新国立競技場の提案書がスピリチュアルすぎてざわつく人々「あかんやつや」「中二心くすぐられる」 - Togetterまとめ http://togetter.com/li/913683
新国立競技場の提案書がスピリチュアルすぎて驚いている。「宇宙を構成する諸要素」によって「縄文的な力強い祝祭の場」「結界」を生み出すらしい。 pic.twitter.com/SoYwEH84dF
— 古市憲寿 (@poe1985) 2015, 12月 16
まったく、すごいものを見つけるものであることよ。
見つけて話題にしたのは…古市憲寿氏 @poe1985 か。氏の評価にはとかくの議論もあるが(デビューの新書はえらく面白かったけど)、この発見(といってもだれでも判るところにある資料。それを切り取って、意味をつけて提示したのがすごい)とtwitterへの投入だけで、”学問的功績”としていいんじゃないか(笑)
そこから先、おもちゃになるのは理の当然として、非常に嬉しいのは、たぶんこれをきっかけにして
「マンションポエム」
という概念を知る人も出てくるであろう、ということです。
これが、すごいんだわ…
自分も、この概念を知ったのはつい最近です。「たまむすび」でその提唱者が紹介され、その時ぐうぜん車に乗っていて、カーラジオで聞くことが出来たんですよね。
大山顕さん
おお、ほぼ1周年らしい!! 2014年12月18日。
このときに、国立競技場でクローズアップされるのは何の因縁か。
あとは「マンションポエム」で検索し、おもしろいのを紹介する簡単なおしごと。
http://www.tbsradio.jp/tama954/2014/12/post-917.html
今日の【おもしろい大人】は大山顕さんが登場。IMGP4848.JPG
最近は「クルマの色」が気になっていたり、
「マンションポエム」に熱がある大山さん。赤江さんがマンションポエムを朗読すると、
「本物のアナウンサーに朗読してもらえた!」とちょっと感激な大山さんでした♪
あっ、うれしい、音声があった!
13分15秒から聞いてください。
文字起こし
http://miyearnzzlabo.com/archives/21761
(赤江珠緒)さあ、続いてですね、大山さんが2014年。これにも熱を入れていらっしゃる、マンションポエム。
(ピエール瀧)なんです?マンションポエムって。
(大山顕)マンションポエムって、新聞の折込チラシとか、駅のポスターとかで、高級分譲マンションの売り文句。
(赤江珠緒)ああー!はいはいはい。キャッチコピーみたいなね。
(大山顕)そう。『洗練の高台にそびえるこの地に』。
(ピエール瀧)ああー!あるある!
(大山顕)そう。『あなただけの夢を思い描く』。
(ピエール瀧)『杜の都に○○』って。『もり』っていう字が・・・
〜(略)〜
(大山顕)あれ、ポエムじゃないですか。どう考えても。なにを言ってるんだ?みたいな。あれが面白いなと思って。膨大な数を集めて。僕、全部ね、分析してるんです。この1年、分析しまくって。
(赤江珠緒)へー!
(大山顕)もうね、僕、マンションポエム評論家ですよ。日本に1人しかいないと思いますけど。
〜(略)〜
赤江珠緒)じゃあ、これいってみましょうか。『FROM 神楽坂 東京を掌るすべての時は、ここからはじまる。』
(大山顕)いいねー!僕、プロのアナウンサーさんにこれ、しっとりと読んでもらうのが夢だったんです。
〜(略)〜
(大山顕)『時を刻む』。そう。でね、マンションポエムで頻繁に言われる表現、言い回しが、さっきおっしゃったみたいに『もり』は『森』じゃなくて『杜』。『とき』はね、『刻』っていう方で。『家』っていう字は絶対に使わなくて、『邸』で『いえ』って読ませる。
〜(略)〜
(大山顕)なんでか、『。』をつけたがるんですよね。あとね、歴史と緑が織りなしがち。
(赤江・瀧)(笑)
(大山顕)心地よい風が吹きがち。
(ピエール瀧)悠久の、みたいな。
(大山顕)そうそう!
(ピエール瀧)悠久の時を刻む、とか。
(大山顕)悠久の時をこの丘に刻む。そうそうそう。あとね、多くの文化人が愛しがち。
もう、すべて紹介したくなっちゃって話が進まない。
それに先立ち、安住紳一郎の番組にも出演していたようだ。
http://miyearnzzlabo.com/archives/21761
(安住紳一郎)これは、広告代理店のコピーライターがやっぱり書くんでしょうかね?
(大山顕)おそらく、これ、かなり高額商品なので。結構レベルの高いコピーライターさんに任されていると思うんですけども。
(安住紳一郎)結構じゃあコピーライターさんの本領発揮なんですね。ああ、でもたしかに地域によってね、書き方、変わってきますよね。ただ、なんかそこはかとなく、笑っちゃう感じっていうのがありますね。
(大山顕)そうなんですよね。じっくり誰も読まないので。まあ、そんなもんかな?っていう。目を通りすぎていくみたいな。じっくり読むと、なにを言ってるんだろう?っていう(笑)。
紹介はふたつでいいだろう。「マンションポエム」で検索して、皆さんも面白い記事をいろいろ探してください。
才人、「ひとり路上観察学会」大山顕
で、この人、大山顕さんが、ちょっと残念ながらウィキペディアが充実しておらず、こっちを見てもおもしろくない。
wikipedia:大山顕
公式サイトのほうが充実している
http://www.ohyamaken.com/
ラジオで語られた中で面白いのは
「携帯電話や自動車の色の名前がヘンに気合が入っている」
という話。(上記youtubeの6分ごろから)世界的傾向だそうだ(笑)。
また、別のところで語られていたのが、「ともぐいキャラ」の話。これは本になっている。
とんかつ屋さんの看板でブタが笑って「おいしいよ」。おかしくも物悲しい「共食いキャラ」を大研究。日本ピクトさん学会会長(『ピクトさんの本』)との対談「ピクトさんVS共食いキャラ」も収録。
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著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
大山/顕
1972年生まれ。『工場萌え』『高架下建築』『ジャンクション』『団地の見究』など、“ドボク系”著作物や関連ウェブサイト運営、イベント開催などを行ってきたが、「共食いキャラ研究家」としてデビュー。ニフティの「デイリーポータルZ」での連載のほか、NHK‐BS『熱中時間』のレギュラーも勤める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
「ともぐいキャラ」に関しては先行して呉智英氏が「松沢大学の芦原教授」との対談において(笑)、芦原教授が高く評価していたことを紹介しているが、それを発展研究させたものだと考えていい。
自分も大好きだ。
田河水泡も、自分の作品世界に豚を擬人化して出しているのに、しょっちゅうとんかつネタや豚饅頭(ぶたまんぢう)ネタを書いているあるな。
「新概念」「新語」を考える人は偉い!!路上観察学会の精神は消えず!!
アマチュア…とはいえないな、この人はもはやプロだ。しかしなんのプロやらわからないからやっぱりアマだ(笑)
いや、これは以前から言っているけど、数学や物理学で素人が、一般の人が社会に残るような功績を挙げるのはむつかしい。
だが、社会を観察して、そこに発生している現象に「新語」「新概念」を与えるという試みは、実際に毎年のように発生しているし、ここでは一般の人が歴史に、社会に爪あとを残すチャンスが大いにあるのである。
大山顕氏の、天才というべき才能はまったく疑う余地はないが、それにしても、博士号とかなんとか、そういう専門的資格があるでもない。
それでもこれだけ、社会にインパクトを与えるのは、その才能を発揮する分野が「新語」「新概念」だからだ、という面もあるのです。たぶん
「工場萌え」なんて一大ジャンルになりあがったし。

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みなさんも、何か新語や新概念を思いついたらご一報ください。面白いものは不肖見えない道場本舗、全力で応援いたします。
「路上観察学会」の魂。
私は赤瀬川氏を「路上観察学会の人」という側面でしか知らないので、追悼の時もそれ一色だった。
赤瀬川原平氏は「遊びの達人」だったと思う。「路上観察学会」成立話が面白かった(これも読売「時代の証言者」) - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20141028/p5
アート面では、いろんな前衛的な功績があるんだろうが、ごく一部の好事家の遊びだった、辞書の語釈へのツッコミを「新解さんの謎」としてはやらせたり、街で改造などにより残った意味の無い物体を「路上芸術トマソン」と称したり……、世界を見方一つで面白くする法を教えてくれた人だった。
posted at 03:31:02

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思えば「路上観察学会」は着眼点も面白いし、またさらにいえばそれを「擬似学問」の体裁をまとうことでさらに面白くなるし、またそこから本当の学問になっていくものもある…というようなことをさきがけでやっていたという気がする。
その前には「全日本冷やし中華」なんたらとかもあったり、そもそもシャーロキアンの長い伝統もあったりで、それが歴史的に元祖だと主張する気もないけど、非常に一般化するのには貢献したと思う。
そもそも夏目房之介氏やとり・みき氏など、路上観察の周縁?にいるような人から「こんな面白くもしょーもないことしてる人がいる」という紹介や、とり・みき氏の「オジギビト研究」から逆流して路上観察学会や「トマソン」を知ったのだった。

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