INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「今日より正成出づ」。大河ドラマ「太平記」がそろそろ本番/長編ドラマの重要部分だけ見たがる話

司馬遼太郎の「余話として」を、再度紹介する。

今日より正成出づ
という町風俗について。
これについては、10年ばかり前、84歳で亡くなられた菅楯彦画伯からきいた。
まだ江戸期のにおいをのこしていた明治10年代から20年代の大阪の下町でのことである。
「そういう貼り紙が、町々に出ます」
といわれたから、私ははじめおどろいた。町々に楠木正成が出るのですか、と聞くと。
「 へい」
と、 品よくうなずかれる 。
菅楯彦というひとは、落款は「浪速御民」というのを用いられている。いかにも婉で古めかしく、古武士のような律儀さを保ちながら生涯大阪の町絵師として過ごされた。
(略)
「町内に長屋々々がごわりますな、そういう町内に必ず一つは寄席がごわりましてな、左様でごわります、別に商売々々した寄席ではごわりまへんで、まあ道楽なひとが自分の家のふた間ほどを講釈師に貸します」
そういうのが、大阪の寄席であったらしい。1年なら1年、ずっと太平記を読み続けるのだという。いまでいえばテレビの連続ドラマのようなものである。
「なにぶん1年は長うごわりますから、途中だれてきて、客の集まりが悪うなって参ります。ところが読み進んで、いよいよ正成が出るというくだりにさしかかりますと、門口に”今日より正成出づ”という張り紙を出します。すると、どっと…

と言われる。読本が太平記なら正成、通俗三国志なら諸葛孔明である。”今日より孔明出づ”といった具合の張り紙が出る。
「なんと申しましても正成と孔明が大変な人気でごわりましたな」
講釈だねで言えば「難波戦記」の真田幸村も、諸葛孔明楠木正成と同じ系列の人物として受け取られていたに違いない。
楠木正成真田幸村といった類型の原型は諸葛孔明であったに違いない。 神秘的なほどに巧緻な戦術家で、心術に一点の曇りもなく、さらには教養があり、しかも弱勢の側に立ち、その最後はそろって劇的であるという点で、3人は共通した感じで造形化されている。もっとも実際の人物も奇妙なことにそういう人物であったらしい。

余話として (文春文庫)

余話として (文春文庫)

そういうわけで、明日17日に第7話が放送される NHK 大河ドラマ太平記」のアンコール放送。 実は第6話でタイトルが「楠木登場」となってるけれど、ここでは後醍醐天皇の意向を受けたオリジナルキャラクターが、 河内を本拠地にする楠木正成を探しに行き、現地で正体を知らずに出会うという、太平記の原典には出てこないオリジナルのエピソード 。
実際に後醍醐天皇の前に正成がお目見えし、戦略を伝えた後「私一人がいれば希望を捨てないでください」と宣言する、みたいな名エピソードはこの後になる様子だ(あす放送の7話で描かれるかどうかは不明)

こういう、大作ドラマの時に
「名場面の時になったら見るからそん時は教えて」的な視聴の仕方をする人は結構多いようだ。と言うか俺なんだけどね。
別に滅多に教えてくれる人はいないから俺が教えました。

そしてそういう見方を江戸時代の庶民たちもしているというのがちょっとおかしく、親しみを感じる。

実は今、BS日テレで、韓国の中で最も人気のある歴史上の人物「世宗大王」の韓流ドラマが放送されているんだけれども、全86話だと(笑)。

国家の基礎さえ築けていなかった過渡期の朝鮮時代に
新しい国家を建設するために情熱を燃やした大王世宗。
朝鮮時代の最高のリーダーといえる
大王世宗の人間的な側面と業績に光を当て、
当代の人々が理想に向かって駆け抜けてゆく姿を描く歴史大作!
www.bs4.jp

韓国ドラマで学ぶ朝鮮王朝の歴史 (キネ旬ムック)

韓国ドラマで学ぶ朝鮮王朝の歴史 (キネ旬ムック)

  • 発売日: 2009/12/11
  • メディア: ムック

これで世宗の最大の功績であるハングルを作ったところだけ見たいんだけどね…
だれか、その時期になったら教えてください。


ファミリー劇場でかつての銀英伝アニメが毎年のように再放送された時は、「これよりビュコック提督最後の出撃」みたいな感じで、 71話と72話だけ見たもんでした。

■ 第71話 「マル・アデッタ星域の会戦(前編)」
脚本:河中志摩夫 絵コンテ:石黒 昇 演出:所 俊克 作画監督:今泉賢一
自由惑星同盟軍は、ビュコック指揮の下、マル・アデッタ星域にある細い回廊状の宙域に布陣、帝国軍の侵攻を待つ。圧倒的な兵力を揃えた帝国軍だったが、狭隘な宙域ではその利を生かすことも出来ない。かえってビュコックの老練な策に翻弄され、大きな損害を出してしまう。双方の激闘が続く中、同盟軍の艦隊は帝国軍総旗艦ブリュンヒルトに迫りつつあった。

■ 第72話 「マル・アデッタ星域の会戦(後編)」
脚本:河中志摩夫 絵コンテ・演出:夏木 亮 作画監督:荒木英樹
カールセン提督指揮の同盟軍分艦隊はブリュンヒルトに迫るが、ミュラーらの反攻により決定打は得られず。一方ビュコック率いる本隊は、折から吹き荒れた恒星風を利用して敵陣を突破した。しかし、ここで帝国軍は総反攻を開始、ビッテンフェルト指揮の黒色槍騎兵艦隊も加わり、同盟軍を崩壊させる。敗戦を悟ったビュコックは、ラインハルトからの降伏勧告を感謝と共に断り、民主主義に杯を掲げて別れを告げた。こうして、自由惑星同盟の最後の戦いが終わった。
www.ginei.jp