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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

オバマと竹下登と村山富市と、そしてトランプと……「歴史が評価する」の話

フィデル・カストロ逝く。
自分は寄席で、落語家(三遊亭歌武蔵)が高座から伝える時事ネタとしてこのニュースに接した。



ところで。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-05-12/2013051203_01_1.html
バラク・オバマ

キューバの国と国民の針路を変えたカストロ氏の死去は、さまざまな思いで受け止められているはずだ。国民に及ぼしたとてつもない影響は歴史が評価するだろう」

ドナルド・トランプ

「60年近くにわたって自国民を迫害した残虐な独裁者が死去した。彼がもたらした悲劇は決して消えないが、トランプ政権はキューバの人たちが自由を得られるよう全力をあげる」


赤旗

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-05-12/2013051203_01_1.html

…1973年の国会で日本共産党不破哲三書記局長が「中国に対する戦争を、侵略戦争と考えるのか、それとも別の戦争と考えているのか」と質問しました。72年に日中国交回復をして帰ってきた田中首相は「後世、史家が評価することだという以外にはお答えできません」と述べ、侵略戦争の事実を認めませんでした。

 89年には竹下登首相が、侵略戦争をめぐり田中首相と同じ答弁を繰り返しました。不破氏が「それなら、あなたは、ドイツのヒトラーがやった戦争について、これを侵略戦争と考えるのか」と質問すると、竹下首相は困って、日本の戦争だけでなく、ヒトラーの戦争に対してまで「後世の史家が評価すべき問題だ」「侵略戦争に対する学説は、たいへん多岐にわたっている。学問的に定義するのは非常に難しい」と驚くべき答弁をしました。


竹下登

[006/006] 114 - 衆 - 本会議 - 5号
平成01年02月14日

それから、謹話にお触れになりました。
 さきの大戦が悲しむべきものであって、残念のきわみであるという趣旨を述べたものであります。戦争責任の問題を念頭に置いたものではありません。さきの大戦の宣戦布告は、国務大臣の輔弼によって行われたものであります。
 さきの大戦が侵略戦争であったかどうか。この問題は、いつも申し上げますように、後世の史家がこれを評価すべき問題であると考えます。それよりも、戦争は、国民に対して大きな損害を与え、周辺諸国へ大きな迷惑をかけるものであるから、さきの大戦に限らず、戦争というものはあってはならないものである、このように考えております


村山富市

[003/004] 130 - 衆 - 本会議 - 3号
平成06年07月21日
金日成主席の死去についての弔意及び金日成体制に対する歴史的評価に関する御質問がございました。
 政府としては、儀礼上の観点から、九日、官房長官談話として哀悼の意をあらわしたところでございます。しかし、金日成体制に対する歴史的評価につきましては、今後、朝鮮半島の人々の判断にゆだねられるものであり、私としての評価を述べることは差し控えたいと存じます。



昔読んだカストロ本の中では、これがなかなかに面白うございました。

カストロ、銅像なき権力者

カストロ、銅像なき権力者

キューバカストロに会ってみたい」そして、この長い旅が始まった――。
革命以来40年以上も権力の座にあるカストロは「独裁者」のイメージが強いが、なぜ「権力の腐敗」に陥らなかったのか?
超大国アメリカからの圧力と経済苦境を経験しつつも、今日の安定を築き上げたキューバという国が持つパワーとは?
果敢な現地取材により届けられた、知られざるカストロの肉声と、ラテン社会主義国の内実に迫ったドキュメント。

追記 カナダのトレド―首相はトランプと同じ(カストロは独裁者)

・・・・・・・と思いきや、はじめに褒めたコメントが「失言」扱いされての軌道修正だったとか

カナダ首相、カストロ氏への称賛コメントで批判と嘲笑の的に http://www.cnn.co.jp/world/35092803.html @cnn_co_jpさんから

(CNN) カナダのトルドー首相が、キューバフィデル・カストロ国家評議会議長の死去を受け発表した追悼声明をめぐって厳しい批判にさらされている。カストロ氏を「偉大な指導者」とたたえるその内容が、同氏によるキューバでの人権侵害や政治弾圧の過去を無視したものととらえられたためだ。
トルドー首相は26日の声明でカストロ氏の死去に対して「深い悲しみ」を表明。「フィデル・カストロ氏は偉大な指導者としてほぼ半世紀にわたりキューバ国民に奉仕してきた。伝説的な革命家、演説家であり、キューバの教育と医療の著しい改善を実現した」とその功績をたたえた。
その上で「評価の分かれる人物ではあるが、同氏の支持者も同氏に批判的な人たちも、キューバ国民に向けられたその計り知れない献身と愛情については認めていた」と語り、「キューバ国民とともに、この卓越した指導者の死を悼もう」と結んだ。
これに対し、米上院議員キューバ移民を両親に持つマルコ・ルビオ氏はツイッターに「この声明は本物なのか、それともパロディーか?」と投稿。もし本当にカナダ首相による声明なのだとしたら恥ずべき内容だと続けた。
同じく米上院議員キューバで生まれ育った父親を持つテッド・クルーズ氏も「みっともない話だ。なぜ若い社会主義者全体主義の独裁者に心酔してしまうのか? カストロスターリン毛沢東ポル・ポト――彼らはみな邪悪で、人々を拷問にかけ続けた殺人者だ」とツイートした。
ソーシャルメディア上にはトルドー首相の声明を揶揄(やゆ)する目的から、イタリアの独裁者ムッソリーニ北朝鮮金正日(キムジョンイル)総書記、さらにはアニメや映画の悪役キャラクターを皮肉交じりに称賛する書き込みが相次いで寄せられ…(略)



逆に、「革命の卓越した指導者」と完全に称賛した、安倍首相のコメントが国際的に何も言われないのはある意味ラッキーというか不思議というか。