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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

ローカル「文化」がイカス!と普遍化し「文明」になるダイナミズム…を「文化の盗用」論は妨げるだろうね。(VOGUE騒動で思い出す司馬遼太郎)

司馬遼太郎が語る「文明」と「文化」(アメリカ素描) - 見えない道場本舗 (id:gryphon / @gryphonjapan) http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20131102/p1

再掲載

ここで、定義を設けておきたい。
文明は「たれもが参加できる普遍的なもの・合理的なもの・機能的なもの」をさすのに対し、文化はむしろ不合理なものであり、特定の集団(たとえば民族)においてのみ通用する特殊なもので、他に及ぼしがたい。つまりは普遍的でない。
 例えば青信号で人や車は進み、赤で停止する。この取り決めは世界に及ぼしうるし、げんに及んでもいる。普遍的という意味で言えば交通信号は文明である。
 逆に文化とは、日本でいうと、婦人がふすまをあけるとき、両ひざをつき、両手であけるようなものである。立ってあけてもいいという合理主義はここでは成立しえない。不合理さこそ文化の発光物質なのである。同時に文化であるがために美しく感じられ、その美しさが来客に秩序についての安堵感をもたらす。ただし、スリランカの住宅にもちこむわけにはいかない。だからこそ文化であるといえる。…

……文明はまず民族(文化)を超えていなければならない。…やり方と道具をそろえさえすれば、誰でも参加できる(普遍化する)のである。簡単な取り決めだけで、万人が参加できて、しかも便利であるものを文明と考えたい。(略)
 しかし文明は必ず衰える。いったんうらぶれてしまえば、普遍性を失い、後退して特異なもの(文化のこと)になってしまう。
(略)
異文化(エスニック)もまた文明材となるときがある。たとえばジーンズは20世紀のはじめ、デトロイトの自動車工の労働服だったという点で特異かつ少数者のものであったのが、アメリカ内部の普遍化作用のなかで吸い上げられ、世界にひろまったとき、新しい文明材となった。
 
そのジーンズに関して、司馬は「文明材」という造語をつくってこう考えた。

“文明材”というのはこの場かぎりの私製語で、強いて定義めかしくいえば、国籍人種をとわず、たれでもこれを身につければ、かすかに“イカシテイル”という快感をもちうる材のことである。普遍性(かりに文明)というものは一つに便利という要素があり、一つにはイカさなければならない。・・・普遍性があってイカすものを生み出すのが文明であるとすれば、いまの地球上にはアメリカ以外にそういうモノやコト、もしくは思想を生み続ける地域はなさそうである。

さて、たとえばキモノが、ニンジャが、スシが・・・、たとえば日常的に着られる服にはもちろんならないだろうが外国、異民族に「イカス」と感じるファンが増えてきて、それを彼らがアレンジしてきたら?おそらくそれが「文化が文明化する」第一歩であろう。そこで批判されて当事者が謝罪して、そういうことが以後なくなったら・・・・・・。
このへんの話題。
それぞれの記事のブックマークも参照のこと。

なぜこれが差別なの? Cultural Appropriationとは? 日本人女性の格好で撮影したモデルが謝罪 - Togetterまとめ https://togetter.com/li/1081789
日本文化を盗用?米VOGUE誌で「芸者スタイル」カーリー・クロスが炎上、謝罪 http://www.huffingtonpost.jp/2017/02/16/vogue_n_14788604.html
⚡️ "『VOGUE』のカーリー・クロス写真になぜ抗議が殺到したのか" https://twitter.com/i/moments/832176264739901440

しかしまあ、この騒動自体は相当な混乱をもたらしているな
その結果 、

http://b.hatena.ne.jp/entry/s/togetter.com/li/1081789
「右に行ってもポリティカルコレクトにそぐわないと言われ、左にいっても反ポリコレだと言われ…そして実質的に無効化してしまう、というコースに順調に入ってしまっているな……。」

と、思いました。



ただ、この「物マネは本質的に、受け手がバカにされたと思うリスクがある表現」はなるほど。