在日に愛され、在日に憎まれた男の真実
- 作者: 竹中明洋
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2019/07/03
- メディア: 単行本
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最強の「在日ヤクザ」と称された柳川次郎は、1969年に柳川組を解散すると日韓の架け橋として両国を行き来した。全斗煥時代には政権中枢に影響を及ぼすも、民主化とともに力を失い、志半ばで1991年に没した。
柳川が堅気となった後半生は、これまでほとんど語られたことがなかった。暴力的なイメージゆえに、日本人社会だけでなく在日社会からも白眼視されたからである。日韓戦後史のなかで異彩を放った男の本格評伝。
【編集担当からのおすすめ情報】
柳川次郎の人脈は表に裏、右から左まで、多岐に及びます。大山倍達、梶原一騎、金大中、司馬遼太郎、田岡一雄、田中角栄、朴正煕、町井久之ら故人との知られざるエピソードはもちろんのこと、許永中氏や山根明氏など存命者の証言も多数収録しています。人と人の繋がりが国家を動かしていた時代を体現していたのが柳川次郎です。そんな時代はとうに過ぎ去りましたが、冷え切った日韓関係を解きほぐすヒントは、きっと本書にあるはずです。ノンフィクション好き必見です。内容(「BOOK」データベースより)
差別と貧困に暴力で抗った男は最恐軍団・柳川組を率いた後祖国発展のために身を捧げた。国家を動かしたヤクザの肖像。著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
竹中/明洋
1973年山口県生まれ。北海道大学卒業、東京大学大学院修士課程中退、ロシア・サンクトペテルブルク大学留学。在ウズベキスタン日本大使館専門調査員、NHK記者、衆議院議員秘書、「週刊文春」記者などを経てフリーランスに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
なんか、作者の経歴もスゴイぞ(笑) そっちも気になるが、後回しにして…
殺しの柳川!!!! とくれば「男の星座」!!!! 火を噴け、マイ画像フォルダ
- 作者: 梶原一騎,原田久仁信
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- 作者: 梶原一騎,原田久仁信
- 出版社/メーカー: グループ・ゼロ
- 発売日: 2014/05/27
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自分はSAPIO連載で飛び飛びに読んでいたのだけど、たしか終盤近くになって、柳川がプロレスに関わったこと、それをテコに、韓国の政界とも深く人脈を築き「名士」となったことが記述され、それが大層面白かった。それも画像として保存していたのだけど、洪水のような形で紛れてしまい、ひっぱりだせないわ。
まあ記憶でかくと、時は例の朴槿恵のお父さん、朴正煕大統領の時代。漢江の奇跡を成し遂げた開発独裁の典型ともいえるこの人物は、祖国の復興と経済成長のためなら使えるものは何でも使った。うちのひとつが柳川であり、大木金太郎ことキム・イルのプロレスだった。
読んでいてわかったのは、柳川も上の男の星座に描かれたように、自分をイヌ畜生とへりくだる……だけではやっぱり満足できず、日の当たるところでの「名士」の地位を晩年は求めた、ということなんじゃ。
そしてこれも何度も書いた話だけど、そういう事実を知ると、逆に梶原一騎のお話づくりの天才ぶりにあらためて戦慄するしかない。
大山倍達もまさにそうだけど「梶原一騎が、ある人物像の事実を曲げて描いた部分をトレースすると、『男にとって、読者にとって何がカッコイイか』というストーリーテリングやキャラクター造形が逆に浮き彫りになる」んだよ!!
そういう意味で、自分にとっては上の「殺しの柳川」(雑誌連載版)では、その晩年の、柳川が「オモテの人物」になりたいと色気を見せて、プロレスの世界などに足をつっこむ部分が、一種の神話破壊的な意味で一番面白かった。というか自分はヤクザそのものにはあんまり興味ないしね。プロレス経由で面白い。
第1章 柳川組
第2章 解散後
第3章 ポアンサ駐日代表
第4章 空手・テコンドー・ボクシング
第5章 闇紳士との交流
第6章 在日の守護神と呼ばれて
第7章 見果てぬ夢
あとだな、韓国のプロレス界が、日本以上にそういう世界とシンクロしているのに、そこで招聘された相手の顔も立てずに、反則ぎみのガチをかまして相手団体のエース(パク・ソンナン)を潰してしまったアントニオ猪木の狂気もよくわかるよな(笑)
作者自身による自著紹介
gendai.ismedia.jp
間もなく発売の「ゴング格闘技」、吉田豪「新★書評の星座」で紹介すると予告されています
p113
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- 発売日: 2019/07/23
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ようやく読み始めた7月3日発売の竹中明洋[「殺しの柳川」(小学館)が面白そう。柳川組組長・柳川次郎のノンフィクションなんだけど木時2「猪木対大木」「大山倍達との出会い」「梶原一騎との確執」「新プロレス団体抗争」「出自を隠した大山」「テコンドーへの支援」「山根節全開」なんてフレーズが並び、第4章のタイトルは「空手・テコンドー・ボクシング」!これを次号紹介予定の、書評とは名ばかりの引用書評コーナー。
その「次号」が間もなく出るので、このブログ記事は先回りの意味もある(笑)
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