将国のアルタイル布教できるように夜なべして資料作った。皆ほんと観て… _(:3」∠)_
— 唯原 (@yuihara000) 2017年7月3日
TBS系列だから、アニメイズム枠だから観てください…。マフ君かっこ可愛いよ。知略巡らせる系の冒険譚です。民族衣装すごい細かくて綺麗だよ。 pic.twitter.com/CcvigWIH9u
この作品はねえ、ちょっと複雑な思いがある。
検索すると3回ほどこのブログで触れたことがあるんだよな。ただ、正面から作品論に触れたのは一回だけ
現在進行形の「6大軍事漫画」とは?…書いてたら増えてしまったが、さらに追加も(笑) - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20141230/p3
という記事の中で、現在進行形(連載中)の軍事漫画として
「大砲とスタンプ」
「軍靴のバルツァー」
「乙女戦争」
「ホークウッド」
「パンプキン・シザーズ」
「ナポレオン 覇道進撃」
の6作品を選んだ……「将国」は入ってませんね。これに関する、twitterでのやり取りで…
大連屋@一介のオタク @mantyuria1933
@gryphonjapan 横から失礼します。>軍事漫画 些か異論を持たれるかもしれませんが『将国のアルタイル』と言う作品は含まれないのでしょうか?
- 作者: カトウコトノ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/01/11
- メディア: Kindle版
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gryphonjapan @gryphonjapan
反応ありがとうございます。同作品については http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20121027/p4 … でほんの一寸だけ…中盤の貿易で海軍国と陸軍国の紛争誘導のくだりなどは見事と思いますが、特に最初期がちょっと緻密な戦略より「英雄的個人の冒険譚」色に感じました。@mantyuria1933
ああ、あとそこからリンクを張ってる記事でも書いてたか。
食糧生産の歴史を語る良togetterから「まおゆう」のことを考えた。 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20121027/p4
ここでは、この作品を
「全体的にこの漫画については、志高くも、うまくそれを形に出来ない残念さを個人的に感じていますが・・・」
と評している。
ただ、2017年から振り返ってみるに、自分が不満を覚えた「国家戦略バトルと言うより、個人の冒険譚になってるよね(それが好きって人ももちろんいる)」「1人の裏切りの比重とか重すぎないか?」「飼ってる鷹がバビル二世のロデムなみにチートな部下で、鳥の脳みそにしては優秀すぎ(都合よすぎ)ねーか?」みたいなところがあるんだけど…
余談ながら「鷹がチートすぎる気がする」描写は他作品にもあって
鷹がチートと言えば「海皇紀」 / “「将国のアルタイル」が放送開始。オスマン”風”の国を中心に、外交や軍事の「駆け引き」を描く作品 - 見えない道場本舗” https://t.co/5mDOVukUCc
— 言葉使い (@tennteke) 2017年7月6日
とか
「アルスラーン戦記」とかね…
だが、これらの不満点は、実は同作品の「最初期」、まだ試運転的な部分なのだよね。その不満は不満として修正や撤回する必要は個人的に感じないが、単純に「徐々に洗練され、高度かつ面白くなっていった」と考えればいいのじゃないか、と気づいた。
実はこれ、今回この作品が受賞した「講談社漫画賞」の選評を読んで教えられたのだった。
それは本当にそうなのだ。
途中、途中で、ちょっと寓話的すぎるほどカリカチュアされた「国家体制」が出てくるのもちょっとばかり引っかかるが、そういう寓話的なほどに強調されるからこそわかる「国と国の関係」や「経済・貿易関係」もあるし、これもプラスな面があることは間違いない。
たとえば、相手の「ある戦略物資」を意図的に市場――――貿易、交易の中で買い付けることで、相手陣営の中でその物資を不足させるなんてエピソードは面白かったし、ある貧乏国が一転、自国内に眠っていた(あることは知られていたが、遠方の地で売り物になるということは知られてなかった)資源を指摘され、貿易を行えるようになるという話も興味深かった。
敵国が「軍事国家は、自分を維持するために戦争を続けなければならない」というのも、過度な単純化を敢えてしているから、その点を鋭く指摘できるのでしょう。
また、やはりなんだかんだとオスマンや中世・近世の中近東や欧州の関係は複雑かつなじみが薄いのに、そういう世界観を敢えて打ち立てたのは「作者の熱意」だったらしい。
「自分は未熟だけど、自分の本当に好きなものをかけば、自分と同じような人には楽しんでもらえるはず」と好きなものを詰め込んで作った作品でした。
うむ、いさぎよし(笑)
それが商業的にも成功し、アニメにまでなるのだから祝福に値する。自分も「同じようなものが好き」なのは間違いないと思うが、初期のほんのちょっとのずれに拘泥して評価が(不当に)低かった、といってもいいだろう。
別に俺の評価が低くても高くてもあっちには関係ないだろうけど(笑)、なんかお詫び申し上げます。
ということで、けっこう
「国と国との駆け引きや謀略に焦点を当てた」
「オスマン帝国風の時代と武器(銃があるか、ないかレベルと考えてくれ)」
での三国志&アルスラーン戦記みたいな話、という雑な紹介で、お伝えします。
そして、「初期の展開は、正直それほど感心しない。だが、徐々に、尻上がりにすごくなっていくタイプの作品だ」という個人的感想も付記しましょう。
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- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/06/23
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http://project-altair.com/onair/
ただ「加速度的に面白くなっていく」といっても、13話とか26話とかしか放送できない昨今のアニメで、どこの部分まで、この原作上の展開を描けるのだろうか?そこはわからん。