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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

ドラマ「重版出来!」12日からスタート

http://www.tbs.co.jp/juhan-shuttai/

4月12日(火)よる10時スタート(初回15分拡大)火曜ドラマ『重版出来!

えーとひとことで言うと「漫画の実写化の平均的に期待している」と…  それ「期待してない」と言わないか??


されど、現在二期目が始まっている「BARレモンハート」は非常にいい出来だったので、CGや特撮が必要な超自然的なものではないドラマなので、ややそれぐらいの期待をしてもいいのではないか、とも思います。

この作品についても語ってみたいのだが、すごく長くなるので、まだ放送までに余裕があるので後回しにしよう。
おいおいかいていきます。


過去の紹介文の再録はしておくか

2013年に「漫画10傑」に選んだ時の記事から。

「見えない道場本舗」選定・2013年度漫画10傑 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140702/p2 より




■「重版出来!

重版出来! (1) (ビッグコミックス)

重版出来! (1) (ビッグコミックス)

非常にいろいろなところで評価されている作品。
その一方、同じ版元…しかも「週刊スピリッツ」と「別冊スピリッツ」の場合、雑誌は厳密には違っているけれども、たぶん同じ編集部の組織にあるはず…の先行作品に、永遠の名作である故土田世紀の「編集王」という作品がある。

編集王 (1) (小学館文庫 (つB-1))

編集王 (1) (小学館文庫 (つB-1))

で、自分も最近固まってきた持論だけど、「ある名作から(盗作とかではなく)見事なまでにコンセプトを受け継ぎ、独自な魅力も生み出した『名継承作品』」とでもいうべき存在はやっぱりあるのだ。
どれをどんなふうに「名継承作品」と認定するかというと、また大仕事なので後日の課題とするが、「重版出来!」が「編集王」をみごとに継承した、ある意味(主人公や作家が)「編集女王」である、とは言っていいんじゃないかと思う。「売れりゃいいじゃないか」「漫画家は編集に完全にコントロールされるべき」「家庭を第一にさせてもらいます」的な編集と主人公の思想的対立もそうだし、またそういう編集者は、過去に熱血編集だったがそこで挫折し…なんて話も継承されている。(はっきり言って、個々の要素を比較すると大体、「重版出来」のほうが強化版である。まあ、パイオニアはパイオニアであるだけで意義があるんでね…)

またその点では、前田日明が「俺らが関節技や打撃を(デフォルメして)客に提示したから、その後真剣勝負でその技をみんな理解できたんや!」というのと同じ流れで、編集王ではかなり極端なデフォルメ、スポコン的なドラマに誇張して書いたあれこれを、もすこしリアルに修正したディテールを教えてくれている。重版がどんな意味があるのか、表紙デザインはどうやって決めるのか、書店でのキャンペーンはどんなふうにやるのか…このディテールが特に面白い。
また、当時はありえなかった、こんな議論ももちろん21世紀の今は、されていると。

だからかつて「編集王」を知っている世代やファンこそ一度手にとってほしい作品です。