※はじめ、タイトルおよび本文中で、登場する辻芳樹氏本人と、父親辻静雄氏を混同していました。ブクマで指摘を受け修整しました、すいません
英国一家、日本を食べる (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)
- 作者: マイケル・ブース,寺西のぶ子
- 出版社/メーカー: 亜紀書房
- 発売日: 2013/04/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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という本はベストセラーになり、たしかNHKでミニドラマだかミニアニメになったんだっけ。
読んでみたけど、なかなか肩のこらない面白い本でした、というぐらいで、特に印象的な発見とか新知見があったわけではない。そりゃ、イギリスに日本の料理を知らせるというコンセプトなのだから、日本人読者には既知の話が出てきてもしょうがないだろう。
あと、京都でゲイの日本人に迫られる場面、ポリティカルコレクト的には大丈夫なんすかねえとちょっと心配する描写ではありました。
ただ、もっとポリコレ的に大丈夫かいな、という話が別にあって。
日本の食は「東の服部、西の辻」という2大料理学校によって勢力圏が二分され、覇権を競っているんだそうだ。そしてどちらも創設者から、後をついだ二代目、息子の代になっている。なにその劇画的シチュエーションは(笑)
それはいいんだが、その現在の、関西の味の覇王2世・辻芳樹は、筆者の取材に対してまったく非の打ち所のない英語で答える。
辻と筆者は夕食を一流の店でともにし、その後は高級クラブで杯をかわす。
夜が更けるにつれて、プライベートなことに話が及んだ。僕は辻氏に、どこでそんな非の打ち所のない英語を身につけたのかと訊いてみた。父上の方針で、12歳でイギリスの寄宿学校、フェテス・カレッジに入学させられたらしい。トニー・ブレアの母校だ。それは苦労したに違いない。
「ええ、まあ、学内でただひとりのアジア人でしたから」彼はそう答えた。
それを聞いて僕は、辻静雄ほど、食に関して繊細で磨き上げられた感覚を持つ人がよくも息子をスコットランドへ行かせたものだと感心した。
「今だからいいますが」と辻氏は笑って言った。
「味覚が戻るのに10年かかりましたよ!」
著者は、英国はサセックスうまれ。
証言者が実際に体験した事実談(を記したのだ)から許容されるのか、
悪質なステレオタイプなのか、
はたまたヘイトスピーチなのかは、当方の関知するところではない。
- 作者: 日丸屋秀和
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2015/02/04
- メディア: コミック
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