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飯間浩明
@IIMA_Hiroaki
国語辞典編纂者。『三省堂国語辞典』編集委員。1967年香川県高松市生まれ。 【新刊】『不採用語辞典』 http://amzn.to/1yTTYR2 。NHK Eテレ「使える!伝わる にほんご」講師。同Eテレ「ことばドリル」監修(書き文字と作詞も)。
たとえば…
飯間浩明 @IIMA_Hiroaki · 7時間 7時間前
小3の娘が外出時に「ビフテキを食べたい」と言うので、「どこでそんなことばを覚えてきたか」と驚きました。聞けば『あさりちゃん』第1巻とのことで、納得。今の若い人で「ビフテキ」と言う人は少ないでしょう。どのあたりから「ステーキ」に移行したのでしょうか。
飯間浩明
@IIMA_Hiroaki
室山まゆみ『あさりちゃん』第1巻(連載1978〜、単行本1980)を読むと、「ビフテキ」以外にもいろいろと当時のことばが拾われて興味深いです。現代語研究のために100巻を大人買いしましょうか? いえ、調査の暇はなさそうです。
子どもの頃、辞書に載ってなくて驚いたことばは「スクリーントーン」でした。「えっ、みんな使うでしょう?」と不思議だったけれど、それは私が漫画を描く少年だったためもあります。『三省堂国語辞典』の最新版でこの項目を立て、長年の不満にピリオドを打ちました。辞書にあっていいことばでしょう
昔、辞書で「アイドル」を引くと「偶像」としか載っていなくて違和感がありました。現在の『三省堂国語辞典』では改善されています。「アイドル」をどう説明するかは、その辞書が現代的かどうかを測る指標のひとつとなるでしょう。
菅官房長官が「工事を粛々と進める」と述べたのに対し、翁長沖縄県知事は「上から目線の『粛々』に県民の心は離れる」と反発。現代語の「粛々」には、官僚的で冷たい意味があることは、もっと注意されていい。『三国』では意味区分を2つ設けています
3日の谷垣氏の「バカだチョンだ」発言。ここでの「ちょん」は本来「ばか」の意味だったのは本当です。しかし不幸なことに、後に朝鮮人を侮蔑した同音語が生まれた。侮蔑語と同音になっては活躍の場はない。現在は不本意ながら人目を避けて暮らしている、そんなことばです。そっと見守ってやりたい。
昨日の「昔の漫画になかった表記法」とは、ご推察どおり「〜よ?」の部分です。「〜よ」「〜ぞ」は知らせ・念押しの意なので、疑問符「?」はつきにくいはず。でも、たとえば「間違いですよ?」は「間違いですよ。分かってます?」と、付加疑問的な意味で使っているのでしょう。
手元の資料から「〜よ?」をあさると、すでに新井素子『結婚物語』(小説、1986)に〈だっておまえの気持ちだよ? 自分の気持ちは自分の方が他人よりよく判るだろうが〉〈どうして? みんな平仮名ですよ?〉の例があります。今の「〜よ?」と同じか、どの程度普及していたかなど、なお謎です。
辞書編纂者の人が語るツイートなので、テーマがあまりにも多種多様すぎて、togetterにややまとめにくい(笑)。テーマに統一性を持たせろ…と俺がいうかね(笑)
広く知ってほしいので引用しました。
間もなく新書が出るとか。
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こんな既刊もありました。

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