【全文革命】
いやあ、やっぱりしみじみと「全文」は面白いわ…。しかも一種の、木戸銭タダの「トーキングブルース」だからな。
全文アップしたのは産経とデイリースポーツらしいけど、彼らの勝ち。こんな面白いもの、記者会見に行けたところはみんなやればよかったろうし、動画を載せられるところは載せればいいのに。(他にもあったら失礼)
これもまた、「全文革命」の成果。
(※余談ですが、「全文革命」という概念に関しては… http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20141225/p1 参照)
で、見てみる。
http://www.sankei.com/entertainments/news/151224/ent1512240010-n1.html
「不自由な12年間だった。言っていっていいことと、いけないこと…大変な綱渡り状態でやってきた。10年を一つの区切りとして、また、別な挑戦をさせていただきたいと、早河さんにお願いした」
−−今年3月、(コメンテーターで元経済産業省官僚の)古賀茂明さんの不規則発言の問題が起きた。そのことは影響しているのか
「それは全くありません。古賀さんに関して言わせていただければ、やはり経産省の官僚だっただけあって、本当に聡明で、私の知らないことを楽屋トークでいろいろと教えていただいた。その面では本当に感謝しています」
「ただ、番組でああいう形になって、いざこざというか、見解の相違が出てしまったことは、大変残念に思います。それだけです。ですから、そういうことが今回の決意に至ったということは全くありません」
面白かったのは、ちょうど
大洗に自衛隊の戦車が来なくなったのは共産党の圧力?「ガルパンファン向け展示中止」と名指しで申し入れ - Togetterまとめ http://togetter.com/li/916456 @togetter_jpさんから
「日程が合わないから来ていないだけ」『ガルパン』イベントに戦車が来なくなった大洗町 町役場は“共産党の抗議説”を全面否定 http://otapol.jp/2015/12/post-5105.html
という問題が持ち上がったところでね。自分はそもそものアニメ作品自体はぜんぜん見てないんだが(笑)、こんなまとめをつくったりしてかかわらせてもらった。
娯楽と関係機関のコラボ、その功罪と危険性〜速水螺旋人氏らの大洗ガルパン関連ツイートを中心に - Togetterまとめ http://togetter.com/li/916848
んで、この古館氏の会見を
http://b.hatena.ne.jp/entry/otapol.jp/2015/12/post-5105.html になぞらえれば
「『全くありません』古館氏は“古賀発言問題説”を全面否定」…という見出しになる。
しかし古賀発言に関して、自民党が「聴取」をしたというの事態は事実。それの「影響は無い」と当人(古館氏)は確かに言ったのだろうが、こちらも「じゃあ無かったんだね、一件落着だ」…と受け止めるかどうか。それは戦車云々も同じように、だ。
おっと、その話はわき道なので、本題へいく。
−−『不自由な12年間』という発言があった。どのあたりを不自由だと感じたのか
「放送コードを守りつつも、いっぱいしゃべってきました。単純な話、物量的、時間的に制約がある。ニュースが終わって画面がスタジオに切り替わり、『この点でね、私はこう思うんです』と言った瞬間、『CMに行け』という指示が出ますから」
「それから、バラエティーやスポーツ実況の放送コードと報道の放送コードって違いますから。バラエティーなら、『ラーメン屋』と何の悪気もなく言えますが、報道は『ラーメン店』と、(『屋』ではなく『店』と)言わなければならないんですね。『おかしいでしょう』と、いつもスタッフとせめぎ合うんですけど」
「報道には報道特有のコードがありますし、人権を守らないといけないのは当たり前。また、テレビを見てくださる方にとって、バラエティーを見るモードと報道を見るスタンスは全然違います。そういう意味では、いろいろな不自由はありました」
http://www.sankei.com/entertainments/news/151224/ent1512240014-n1.html
ラーメン屋とラーメン店の違い、とかは知らんかったけど……
とにかく、「古館氏の言うことを額面どおりに受け取るなら」、という前提をつけた上でいうと、時間の物理的制限とかは別にして、古館氏が報道ステーションをやっているときに、もっとも「不自由」を感じていたのは、ポリティカル・コレクトネスによる制約だった…と、当人が言っているのだ!!!
うーむ、うーむ、うーむ………。
もちろん、「本当の圧力は、圧力があったことすら言えなくなるものだ。『不自由』の例でポリコレのことを真っ先に発言したのは、それが言える水準の制約だからであり、自民党・安倍政権からの圧力は、会見でいえないほど大きかったのだ」
というふうに”推論”することはできる。
にしても、だったらそれはそれとして、会見で「不自由」の例としてポリコレな話を挙げることもなかっただろうに…。
しかし、来年をもって古館はこの報ステから姿を消す。
我々はどうやって火をともしていけばいいのか。
物質に恵まれた新世紀、商業主義に躍る新世紀、
情報が豊かで心が貧しい世の中、
ひとりで闘うことを忘れかけた人々…もう我々は、古館に癒されながら
時代の砂漠をさまよってはいられない。
我々は今日をもって古館から自立しなければいけない。
古館のかけらを携えて、今度は我々が旅に出る番だ。
古館は連鎖する。
いや、「古館のかけら」ってなんだよ(笑)