ちょっと前になってしまった。刊行は基本、隔月刊になったと聞いてたが、めずらしく、もう「創」の次号が出ているよ。
だから1号前になるね。
- 出版社/メーカー: 創出版
- 発売日: 2019/03/07
- メディア: 雑誌
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この号は「噂の真相」岡留編集長の追悼号的な意味合いがあり、座談会なども企画されているが、香山リカ氏も連載コラムでそのことを語っている。
以下、自分なりの要約。
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・同雑誌にわたしも連載していたが、連載中にスキャンダル記事(イラスト)を書かれて腹が立った。
・これは「反権力」といわれるが「サブカル的平等主義」の意味も大きいと思う。面白主義を掲げたガロなどが底流にある。
・とわいえカネや権力を持つものを笑ったり追及したりするなら、いきおい反権力になるだろう。
・だが、そういうやり方は今では通用しない!!
・たとえばBUBUKAとかは、安倍首相もイチローもグラビアアイドルも等価でおちょくる。これがサブカル的平等主義だ。
・ネットはさらにサブカル的平等で、私も嘲笑されている…がたとえば片山さつきなどの保守政治家や論客も笑われていて、そういう点では平等だ。それは認める。
・しかし時代は「噂の真相」のときとは全く変わってしまった。権力は安倍一極に集中している……
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この後は原文を抜粋しよう。
具体的にいえば、若いころからメディアで注目され社会的な活動から政界入りした辻元清美氏は「噂の真相」でも繰り返し取り上げられてきたが、いまもし同誌があって辻元氏を話題にしたらどうなるだろう。
圧倒的少数派となっている野党の中で気を吐く辻元氏を叩くことは、権力に加担することにほかならないのである。
「別のページでは与党政治家も取り上げてますので」といった両論併記のエクスキューズは成り立たない。社会の側に圧倒的アンバランスの構造があるからだ。
あ、この続きの中韓批判のところも紹介しよう
同様に、韓国や中国批判もそうだろう。現実の中でヘイトスピーチデモが繰り返され、ヘイト本が書店に並ぶ中、雑誌に「中国の思惑」といったタイトルの記事が載っただけで、それは権力と結託する中韓ヘイト派を喜ばせることにしかならないからだ。
感想。
端的にいえば大間違いだと思う。
国会議員という、憲法的にさまざまな特権を享受し、それなりの報酬なども得て、そして政党としては、野党第一党あるいは第二党(※離合集散によっていろいろ変わります)で副代表・国対委員長の肩書を得ているかたに、そんな「ソンタク」をする必要があるかいな。
それに、民主党が政権を取ってた時はどうだったの?あの人は社民党から民主党に政界渡り鳥ったひとだが、社民党が野党第一党のとき、首班を出していた村山政権のとき、自社さ政権から連立離脱したとき、民主党政権での連立のとき、そこからふたたび連立離脱したとき、その連立離脱に異を唱えて、社民党を離党し民主党に行った時…いつから批判の対象になったり、ならなかったりするの?
逆に民主党政権のとき、自民党の安倍晋三氏や当時の谷垣禎一総裁に対しては、「叩くことは権力に加担することにほかならない」となるのか、です。
中国にしても韓国にしても、国力的には日本と遜色ない、というどころか、中国ではすでに軍事的にも経済的にも上なわけでな。それに同国にだって「体制」も「権力」も時代ごとにあるわけで、「中国の思惑」といえば、習近平に率いられたチャイナセブンが君臨する「中国体制」寄りの議論だろう、常識的に考えて。それもダメだっていうんだからねえ……
これも「アメリカ」に対してはどうなるのだろう、と思う。トランプのアメリカを批判する本だって日本ではじゃんじゃか出ているし、またトランプとオバマの時で態度は変えられるのか、変えるべきなのか。
イスラエルについて、「ユダヤ人差別」自体はは間違いなく「中韓ヘイト」以上に世界的規模で存在しているわけだが「イスラエルの思惑」や「ネタニヤフ叩き」は反セム、ユダヤヘイト派を喜ばせる行為に、ほかならない…とはなりませぬ。
ということで、とても賛成はしかねるコラムでした、と感想を述べさせていただきます。