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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

そういえば原油価格高騰時「価格はこのまま高止まりが続く。下がることは構造上ない」とか言ってた人いなかったっけ?

上の池内フェイスブック
https://www.facebook.com/satoshi.ikeuchi/posts/10204122977233725
の部分をもう少し詳しく。

気に入ったフレーズ。
【あらためて肝に銘じよう。経済予測でもっとも当たるのは人口動態で、もっとも外れるのは石油価格である。】
はい、肝に銘じます。
【資源の専門家たちは、これまでずっと楽観的であった。「いったん下がってもまた元に戻る」「生産コストからいって80ドル以下はありえない」といった強気論をよく聞いたものだ。「掘削リグがこれだけ減ったからもう大丈夫」という説明も何度も耳にした。ところがいかんせん需要が弱く…(略)強気論者はほぼ絶滅危惧種になりつつある。】
2014年の6月にイラクとシリアで「イスラーム国」が支配領域を急拡大させた時、金融関係の講演などにいくつか呼ばれたのだけれども、その際に「地政学的リスクが高まっているので、原油価格は上がりますか?上がる理由は?」と聞かれた。
中東研究業界というのは「中東に大変なことが起きているから原油価格が上がるぞ、日本に来なくなるぞ」と騒いで脅して研究費やポストを分捕るということを長年やってきたので、またそういう人が来たと思われたのか…(略)
原油価格の仕組みは分からないが、『アラブの春』以来の教訓は、どんな状態でも原油は世界市場に出るということ(略)」
…「イスラーム国」だろうが民兵集団だろうが、原油があったらさっさと売るのである。原油を飲むわけにはいかない。保存する場所もない。操業を停止すれば油井は荒れる……だからこれまで通り操業させて市場に出す。
(略)
むしろ、原油価格が上がる政治的状況を考えるならば、中東が大帝国の下で安定化したら原油の世界市場のシェアの大半を抑えて値段を釣り上げることが可能…(略)そこから、中東諸国でまた一つのタイプの陰謀論が出てくる。欧米・ユダヤ資本はアラブの春で混乱させて分断させて原油を安く買い叩こうとしているのダ!と…(略)信じちゃいけませんが・・・(略)陰謀論に価値があるとしたら、そのまま信じるのではなく、なぜそのようなことを言い出す人が出てくるのかを考える…


まあ、当時、「原油価格は構造的にこれぐらいの高値水準になって当然なのだ、これが前提だ」と言ってた人がとんだ無知無能、ペテン師なのかといえば、それは当たらないだろう。それほどに、こういう経済的な予測は難しい、ということだし、競馬競輪と同じで、「もし本当にこういうのを当てる専門家がいるのなら、そもそも著述業者ではなくて投資家になっている」のである。
あした突然、原油は再び値上がりするかもしれない。


ただ、それをわきまえた上で「Aさん、原油価格はこの高値水準がずっと続くといってましたなあニヤニヤ」もしていいと思う(笑)