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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

再紹介・青木理氏は特派員時代、韓国政府に対日外交で「助言」していた話(本人の談です)

さいきん、青木理氏の記事がはてなブックマークにやたら出てるね

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190901-00000058-sph-sociheadlines.yahoo.co.jp

www.huffingtonpost.jp

headlines.yahoo.co.jp


ちょっと本題前にいうけど、「テレビ番組のだれかの発言を、そのまま記事にする」というやりかた、登場し始めたころから注目していて、当初は著作権的な問題はないのか?や、そもそもそういう記事に価値はあるのか、という議論があったけど、まず2019年現在では、善悪を超えて当たり前の風景になっていますね。自分は積極的な評価をしているので、それを喜びたい。


青木氏といえば、各種の疑問もありつつも、内容的には面白いノンフィクションを書かれていたが、一般的な知名度がある人ではなかった。ただ、共同通信を退職後は、ラジオやテレビのレギュラーコメンテーターが増えて、逆に飛び級で、ノンフィクション作家としてはおそらく現在、「日本で一番有名な人」になっている。そういう点ではなんだかんだ言っても、ワイドショーは「知名度の王」なのかもしれない。

日本会議の正体 (平凡社新書)

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日本の公安警察 (講談社現代新書)

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絞首刑 (講談社文庫)

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安倍三代

安倍三代

青木理の抵抗の視線

青木理の抵抗の視線


で、それを受けて、当方の過去記事にけっこうアクセスが多かった。
またそれを受けて、自分でも要約紹介しているので、再掲載しよう。

青木理氏、悪化する日韓関係への懸念を「サンモニ」で指摘…「言いにくいんだけど、この局なんかも含めて非常にテレビで乱暴な韓国なら何を言ってもいいんだみたいな人たちがたくさん出て…」(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース

青木理氏は盧武鉉時代、韓国政府に対日外交を「アドバイス」していたと自分で発言してる。<a href="https://m-dojo.hatenadiary.com/entry/20120601/p3" target="_blank" rel="noopener nofollow">https://m-dojo.hatenadiary.com/entry/20120601/p3</a> よきにつけ悪しきにつけ、そういうナベツネ的に政治にかかわるタイプの方。

2019/09/02 02:55
b.hatena.ne.jp



その部分だけ、抜き出す

m-dojo.hatenadiary.com

「日韓関係は小泉だけでなく盧武鉉も悪かった」&ナベツネ化(政治家の参謀化)もしてた?

(1時間25分ごろ)
竹島の問題でいうとね、僕は韓国にいたからよく分かるんですが・・・(略)盧武鉉政権ね、リベラル政権、左翼政権と言ってもいいかもしれない。金大中のことを左翼というけど、あの人はリベラルだけどいわゆる左翼政権とは違ってもっとしたたか、盧武鉉小泉政権とのあいだで三つ抱えたんですよ、課題をね。ひとつは靖国参拝ですよ、ひとつは教科書ですよ。もうひとつは竹島ね。、
僕は政権の人たちに取材しながら話したんですけど、優先順位をどうするかといったときに、僕は「小泉の靖国参拝を1にしなさい、2に教科書、3に竹島だ」と。

なぜなら靖国問題は小泉さんが判断すれば行かないんですよ。竹島なんてのは解決のしようがないんですよ。ところが盧武鉉さんてのは金大中さんまでと違って、そのへんのしたたかさがないので、竹島を一番に持ってっちゃったんですよ。それで日韓関係というのが・・・まあ今はもっといろんな意味で拡散しているからいいんですけど。にっちもさっちもいかないところに行っちゃったところはあったんです。 だからあれは小泉さんだけじゃなくて盧武鉉も悪かったんですよ

論評のほうも抜き出す。

自分がやはりうーんと考えてしまうのは、
『僕は政権の人たちに取材しながら話したんですけど、優先順位をどうするかといったときに、僕は「小泉の靖国参拝を1にしなさい、2に教科書、3に竹島だ」』

取材の聞き方で、「○○のほうがいいと思うのですが、その路線をしないのですか?」という取材(あくまで取材だ)はあるだろうけど・・・文字起こしのために何度もここを繰り返し聞いたが、やはり文脈もニュアンスとしても、「自分は韓国の盧武鉉政権関係者に、対日関係で政策を助言、指導した」という意味だな。
となると・・・かれと、どこが違うの?という問題も出てくる。ナベツネさんも「僕はジャーナリストとして小沢一郎君や福田康夫君と話しているんだ」とかときどき言うものな、料亭から出てきながら(笑)。

渡邉恒雄 メディアと権力 (講談社文庫)

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渡邉恒雄回顧録 (中公文庫)

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わが人生記―青春・政治・野球・大病 (中公新書ラクレ)

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こうやって見ると、『あの』青木理氏ですら、取材者としてではなくアドバイザー、フィクサー…というより『軍師』として、実際の政治、国際情勢、政局に直接の影響を与えたい、という欲望には抗いがたいものがあるのか!!という驚きがある。
もちろん「よき社会、を作るという目的のためなら、報道者はときに政治的な行動者、助言者であって構わない。ナベツネはその『良き社会』の目標が悪いのだ」という意見もある。

だが実際に、もし軍師・青木理のアドバイスによって盧武鉉政権の対日路線が修正を加えられていたら、取材者・報道者としての青木氏はその政策変更をどう取材し、報道したのだろう。

最後の怪物 渡邉恒雄 (祥伝社文庫)

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渡邉恒雄回顧録 (中公文庫)

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青木氏の日頃の発言からは、ジャーナリストの枠を超えて、政治権力者に関わって「助言」するようなタイプには見えんやろ? どうもこの時はうっかり口を滑らした、という感じもある。共同進行のひとりだった久田将義氏の、聞き出す力もあったのかもしれない。
今は残念ながら見られないが、どこかに映像データ自体は残っているのだろう。(発言テキストは当時、何度も聞き直して書いたから、信頼性に問題はないと思います)

live.nicovideo.jp



そしてこれは何度も書いてるけど、「報道だけでなく、直接政治に関わろうとするジャーナリスト」の典型例としてナベツネ氏を挙げたけど、それに勝るとも劣らない人として「筑紫哲也」氏がいます。
ある政治家に対しては、実際に「選挙に出ろ」と積極的にけしかけ、その後、その政治家の「製造責任がある」と自認し、報道姿勢にも手心を加えてることを隠そうともせず、「一線、領分を越えている」と言われたりしたそうな。

・・・雑誌「週刊金曜日」の創刊に携わり、市民運動などにも深い理解を示した。辻元清美衆院議員(48)は96年に社民党から立候補要請を受けた日を思い出す。引き留めてもらおうと自宅を訪れたが、開口一番で「やれ」と言い切られた。「泥船だからこそ乗れ。市民の政党に変えろ」
 その後、ジャーナリストの領分を逸脱しているとの批判もあったが、「おれには政治家辻元清美の製造元責任がある」と言い続けた。(これ「朝日新聞」の「追悼記事」なんですよ)

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書き手が「あのひと」であることは当然意識すべきだが、すでに故人である取材対象の貴重な肉声である以上、史料価値は大きいだろう。

diamond.jp

…筑紫氏に、筆者がインタビューの中で尋ねたかったことは、友情関係を結んだ政治家との距離感をどう考えるかという一点だった。

「泥棒にも三分の理があると思う。僕はたいていの人について情に流されることがあるのは確かで、とくに田中(真紀子)さん、辻元(清美)さんなどの友人についてそうであるのは認めます。しかし、女性が政治の舞台に出た場合、ハンディを背負っているのは考えてあげるべきで、つねづねそのような取材対象に『甘い』という批判があるのは知っています。しかし、それが僕のやり方であって厳しい質問を浴びせるようなハードなこの職業のルールに準じることはできない。その意味では、あなた(上杉)がおっしゃるように失格であります」

一般的な知名度は少ないだろうが、笠信太郎という記者がこうやっていた、というのもなかなかに衝撃的ではあります。
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美濃部都政岩波書店のふかーい深ーい関係も…
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