人質・捕虜が、(悪)知恵、品位、優しさで監禁側を感化し、そのボスに…というパターンは何が元祖?【創作系譜論】 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150622/p2
ブクマ、twitter、コメント欄、人力検索はてな…に寄せられた情報を、上の記事の下部分に表をつくり一覧にしました。ありがとうございます。
で、ほぼこれで間違いない…というのは、前史としての逸話や実話はともかくとして、近代的なストーリーとして「本当はおとなしくしてるはずの人質がいつしか立場を逆転させ、誘拐した側がその人質に振り回される」というお馴染みのパターンは、結局のところオー・ヘンリーの「赤い酋長の身代金」を起源としていいだろう、ということです
(これより前に遡れたらご教示を)
赤い酋長の身代金 (オー・ヘンリーショートストーリーセレクション 8)
- 作者:オー ヘンリー
- 発売日: 2008/03/01
- メディア: 単行本
自分は一応、彼の作品を「全部」読んだはずなんだが…(少なくとも新潮文庫では)、たぶん記憶がさび付いたんだな。まだ実家にあるはずだが、見つかる場合は、再読してみるのもいいかもしれないな。数としては300作は行かないから、星新一の三分の一か四分の一ぐらいだ(笑)
…とすると、オー・ヘンリーを起源とする「お話のお約束」はあまりにもたくさんありまくる。
てか、オー・ヘンリーの作品を読んだとき「あ、これドラマでみたわー」「漫画でやってたわー」っていうのがありまくるんだよ。
・気弱になった病人が、何かを自分の運命と同一視しているので、はげますためにその「何か」のために奮闘する
・X年後に再開を約束していた2人。だが一人は○○、もう一人は□□の対立する立場に…
・リゾート地で、平凡な大衆が貯金をはたいて「お金持ち」のふりをする。しかしそこで出逢った相手は…
・元犯罪者が、そのスキルを使えば人助けをできる。だがそれをしたら、分かる人には前科がばれてしまう…
ま、これだって元ネタがあるものはあるだろうし(たとえば最後の例、ヘンリーは金庫破りでそれをやったが、元は起重機のジャンが馬車の転倒事故から人を助けた「レ・ミゼラブル」かもしれない)、そうやって創作系譜論=イタダキシルクロードは続いていくのだろうけど、それにしてもオー・ヘンリーへのリスペクトはあらためてしておきたい。
彼の著作権が、TPP発行前の今で切れていてよかったよ(笑)。
残念ながら天下の青空文庫も、翻訳となるとやる人は少ないので、まだ四本に留まっている。
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person97.html
だれか残りの翻訳、やってみないか??天下に不朽の名誉が打ち立てられるぞ!!!