【トンガ噴火お見舞】INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

時代の証言。「80年代半ば、ファンタジーと名乗ると出版社から『売れませんよ』と言われた」(田中芳樹氏、アルスラーン戦記を振り返って)


アルスラーン戦記が、角川のほうから(その後、版元は移籍した)出ていた2000年に出版された、解説本に田中氏のインタビューがあった。
これは積ん読状態だったので、ぱらぱらとインタビューだけ読んでみて、面白かったところを抜きだす。
私が興味をひかれたのは例によって
創作やジャンルに関する歴史、系譜の話だ。

アルスラーン戦記読本 (角川文庫)

アルスラーン戦記読本 (角川文庫)

(この前に「カタカナの題名では読者がついてこないと言われて『王都炎上』がメインタイトル、『アルスラーン戦記』が従になった」という話をしている)
――たった13年前のことなんですね。ついこの間のことでは…(遠い目)。現在では「カタカナのタイトルの異世界ファンタジーが、文庫書き下ろしスタイルで出る」ということに、誰も疑問を持たないでしょうね。
 
田中芳樹氏  あ、それそれ! その「ファンタジー」という名称からしてですよ。「田中さんのこの作品は、ジャンルとしては何になるんでしょうね」と聞かれたから「まあ、ヒロイック・ファンタジーですかね」と言ったら「ファンタジーとつけると売れないんですよぉ」って。
 
―ーえええっ!!…(呆然)

その後、田中氏が「ファンタジア大賞」の審査委員を7年やっている間に、応募作品のSF:ファンタジーの割合が5:5からどんどんファンタジーの割合が増え、さらにファンタジー内で細分化した、という話と、角川がグループを挙げてファンタジー業界を独占しようとした…という話を書いている。


自分もファンタジーを80年代半ばには、「アルスラーン戦記」と「ロードス島」を…いや、ロードスは90年代に読んだんだっけかな。

どっちにしても、ファンタジーと銘打つと売れないですねえ、とかは実感はない。
パラサイト・イヴ」がSFと銘打つと売れないという判断から「SF」が宣伝文句から避けられた、という話はまた90年代後半ぐらいの話か……


なんにせよ、2000年のインタビューで、1986年にはファンタジーと銘打とうとすると出版社のほうがびびってたじろいだ、と話すと、聞き手は「えええっ??」と驚愕した・・・という話も含めて、貴重な歴史証言だろう。