選挙結果に際し、すべての民意に敬意を。
そして、それはそれとして。
こんなツイートがおもしろかった
ツリー上になっているが、仕様のあれこれがあるので、最初と前半を埋め込んで、その後はコピーで
友人が書いたベストセラー『女帝 小池百合子』に私の名前や15年前の拙稿「小池百合子研究」が参考文献に挙げられていることから、ほぼ毎日、いろんな方から連絡があります。現在、私の立場は記事を書く職ではないのですが、今日の当選確実を受けて、全く違う観点から書いてみたい欲求が湧いてきます。
— 藤吉雅春 Forbes JAPAN編集長 (@fujiyoshimasa) July 5, 2020
私は小池さんが自民党に入党する前から、石油エネルギーなどの勉強会やアラブ協会、安全保障問題の勉強会などで接点がありましたが、そういうビジネスとは異質なところでも小池さんのお名前を知る機会がありました。民族派系。つまり右翼です。私は政治記者ではなく、政治記者とは異なる人脈として、↓
— 藤吉雅春 Forbes JAPAN編集長 (@fujiyoshimasa) 2020年7月5日政治記者と異なる視点というのは、何を言いたいかというと、小池さんを語る時、永田町視点とは異なる視点をたまたま持っていたということです。この永田町視点というのは私が15年前に拙稿を書くにあたり、大いに参考になります。それが父と娘の来歴です。「女帝」でも触れられた内容です。
— 藤吉雅春 Forbes JAPAN編集長 (@fujiyoshimasa) 2020年7月5日ここでなぜ民族派の人脈が登場するか、簡単に説明したいと思います。ちなみに私自身は右翼でも民族派に属している者ではありません。これも偶然ですが、20代前半の頃からそういうコワモテの方々と飲む機会が普通の若者よりは多かったのです。
— 藤吉雅春 Forbes JAPAN編集長 (@fujiyoshimasa) 2020年7月5日実は小池さんが進学したカイロ大学があるエジプトには昔でいう大陸浪人風の日本人が多くいたのです。空手をエジプトで教えていた、という人に一体、何人会ったことか。大体、大風呂敷を広げるのが好きな人たちですね。こういう人たちが小池さんのお父さんをよく知っていたのです。
— 藤吉雅春 Forbes JAPAN編集長 (@fujiyoshimasa) 2020年7月5日エジプトとは関係なく、青嵐会の人たちも小池さんのお父さんをよくご存知でした。石原慎太郎の青嵐会です。
— 藤吉雅春 Forbes JAPAN編集長 (@fujiyoshimasa) 2020年7月5日こうした大陸浪人たちの世界は私のような波乱万丈の創業者を描くのが好きな人間からすると、たまらなく面白いのです。小池さんのお父さまは大ボラ吹きなのですが、すごいのはOAPECなどアラブの民族自決を唱えて、石油の組織を実際に作り、殺されたリビアのカダフィ大佐とも人脈を作ったのです。
— 藤吉雅春 Forbes JAPAN編集長 (@fujiyoshimasa) 2020年7月5日石油メジャーに対抗するためにアラブの団結を唱えたホラ吹きのお父さんって最高だなと思いました。しかし、こういう話って、今語ると怪しいと思われます。特に、私が15〜20年前から思っていたのは、自民党とは2世のサラブレッドのサークル組織であり、こういう怪しい話を受け付けないし、理解できない
— 藤吉雅春 Forbes JAPAN編集長 (@fujiyoshimasa) 2020年7月5日政界とは血筋の世界だなと思います。付属高から私大に入って、一般受験で入学した者たちを受け付けない連中っているじゃないですか。あれに似てるなとよく思います。私が取材執筆をする世界ではないなと思うのは、職業として、彼らからすると論外なんです。「何であなたそんな仕事をやっているの?」と
— 藤吉雅春 Forbes JAPAN編集長 (@fujiyoshimasa) 2020年7月5日だからこそ、この世界で生きていこうとする人間は経歴をロンダリングするのです。エスカレーター式で大学まで行けた2世か、東大法学部卒の官僚出身者が多い政界で、「怪しい血筋」は仲間に入れてもらえない。そもそもこの土台となっている世界が、私からすると異常なんですよ。
— 藤吉雅春 Forbes JAPAN編集長 (@fujiyoshimasa) 2020年7月5日で、15年前、小泉政権の郵政選挙で、「刺客第1号」を名乗り出て小池さんは時の人になりました。そこで週刊文春の編集長から、「小池百合子研究」という連載をしてほしいと言われます。私の元に文春記者軍団のものすごい取材チームが組織されました。事件などを得意とする名うての記者軍団です。
— 藤吉雅春 Forbes JAPAN編集長 (@fujiyoshimasa) 2020年7月5日で、私は議員会館に小池さんに会いに行き仁義を切りに行きました。「すみませんが、これから小池さんのことを徹底取材することになりましたんで、よろしくです」と。正面から挑むのが流儀なので、「やりますよ」と言いに行ったのですが、それからが大変でした。
— 藤吉雅春 Forbes JAPAN編集長 (@fujiyoshimasa) 2020年7月5日
藤吉雅春 Forbes JAPAN編集長
@fujiyoshimasa
「自民党の人たちが編集長に電話をかけて、小池を叩けって言ってるんでしょ」と小池さんは言いました。「編集長のことは知りません」と私は言い、「あなたは一体、何を書くつもりなの」と小池さんは言いました。「私が一番面白いと思う話。それがエジプト時代の話です。特にお父様のことを」。
藤吉雅春 Forbes JAPAN編集長
@fujiyoshimasa
それ以来、長い取材が始まるのですが、小池さんから時々携帯に電話がかかってきて、「父のことを取材するのはやめてください」と言われました。「なぜダメなのでしょうか。立派なお父上ではないですか。私は悪く書くつもりはありません」というやり取りが続きました。
藤吉雅春 Forbes JAPAN編集長
@fujiyoshimasa
当時、私は本気で小池さんのお父さんのことを書くのは悪いことではないと思っていました。なぜなら、比較できるレベルではないですが、私の父も破産して、うちの家族も一家離散して、ヤクザ者に追われたりしていたのですが、それは恥じることでしょうか? この悔しさがあるから、生きていけるのです。
藤吉雅春 Forbes JAPAN編集長
@fujiyoshimasa
とはいえ、私は家庭の話や過去のことは子供の頃からずっと隠したいことがあったのも事実。小池さんの気持ちがわからないでもないのです。ただ、とても嫌だったのは、まともな血筋で育ってないと、すぐ「怪しい」と言う自民党の雰囲気が私は嫌いでした。
藤吉雅春 Forbes JAPAN編集長
@fujiyoshimasa
私にとってものすごい胃の痛い取材でした。文春の優秀な記者チームが心配するんですよ、大丈夫ですか、と。連載一回目で小池さんから書くなと言われたお父様のことをどかーんと大きく書き、そして大臣室に乗り込んだのです。重たい気分で。で、この大臣室での小池さんとのやり取りは今も忘れられません
藤吉雅春 Forbes JAPAN編集長
@fujiyoshimasa
環境省の大臣室で小池さんは発売前の私の記事のゲラを手に持っていて、「まあまあ、本当に派手に書いてくれて」と苦笑していました。「すみません」と頭をかいていると、「で、連載2回目は私の何を書くの?」と聞いてきました。きたーと、ゲロを吐きそうになりました。私はこう言いました。
藤吉雅春 Forbes JAPAN編集長
@fujiyoshimasa
「小池先生の男性遍歴全てを書くことになりました」。大臣、唖然。大臣の椅子に座っている人にそんなことを聞く人はいないでしょうから当然。失礼極まりないのです。ゲロ吐くくらい胃が痛いです。大臣室でゲロ吐いた人もいないでしょうから我慢しました。明らかに怒りを必死に我慢している表情です。
藤吉雅春 Forbes JAPAN編集長
@fujiyoshimasa
雷が落ちるぞ!と思って、大臣の反応を見ていたら、こう言われました。「そういうのを書けって命じられたの?」「仕事ですから。先生、離婚されてますよね?」。こうしエジプトでの離婚を初めて語り、また議員になってから見合いをしていたことなど、聞けば、表情に怒りと冷静さを交差させながら答える
藤吉雅春 Forbes JAPAN編集長
@fujiyoshimasa
特に計算していたわけではありませんが、男女関係の話などプライベートのどうでもいいこと、他人に話したくないことを最初に根掘り葉掘り質問して聞いていくと、私にとっての本丸「権力」についての本音を語るハードルが下がったのです。
藤吉雅春 Forbes JAPAN編集長
@fujiyoshimasa
権力について話を深めていくと本音が出てきました。「これをストレートに書かないで」と言いながら、初めて彼女の野心を本人の言葉で聞きました。「書かないで」と言ったのも権力地図の中で、これを私が書くと、自民党内の二世たちの嫉妬で自分がやられると知っているからです。
藤吉雅春 Forbes JAPAN編集長
@fujiyoshimasa
インタビューは30分の予定でしたが、ゆうに倍の時間を超え、腹いっぱいになったところで小池さんが両手をパンパンと叩き、「終わったわよ!」と声を上げると、大臣室のドアが開いて、まるでドリフのコントのように官僚たちがなだれ込んできました。みんな、大臣に何かあったのかと慌てていたそうです。
藤吉雅春 Forbes JAPAN編集長
@fujiyoshimasa
私は小池さんが自己演出を巧みにしていることも知ってますし、彼女ほどビジネス書を読みまくっている人はいません。ビジネスの世界にはこういう海千山千の人がいるのですが、政界は拒絶するんですね。小池研究なる連載を一言で言うならば「したたか」です。だから、連載の最後をこう締めくくりました。
藤吉雅春 Forbes JAPAN編集長
@fujiyoshimasa
〈「したたかですよね」と聞くと、こんな言葉が返ってきた。それは小池らしい答えだった。
「世界中の女性でしたたかでない人なんて、いませんよ。そもそもしたたかでない政治家なんて、政治をやめた方がいいと思う」〉
この一言が彼女の本質だと思い、連載を2回で私は辞めたのでした。
- 作者:有本 香
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小池百合子写真集 YURiKO KOiKE 1992-2017
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