫
手塚治虫「陽だまりの樹」
みなもと太郎「風雲児たち幕末篇」
村上もとか「JIN-仁」
そして同じ村上もとかの、今連載中の
「侠医冬馬」
いずれも重要人物として登場している。
陽だまりの樹 コミック 文庫版 全8巻完結セット (小学館文庫)
- 作者:手塚 治虫
- 発売日: 2011/03/01
- メディア: 文庫
- 作者:みなもと太郎
- 発売日: 2020/08/27
- メディア: コミック
最後のやつ、今連載中だということで、画像が無いか紹介しようと思ったんだが、無料公開中の第一話は惜しくも「適塾」という名前は出てくるが、緒方洪庵の画像はない。
grandjump.shueisha.co.jp
だが、
しかし・・・・・・・・
適塾門下生の中では、一番の有名人が登場している。つまりあのひと。1万円。
なのだが………
実はこれまでに滅多に書かれてこなかった「居合術の達人」として登場するのだ。(「陽だまりの樹」では、ほぼできないような描写になってるのだが…)
http://grandjump.shueisha.co.jp/original/touma/28/
これ、実はマジの話なんですわ
www.aozora.gr.jp
の中を「居合」で検索してほしい。
…私は少年の時から大阪の緒方の塾に居るときも、戯たわむれに居合を抜ぬいて、随分ずいぶん好きであったけれども、世の中に武芸の話が流行すると同時に、居合刀がたなはすっかり奥に仕舞しまい込んで、刀なんぞは生れてから挟すばかりで抜たこともなければ抜く法も知らぬと云うような風ふうをして、唯用心に用心して……
…藩中に居て武芸をせねば人でないように風ふうが悪いから、中村庄兵衛なかむらしょうべえと云う居合の先生に就ついて少し稽古したから、その後、洋学修業に出ては、国に居るときのように荒い仕事をしないから、始終しじゅう居合刀を所持して、大阪の藩の倉屋敷に居るとき、又緒方の塾でも、折節おりふしはドタバタ遣やって居ました。夫それから江戸に来て世間に攘夷論が盛さかんになってから居合は罷やめにして
…剣を棄てゝ剣を揮う私が芝しばの源助げんすけ町で人を斬きろうと決心した、居合いあいも少し心得て居るなんて云いえば、何か武人めいて刀剣でも大切にするように見えるけれども、その実は全く反対で、爾そうではないどころか、日本武士の大小を丸で罷やめて仕舞しまいたいとは私の宿願でした。源助町のときには成程なるほど双刀を挟さして、刀は金剛兵衛盛高こんごうびょうえもりたか、脇差は備前祐定びぜんすけさだ、先まず相応に切れそうな物であったが、その後、間もなく盛高も祐定も家にある刀剣類はみんな売うって仕舞しまって、短かい脇差のような物を刀にして御印おしるしに挟して居たが、是これに就ついても話がある。或日あるひ、本郷に居る親友高畑五郎たかばたけごろうを訪問していろ/\話をして居る中に、不図ふと気が付ついて見ると恐ろしい長い刀が床の間に一本飾かざってあるから、私が高畑に向むいて、あれは居合刀のようだが何にするのかと問えば、主人の云うに、近来世の中に剣術が盛さかんになって刀剣が行われる、ナニ洋学者だからと云いって負けることはない、僕も一本求めたのだとリキンで居るから、私は之これを打消し、「ソレは詰つまらない、君は之これを以もって威おどすつもりだろうが、長い刀を家に置おいて今の浪人者を威おどそうと云いっても、威嚇おどかしの道具になりはしない。詰つまらぬ話だ、止よしなさい。僕は家にある刀剣はみんな売うって仕舞しまって、今挟さして居るこの大小二本きりしかない。然しかもその大の方は長い脇差を刀にしたので、小の方は鰹節小刀かつおぶしこがたなを鞘さやに蔵おさめてお飾かざりに挟して居るのだ。ソレに君がこんな大造たいそうな長い刀を弄いじくると云うのは、君に不似合だ、止よすが宜よい、御願おねがいだから止よして呉くれ。論より証拠、君にはこの刀は抜けないに極きまって居る、それとも抜くことが出来るか。「ソレは抜くことは出来ない、迚とてもこんな長い物を。「ソリャ見たことか、抜けもせぬものを飾かざって置くと云いう馬鹿者があるか。僕は一切刀を罷やめて居るが、憚はばかりながら抜くことは知しって居るぞ、抜ぬいて見せようと云て、四尺ばかりもある重い刀を取て庭に下おりて、兼かねて少し覚え居る居合の術で二、三本抜て見せて、「サア見給たまえ、この通りだ。どうだ、君には抜けなかろう。その抜ける者は疾とくに刀を売て仕舞しまったのに、抜けない者が飾て置くとは間違いではないか。是これは独り吾々われわれ洋学者ばかりでない、日本国中の刀を皆みんなうっちゃって仕舞しまうと云うことにしなければならぬ、だからこんなものは颯々さっさと片付けて仕舞うが宜よろしい。君も今から廃刀と決心して、いよ/\飾りに挟ささなければならんと云うなら、小刀でも何でも宜よろしいと云て、大きに論じた事がある。
まあ、主役を緒方洪庵、サブキャラで福沢諭吉というのが本当は個人的に看たいのだけど、大河ドラマを客観的に評価して企画を立てるなら福沢諭吉を主人公にして、緒方洪庵を重要なサブキャラクターにするべきなんだろうね(そうするとがぜん、可能性は増す。)洪庵は何しろ、惜しむべき若さで、幕末の風雲が最高潮になる直前で急逝してしまったし…
あ、そんなこと言ってる間に、侠医冬馬の3巻試し読みシーンにて、緒方洪庵登場シーンを見つけました。
そんなこんなで次回のヒストリアに注目