INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

藤子・F・不二雄先生は「戦争・戦闘ゲーム」が、たぶん大好きだったのではないか(仮説)

本日は「ゲーム特集」で記事をまとめたかったが、全部は書ききれないので、ひな形があるこの話をまとめよう。

まず、最近ブクマが多かった

ドラえもんですでに実現された「秘密の道具」35選| CHANGE MAKERS https://www.change-makers.jp/technology/10978

を置いておく。これについてはあとで触れる。


以前から思っていたが、今年2月、ブログ「藤子不二雄ファンはここにいる」の稲垣高広氏がかいたツイートに触発されて書き始めた。

これに関する、自分のツイートはコピペと再編集で。
そしてそのあと、画像をたっぷりと加える。

gryphonjapan @gryphonjapan 2月28日
オバQ
「大海戦」のほか
「ラジコンの戦車で、相手の積み木の城を崩したほうが勝ち」
風雲たけし城の先取りのような「決戦オバQとりで」などの、早すぎたウォー・シミュレーションゲームが描かれてるし


ドラえもんでは
「皆が10発ずつ空気ピストルを持ち、街中で出会ったら自由に撃ち合う」という「拳銃王コンテスト」、
ミニ戦闘機で戦う「大空中戦」、
ラジコンで大和の海戦を再現する「ラジコン大海戦」…


ここから推測するに、戦中派の藤子・F・不二雄先生だが、実は「実際に人が死なない、お遊びとしての戦争・銃撃(西部劇)ゲーム」は、ものすごーく好きだったのではないか、と。当方未見だけど、「ガールズパンツァー」みたいに、遊びやゲームとして実物大の戦車で模擬戦をする、なんて藤子F好みで、ご健在なら喜んだろうな。


つくづく残念なのは、90年代半ばに逝去されたF先生がもっとご長命なら、大発展した3D映像の戦車や戦闘機ゲーム、あるいはサバゲーを、ちょっと仕事を減らし、余裕が出たF先生が実際に楽しめたんじゃないだろうか…と。
最近のリアルなゲームを見るたび、そう思う。(了

ここから、実際の画像に沿って語ります。

ドラえもんの「ミニ飛行機」は12巻。

ドラえもん (12) (てんとう虫コミックス)

ドラえもん (12) (てんとう虫コミックス)

 
この空中戦は正式なゲームとしてやってるわけじゃないが、両者ともそういう意識ですな。
先生、ふつうに空中戦がかっこよくてやりたいから、これ描いたんだろー。



ドラえもん けん銃王コンテスト、これも12巻。

ドラえもん (12) (てんとう虫コミックス)

ドラえもん (12) (てんとう虫コミックス)

  

正式にルールを提案し、それにのっとって子供たちが遊ぶのは「ラストマン・スタンディング・ルール」(勝手に命名した)による、全町内を舞台にしたサバイバルゲーム……こんなん、今でも俺、ほんとにやってみたいわ!!!!

ちょっとここで自分の話も語らせてもらうけどさ、はじめモデルガンとか銀玉鉄砲で遊んでいる子供たちはそれをやっていると、「本当に人と撃ち合って、勝敗をきっちりと決める、そんなゲームができたらなあ…」と思ったんだよ、例外なく。
しかしそれまでのモデルガンは規制で?弾が出ないし、銀玉鉄砲のばねの貧弱さは、きちんとした競技としての射撃、撃ち合いをやるにはあまりにも役者不足だった。

こち亀にかつてのモデルガンマニアが出てくるが、彼らの「撃ち合い」は弾が出るのではなく、相手が撃つポーズを見たらそれに合わせてうまく演技して、互いに倒れたり倒したりする、そういう演技と空気を読む作業だったのだ(まあ、それは極端なネタだが)。


 


だから80年代?に「サバイバルゲーム」が出たとき、「ついに、おもちゃの銃の撃ち合いが…ちゃんとした一定のルールの下でゲーム化された!!!」という感激があったのじゃないでしょうか。「演技で互いに倒れあうモデルガンマニア」を描いた秋本治氏がさっそくサバイバルゲームにはまりまくり、今に至るまでサバゲー漫画の第一人者(としか言いようがないだろ!!)であることは言うまでもない。
 


そんな時代が来る前に、「実際に当たった当たらないが判定できるおもちゃの銃があって、それで殺したり殺されたりするゲームがあったら楽しいだろうな……」という空想、願望をダダ漏れにして、具体的なルールまで提案していた藤子・F・不二雄先生が、いかにただ者ではないかお分かりだろうか。
先生、ふつうに銃撃戦とバトルロイヤルがかっこよくてやりたいから、これ描いたんだろー。

サバイバルゲームの歴史は、wikipedia:サバイバルゲームですら、なんかざっくりしてて、もっと充実させる必要があると思うんだが…




先生は、世代的に「西部劇チルドレン」のひとりでもあるし。
実際に西部劇の8ミリ映画とか撮ってるし。
   

つうか、ノリノリすぎませんかお二人。漫画界の良識派と言われた藤子F氏(当時は藤本氏)だが、トキワ荘ではけっこういたずらの先導者だったともいうし、8ミリとかが大好きなのはこのころからだねえ。
そのせいで、やはりオバQの時代から、庶民感覚ではぜんぜんぜいたく品だった8ミリや、ラジコン(後述)の話なんかが登場するわけだ。
まあ、実際のところ、トキワ荘に住んでいる時代から、後半には当時の同世代としては稼ぎは超絶に良かったんだろうしね。

それプラス、こういう言い訳を…

昭和30年代から、オタクの買い物の言い訳のロジックは変わらねえ(笑) 






「ラジコン大海戦」は14巻。

ドラえもん (14) (てんとう虫コミックス)

ドラえもん (14) (てんとう虫コミックス)

  


この作品は、返り討ちにあったスネ夫たちの

のコマが有名だけど、正直それまであんなにノリノリで海戦、大和対戦闘機部隊を描いているのを見ると説得力はない(笑)。

つうか、まさにこれだ


傑作漫画「戦争とてえま」を紹介 http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20090625/p3

この「スネ夫のいとこ」だかはその後のシリーズでもえらくいい味を出している…というか、藤子F先生がプラモやラジコンを語りたいときに、その分身として登場するとおぼしい(笑)。
自分(の親戚にあげた)大和が拿捕、拉致されたと知ったら「そりゃ面白い!!」「僕のラジコン戦闘機でその大和を攻撃して撃沈させよう!!」ってふつう思うだろうか。いやプラモマニアなら思うか…うん、思う。というか自分も、古いガムのおまけレベルの戦艦模型だけど、沈めたりしたかったし、モビルスーツに爆竹仕掛けてドカンと破壊したかったよな!!
先生、ふつうに戦艦vs戦闘機のラジコン模擬戦がかっこよくてやりたいから、これ描いたんだろー。

【追記】これを補強するような記事が有名サイト「変ドラ」で、のちに発表された。

【帰ってきた変ドラ】F氏のオタク魂が乗り移った究極のキャラ『スネ吉』大特集! | 変ドラ・ページ〜なんだ、こりゃ?〜 http://hen-dora.com/sunekichi/


そして、その系譜はオバQにも元がある…。

オバQ生誕50年だった2014年にかいたメモ的文章から。

オバケのQ太郎」論序説―メモ代わりの、覚え書きとして。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140727/p3
(前略)…
・実はオバQのパートナー「正ちゃん」はワトソンでものび太でもなく、えらくアグレッシブにアイデアや企画を発案し、それを皆にプレゼンテーションし、賛同を得て人員を組織化、資材も用意してその夢想を実行に移すという、とんでもないリーダーシップの持ち主。その卓越したリーダーシップを、オバQがサポート…それも消えるとか空が飛べるとか、ドラえもん的万能の才能ではない。正ちゃんが、うまくその限定した能力を、それが生きる場所を与えて活用するのだ。孔明か、劉備か。
これも以前、一本を紹介した。

オバQ愛蔵版「貝殻でお金ごっこ」の話が、経済学の初級寓話として素晴らしい件 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100207/p3

 
彼が子ども時代に実行したプロジェクトはこの「独自の地域通貨とマーケットの建設」だけでなく
 
※宇宙ロケット開発
※電話ネットワーク構築(糸電話)
※模擬裁判
※民間の「子ども図書館」
※幻灯機による自作の物語上映(スライドや指人形など)
※探偵活動
※独立国の建設(オバQ島)
無人島的自給自足の生活
※要塞の建築
※ラジコンを利用した模擬戦争ゲーム
※8ミリのサスペンス映画撮影
 
……アイデアと智謀、わくが如し。というか、以前かいたがこの男、むしろ革命家の素質すらある。
後年にかかれた異色作「劇画オバQ」では、発明の才能は極めて豊かだが、人が良くてだまされて失敗ばかりしている、大人の「ハカセ」君が、「あとは資金と、信頼できるパートナーだけなんだ」といって「ネクタイを締めての革命もある」と大企業の社員になった正ちゃんを口説くという展開になる。
あれはご都合主義でもなんでもなく、正ちゃんはそういう才能がある人間であることは疑いないのだ(笑)。
その誘いに、一度は脱サラも決意した正ちゃんだが、子どもができたことでその夢は終わった。だが、大企業の中でも間違いなく出世する人材であろう。小学館講談社に対抗して「社長 正ちゃん」でも出せばよかったのに。
(後略)

そういうわけなんです。正ちゃんがとんでもなく積極的で、企画力、交渉力、行動力、プレゼン力…全てを兼ね備えた意識高い人材で、しかもそのリソースをすべて遊びに使う…そこに「ハカセの知力」「ゴジラの腕力」「木佐キザ夫の財力」「オバQが飛べる、消える」などの能力を総合することで、ひみつ道具をポケットから出せるドラえもんに負けず劣らず、こどもたちの「こんなこといいな、できたらいいな」を実現していたのです。
それもドラえもんとはかなりの時代の開きがあり、「日本の豊かさ」もまるでちがう。戦争の影すらのこるオバQの時代、ラジコンなどの夢はドラえもんの時代より、さらに一段の夢だったはず。


「ラジコン戦争」は全集8巻。

  
おーい、1960年代の段階で「戦車を動かせる?ただそれだけじゃ面白くないっしょ。やっぱり模擬戦でしょ!ウォーシミュレーションっしょ!!」というゆるぎない信念をもっていたのだよ、藤子F先生は。
てか、「ラジコン戦車を互いに動かして、相手の城を破壊したほうが勝ち」なんてゲーム、今でもやってみたいわ!!!
先生、ふつうにラジコン戦車同士の戦車戦がかっこよくてやりたいから、これ描いたんだろー。


もうひとつ、オバQでもラジコン海戦が描かれているエピソードがあるのだが、いま見つからない…
これは全集4巻

オバケのQ太郎 4 (藤子・F・不二雄大全集)

オバケのQ太郎 4 (藤子・F・不二雄大全集)




「決戦オバQとりで」は全集2巻。

オバケのQ太郎 2 (藤子・F・不二雄大全集)

オバケのQ太郎 2 (藤子・F・不二雄大全集)

   


最初読んだときに、既に木製のリンゴ箱というのはなじみがあるものではなく、「いらない箱がたくさんある。後でまきにする」「それを積み上げるとお城ができる」というのが想像の外だったんだけど、のちに市場を見たときに実物のリンゴ箱をみて、「あ、これならちょっとずつずらして積み上げていけ、砦もつくれるかもな…」と訳の分からない感動をしたものでした。しかし、ゴジラと砦をめぐって戦争を行う必然性はあまりない(笑)。
これもまた、攻城戦をえがきたい!!という藤子・F・不二雄先生が、あえてちょっと無理を承知でこしらえたシチュエーションなのかな。
それともまだまだ乱暴な遊びが許容されていた昭和の高度成長期には、秘密基地をめぐる模擬戦争がゲーム的に行われていたのでしょうか…って、ちょっと類似したことはやってたような気もするな(笑)。
 
しかし、楠正成も、真田昌幸もかくやという砦の鉄壁の守備は、名軍師・ハカセの知恵によるもの。
真田丸上田城攻防戦が描れた今だと、なんとなくわかりやすいかな。








その後、すっかり大御所になった後…昭和58年に、こんな短編で、こんなことを登場人物に言わせている。

49歳は、昭和8年うまれのF先生の実年齢だった(笑)。
今は49歳でラジコンが好き…なんて人珍しくもないだろうが、当時としては、非常に世間の目も、それへの反撃も、リアリティのあるものだったろう。
彼らがいたから今がある、こと忘れてはならない。


だからこそ、今発達した3Dのシミュレーションゲームをやってほしかった…のである。

藤子F先生は1996年、62歳での逝去(若すぎる…)比喩表現ではなく「ペンを握って死んでいた」。
ことしは没20年の節目だ。

http://ameblo.jp/dorami1204/entry-12076169261.html
1996年の今日9月23日、藤子・F・不二雄先生は自宅の書斎にて「大長編ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記」の原稿を書いていた時でした。
奥さんの正子さんが書斎に様子を見に来ると声をかけても返事がなく近寄り様子を見ると藤子・F・不二雄先生は机に向かってペンを持ったまま眠るように亡くなられてたそうです。

存命なら82歳。生涯の盟友・A先生のお元気ぶりを見ても、「もしお元気なら」を想像するのもたやすい。
もちろん、仕事の虫な先生だから、生活上の心配は何もないにしても、仕事を完全に引退しているとも思えない。しかし、少々はのんびりしたペースになっているのではないか。

wikipedia:1996年のコンピュータゲーム

を見ると、この年が「バイオハザード」の発売年だった。3Dの視点で、襲ってくるゾンビたちをバンバン撃ちまくるゲーム…
そのころ、戦車戦ゲームや空中戦ゲームはどのくらい進歩していたのかな。
たしか、自分の記憶ではけっこう、この時点でも進歩していたと思うが………
wikipedia:アフターバーナーが出たのは1987年か(この時点ぐらいで、自分のコンバットゲームの知識は止まってる)。


もしもボックス」で、「もし藤子・F・不二雄先生が2016年、82歳でご存命で、時間にもゆとりのある暮らしをしていたら…」と聞いたら、今、現在のウォー・シミュレーション、射撃シミュレーションはオンラインでもいろいろできるよね?そこに参加して、楽しく銃を撃ちまくり、操縦かんを握るF翁の姿があったのではないか?
そしてついでに「ガールズ&パンツァ―」を高く評価したのではないか???

その想像の根拠は、上の引用コマで十分すぎるほど述べた(笑)


というわけで、

ドラえもんですでに実現された「秘密の道具」35選| CHANGE MAKERS https://www.change-makers.jp/technology/10978

は非常に面白い記事ではありましたけど、
いま進化を遂げた「ウォー・シミュレーション・ゲーム、シューティングゲーム」全体も、「実現された「ひみつ道具」」のひとつとして追加したい、次第です。

(了)