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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

「小池百合子が首相」の世界線からタイムスリップしてきた人に、話を聞いた(SF)

この前の話なんだけどね。ある小さな飲み屋で飲んでたら、カウンターにいたちょっと服装の薄汚れた男が素っ頓狂な声を上げたんですよ

「ひゃー、『こっちの世界』では安倍晋三がまた首相をやってるのか!?」って。
ほかのお客さんたちは一瞬目を向けたあと「酔っ払いかね」「関わり合いにならんとこ」みたいな感じでまた視線をそらしてましたが

ホホーッ!なんとも興味深い…

じゃ、ありませんか。物見高いは人の常、わたくし瓶ビールを持参してその方のカウンターの横に移動しましたよ
「失礼、というと…どういうことですか。詳しくお話を聞かせて戴ければ」

ってんでビールをおごりながら話を聞くと、なんと数日前あたり(当人の記憶が曖昧。ちょっとばかり彼の世界からは「さかのぼって過去にきた」かもしれないんだって。でもそうであっても、数日ぐらいのずれらしい)に、トラックに跳ねられて(そうは見えなかったが)…奇跡的に無傷で済んだが、なんかちょっと、我々のいるこの世界と、特に政治の流れが大きく違うんだそうだ。

ちょうどその飲み屋には、1、2カ月ぶんの古新聞が捨てられずに積まれてたので、おかみさんにお願いしてちょっと見せてもらった。その男が、一番驚いてた
「なにこれ」「俺の世界と全然違う」・・・・・・・とね。で、最初に叫んだ通り、あっちの世界では2017年11月の日本国総理大臣は、安倍晋三ではない。日本初の、女性として首相の印綬を帯びた小池百合子総理大臣閣下なんであった。

「そっちの『希望の党』って、排除の論理とか、さらさらないとか、立憲民主党の躍進とかでコケなかったんですか?」
「何だそれ?そんなの全然聞いたことない」と・・・・・・


彼が語った、小池新党の天下取りの流れはこうだった。メモを頼りに要約すると・・・・・・

・前原代表の民進党が「希望の党」への合流、すべて希望の党の公認として候補者が出ると表明したのはこっちと同じらしい。共産党が「希望とだったら野党共闘はできない」と反発したのも同じ
 
・しかし「排除します」とか「全員受け入れるつもりはさらさらない」とかは言わなかったそうだ
 
・その代わりに言った内容は、こうだ。「できる限り全員受け入れたいが、選挙区の調整や政策の一致など、ぎりぎりの判断をせざるを得ないこともあり得ます。また、国民の皆さんからご理解を得られるか、得られないかという検証もしないわけにはいかない」と。
 
・それは結構拍手喝采された。
 
・そして最初に、維新の松井一郎、そして橋下徹と会談した。こっちの世界では維新とは「大阪と東京のすみ分け」しか決めなかったけど、あっちでは、小池は狡猾にも「消費増税凍結連合」と自分たちのその協定を呼称したのです
 
・さらに狡猾なことに、彼女はこう言ったそうだ。「共産党の皆さんは、私たち希望とは協力できないと仰られている。だけど、大きくふたつに『消費増税勢力』と『消費増税凍結勢力』と考えましょう。そして本当に、増税凍結勢力同士でつぶし合うのがいいことか、悪いことか。よく考えてほしい」
 
・この「増税凍結勢力」という言葉で、イッキに「希望」となら協力しない、というスタンスの共産党のほうがワルモノになってしまったんだよ(笑)
 
・さらに・・・・・・・・・・あっちの世界の彼女、というか希望の党は、ぎりぎりまで公認発表を引っ張ったらしい。つまり、公認されるかされないかを宙づり状態にして、こっちの世界における「立憲民主党旗揚げ組」や無所属派の動きを封じた。なんでも、逆に非公式の電話みたいなのでは、希望の党の「幹事長代行」とか「関西統括代表」とか架空?の肩書をぶら下げる空手形を打ったらしい。
 
・そしてぎりぎりの期日になって、今回と同じような措置をとった(笑)ただ、正確ではないが、政策協定の文面は、もと民進党でもそれなりにのめるような、やや穏健な文面らしい。「三権の長経験者はご遠慮いただきたい」もなかった。
 
・ただ、関西の小選挙区候補者は「増税凍結勢力結集のため、単独比例区に回ってほしい」という強引な決定をここは上から一方的に押し付けて、結果辻元氏や平野氏のような大物政治家も狙い撃ちに近い状態となったという。「誰かはそれを受け入れ、誰かは無所属で出てたけど…関西の結果は、あまり縁もないしよく覚えてない」と男は話す。
 
・さらに狡猾なのは、「菅直人」だけ見せしめ的に<排除>したことだ。それも首相時代の問題(尖閣衝突映像の問題や、政治資金の問題など…)をあげつらい、「情報公開を進める我が党の理念と反する」とやったのだ。菅元首相にはアンチが多いので、「彼だけ」の排除は、おそらくこの世界の小池氏が「排除」を打ち出して得ようとしたプラス効果を、たった一人で出した。また菅直人に近い民進党の人たちは沈黙し、その後ろめたさが、リベラルの勢いをそいだ。
 
・ちなみに枝野幸男氏は、ふつうに希望の公認を受け(前述のように安保法制などは穏健な内容の協定書になっている)、逆にかなり重要な役を与えられ、<党の顔>のひとりになったのだそうだ。
 
・それでも、「自分は希望の党とは相いれない。無所属で出馬したい」という最左派議員などもいたが…再び狡猾なことに、そういう候補者に対しても「消費増税凍結の一点だけ共通するなら、そこに限った協力協定書を結びませんか?そうすれば希望は公認を出しません」と持ち掛けた。かなり多くの人がそれを受け入れた、という。
 
・さらに狡猾に(こればっかだな)、そういう選挙区で、旧民進党の無所属候補、勝てそうもないところはそのまま、勝てそうなところは「希望の公認は受けられませんが、私は希望系無所属です!」というフレッシュな候補が、「制止を振り切って出馬した」という形で出したのだという。結果的に効率的な<刺客>となった。
 
・そしてさらに総仕上げだ。なんと、こっちの世界では落選・引退した若狭勝は、あっちの世界では「小池さんが出ないと、日本に未来はない!!私はこの選挙区(池袋など含む東京10区)を無条件で小池さんにお返しするために不出馬を表明する。小池さんが出なければ、空白区になっても仕方ない」という三門芝居を打つ。見え透いたアレだが、けっこう受けて「義理と人情の鬼検事・若狭」人気も急上昇
 
・その覚悟を受けて腹を決めた、というテイで、小池百合子、満を持して東京都知事の職を辞し、東京10区から出馬。そして、後継知事候補として若狭を推薦するという出来レース(笑)。それでも世間は拍手喝采


・そして、衆院総選挙。「希望の党」は単独過半数を占め圧勝、政権交代が「あちらの世界」では起きた・・・・・・・・・という。

そんなことをボールを傾けながら、ひとくさり語ると、彼は「だいぶ酔ったので、これで失礼するわ。おごってくれてありがとうね」と腰を上げた。
「この世界で行く当てはあるのですか?」と聞いたら「こっちの世界で同じように存在するかはわからないが、実家が四国にあるので、なんとかそこにいったん戻るつもりだ」といった。
ただ、最後に・・・・・
「こっちの世界では、どうなるかわからないけど…念のためにな、11月5日前後は、東京を離れていたほうがいい」とわたしに耳打ちした。
あれは、いったいどういう意味だろう…

(了)