発売された、少年サンデー最新号の「絶対可憐チルドレン」にて…
ストーリー上で十分必然的な形をとった上で
(※簡単にいうと、洗脳されたかつての仲間が主人公らを襲撃しているのだけど、その襲撃者の超能力は「イメージ」に大きく依拠するので、自分や相手を納得させるような想像上のストーリーが必要となる。それが異世界ファンタジーの世界に主人公らを誘い込むことだった…、という感じだと考えてください。)
なんて感じで
「ファンタジー警察」
「シャワー警察」
「考証厨」
とか、twitterとtogetter界でしか解らん話題を熱く論じてた(笑) 。
いちおう必然性はクリアしてるかもしれんけど、
その必然性自体を無理やり作った感があるだろ(笑)
非常に似た話として…サンデーの物語中でこんなに熱く、論が展開されるのはからくりサーカスのナイフ論以来だ(笑)
とりあえず、からくりサーカスの白銀の名言を残しときますね。
— 💚❤️ (@A_D_Lily) 2015年5月31日
このセリフ中のナイフという言葉は色々なものに置き換えれると思いますので。 pic.twitter.com/4Gyh79QJH9
というか、もし『「ファンタジー警察」「シャワー警察」…聞いたことない。椎名先生は何の話題について語ってるの?』と思ってるような人がいたら…そもそもこのブログにたどり着かないかもだけど、、まぁこのへんと、そこから派生したいろいろなところを見て回ってください。
【togetter内検索】
「ファンタジー警察」
https://togetter.com/search?q=%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%B8%E3%83%BC%E8%AD%A6%E5%AF%9F&t=q
「異世界シャワー」
https://togetter.com/search?q=%E7%95%B0%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AF%E3%83%BC&t=q
いや…椎名先生すごいよ!
こういうところ、正直、敬愛している。
……だが本質的に、損な役回りをしてるよ!(笑)
まず、いろいろと人間関係がぎくしゃくしないか、はまぁいいとして(笑)、そんな話は別としても、これを別に取り立てて、SFやファンタジーを「描いてる側」が語るっていうのは、決してプラマイで言えばプラスじゃない気がするんだよね。
何度も書いた話だけど、
椎名高志氏やゆうきまさみ氏は、自分たちでパロディやギャグとして、話の中の突っ込みどころや矛盾点をさらりと粋に言及するけど、物語世界にぐいっと読者を無理にでも引き込むときには、そんなところなんてまるで存在しないかのように、力業で押し通すほうが良かったりすると思うんだよ。
…だけれども、そんなことをわかってても、やっぱりメタ的にでも語りたいという情熱があるんだよな。
で、これこそが一種の「サンデー的なるもの」の系譜だと思うねん。
この前話題になった記事に
関川夏央の予言は的中したのか - 紙屋研究所 (id:kamiyakenkyujo / @kamiyakousetsu)
d.hatena.ne.jp
というのがあって、タイトルだとわかりづらいけど島本和彦論。
で、関川夏央氏がほんの少しだけ触れた島本和彦への言及から展開されていくのだが……島本ほど方法に自覚的な作家は他にいまい。
一般的な物語作品ではなく、方法を自覚的に扱った作品にこそ、島本の精髄がある。
自分や他人が採用した無数の方法を徹底的に批評し、笑いの対象にしてしまう見事さ…
…方法という対象を徹底的に批評する旺盛な意欲に満ち、方法を外側から徹底的にイジってついにマンガ作品にまでしてしまったのである。「マンガ作家にありがちなたんなる思いつき」から出発したとしても、その自分や他人の思いつきをイジらずにはおれない、自身の中に充満した批評性が否応なく横溢してしまっている…
椎名高志もしょっちゅう、コレをやっていて…。
自分の中では、「サンデー的」というのはこういう部分だったのだよな。
今回のファンタジー論の挿入もそうだし、そもそもGS美神の時からこういうことしまくってるし。
4年前、松江名俊氏のある作品が終わったことを受けて、こんなふうに書いた。
「史上最強の弟子ケンイチ」12年の歴史に幕。我々は「少年サンデー的なるもの」の最後を見届けるかもしれない… - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140910/p1
松江名俊がその後の4年間で、同誌でまた新しい連載を2本描き、絶対可憐チルドレンが最終章だと公式にアナウンスされつつ、まだ同じようなテンションで続いているのはアレとして(笑)、見立て自体は今読んでも結構楽しいし、それなりのところに着弾してるんじゃないかと思ってます。銀英伝の登場人物にたとえてるのは、正直すまんかった。
ということで
「サンデー的なるもの」に再び乾杯!
その後
こういうツイートがあったが、上記のブログ記事の見立てを、特に変える必要があるとは全然思わないなりよ。
あと今週の絶チルでティムが荒ぶっているけれど、あれはあくまでもクリエイターへの道に一歩を踏み出した、ティムという架空のキャラクターの個人的な意見です。私の意見は特に表明してない。「描くの大変すぎる」ってとこ以外は。
— 椎名高志@50巻12/18解禁! (@Takashi_Shiina) 2018年3月15日
おまけ過去記事
はてブで話題&「絶チル」連載再開で、以前の椎名高志「GS美神」評を再掲載してみる - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140906/p3
おまけtwitter
今日の某お祝いパーティーには都合によりカミさんだけが行ってきたのだけど、「『パパがいないいい!!・・おげええ!』って吐くほど泣いてる幼女がいて、抱っこして一緒にパパを捜してあげたら、パパは久米田先生だった」って話が私の中でハイライト。
— 椎名高志@50巻12/18解禁! (@Takashi_Shiina) 2018年3月14日
やっぱりパパが漫画家というのは秘密なんでしょうか(笑) RT @JULY_MIRROR 久米田さんの真後ろという特等席でその一幕を堪能しました。
— 椎名高志@50巻12/18解禁! (@Takashi_Shiina) 2018年3月14日