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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

『つかず離れずの2人が、結局曖昧だったため片方が別の人と恋愛関係に』てな設定の二次創作分野もある?(「邦キチ」togetterを読んで)

きのうの「キン肉マンはヤオ」記事に続き、連続して「創造の妙」というか「物語世界を広げていく」という話題(つまりそれが二次創作、ということなのだが)について語ります。

とはいえ、昨日の記事は完全ホームなのだけど、今回の話は全く初心者というか未知ジャンルのアウェイ。勉強させていただきます、
 
キン肉マンヤオ記事がブクマされるのをはるかに上回るペースで、ブクマがされているのtogetterまとめがありました。
togetter.com

それへのブクマ
b.hatena.ne.jp
※余談だが「コメント」と入れてるのはわかるけど、長文タイトルだと表示されないことも多いので、一目で見てわかるような「記事へのリンク」と「記事ブクマへのリンク」の差をつけてほしい

いやあ…邦キチは楽しく読ませてもらっているけど、こんな発想はついぞしたことが無いので、まことに衝撃というか目からうろこでした。

ただ、その衝撃からしばし距離を置いて俯瞰してみると…だ。これは邦キチさんに限ったことではなく…。


漫画でもドラマでも小説でもなんでもいいが、
・男女で(※…ではなく、もちろん男女以外のLGBTQIAPKなんでもいい!以下、どの記述も省略しますがこの前提あると思ってね) 「つかず離れず」「ケンカ友達」「腐れ縁」的な感じで自他ともに認める2人がいる
・だけど、そういう関係なのに(あるいはそういう関係故に)明確に好意、恋愛感情みたいなものを表明したりはしなかった。
・その結果、片方が別の人物と、恋愛関係になる。別に明示的にも暗示的にも、その2人は相互に束縛するパートナーシップは結んでいない。
・そうやって別の人と結ばれた片方を見送りながら、片方には寂寥感が去来するーーーー

みたいな「二次創作」の作劇があるんだなあ、と。


自分は、この前「つかず離れず」のジャンルがあるんだね、というところまでは考察をめぐらしたのだが、やはり畑違いなのだろう、そこまで発展させることはできなんだ。
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「邦キチ!」をそのように読み替えるのに従って、「つかず離れずもの」なジャンルの代表作を持ってきて、考えてみようか。


・「高木さん」で、からかわれているうちに、からかわない別の女子と西方君が付きあい、高木さんがどことなくさびしげ…
ふつうにありそうだな(笑)


・「宇崎ちゃん」でセンパイが、別の女性と付き合うようになるから、宇崎ちゃんは遊べない
そりゃそうだな(笑)

もちろんその逆もあり、上のヒロインのほうが別の男子と付き合うという展開があるかもしれない。



・・・・・・・・駄目だな、俺に個人的にそういう想像を展開させる資質が無いようなんだ(笑)。


エヴァンゲリオンのシンジと・・・・・・・どっちだかがまず当初からわからん(レイかアスカか、とか)
ハルヒキョンと・・・・・・・・・・これもどーも実感が湧かないな、まわりにいろいろいるから複雑なんだ。
パトレイバーの野明と遊馬・・・・・・・・ああ、これは多少リアリティが出てきたぞ。80、90年代の亡霊かよ。でも大企業の御曹司だからな片方は。ちょっと寂しいくらいであっさり普通にそのことを受け入れる、みたいな想像しかできない。
氷菓」の折木と千反田……これも身分違い。地方の豪族名家だろ、身の程をわきまえろっ…ってこのネタだけ、ちょっと過去に記事を書いた記憶がある。

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(略)…地域で「千反田さまには及びもないが せめてなりたや殿様に」と歌われた(ホントか?)農の名家の家を継ぐ彼女はだ…、
まあ古典部仲間だった両者の間の好意が、どれほどまでだったのかよくわからんかったが(※俺がこのへんの恋愛部分を解釈すると、たいていはずれてる……あれ、最終回でなんかそれっぽい描写があったかも)、まあ、たかが小作人の子せがれ…かどうかはしらんが、名家っぽくない折木が結婚できる筈もない。身分の差をわきまえろっ。


とすると彼女は、それなりに別の名家から婿養子でも、もらうのだとしよう。
しかし、仮にこの穏やかな農村地域で、まだ千反田夫人が、日常の中から謎をいろいろ見つけても、そういうところのボンが、奥様の「気になります」に反応し、あざやかに解決してくれると思うかい?
「うーん、わからんな。それよりえるさん(婿養子なのでさん付け)、今日は農協の会合なんで遅くなるから。夕飯はいらないから」で終わりだよ、たぶん(笑)

かといって(彼も地元にいるかはわからんが)それではと高校の同級生だった折木にメールやら携帯電話、あるいは喫茶店で落ち合って、彼の推理を聞けるか?
無理だな。そんなことをしたら、その地域の名家夫人の不倫にまつわる、もっと巨大な「日常メロドラマ」に、周囲の人たちが夢中になるだけだ(爆笑)。田舎なめんな。


かくして、高校時代に一瞬「推理」という甘美な体験を共有した二人だが、その後ふつーの道をたどるなら、その甘美な推理と謎の「禁断症状」を起こしたまま、その禁断症状の意味が誰にも分からない鬱々とした将来を送ることになるであろう…というのが、自分の見立てであります。
推理とは、やっぱり呪いなのだ。(後略)

う…む、話は「探偵という呪い」のことしか語ってねえ…。



どうも書いてみて、やはり二次創作…つまり物語を拡張する、というのは全方位的というより、それぞれ、ある方向には伸ばしやすいが別の方向には全く不案内、ときうたぐいのものらしい、と感じましたよ。

しかし、その「寂寥感」はなんとなくわかるし、そういう名作を読んだことがあるはずだ…と自分が記憶を励まして到達したのは…
「劇画オバQ」であった(笑)

いや、もちろん恋人がどうこうとかじゃなく、
オバQは昔と会わらず、正ちゃんや仲間たちと楽しい冒険に出かけること、正ちゃんがそれを第一優先にしてくれるものと信じていたが
正ちゃんにはすでに妻もあり仕事もあり、家計に占める食費の増大に対処する責任もありーーーそして子供が生まれるとなれば何をかいわんや。

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劇画オバQラストシーン




まあとりあえず

・【つかず離れずの名コンビ的男女だが、片方が別の人と恋愛関係になり、片方が、それに言葉にはしづらい寂寥感を感じる】
といく形での二次創作がありえる

・だが、このブログの書き手にはまったくその才能が無い

の二点だけはトライしてわかった(笑)。

あと、これだけ書いてて最後に気づいたのだけど、実はガチの二次創作界隈では、これはとっくに常識、日常の風景であり、そこと無縁な自分は今、「車輪の再発明」とか「一生を費やして、独学で二次方程式を発見する」みたいなことをしてたのではなかろうか……。

だとしたら、それが作りやすい2人とそうでない2人もいるのだろうか。それをわかつものは?(なぞ)