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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

【悲報】北岡伸一氏がTBS金平茂紀氏のインタビューに答えたら容赦なさすぎて、ひいた。無編集だとこうなるのか…。

【全文革命】
ほぼ1年前の文章だけど、たまたま何かで検索して見つけたコンテンツ。あまりにも評判にならずひっそりしているが、ネット上、すくなくともはてな上で「北岡伸一」が最近知名度を大幅アップさせている。。
 
100以上ついた、北岡伸一氏関係のブクマ
http://b.hatena.ne.jp/entry/www3.nhk.or.jp/news/html/20150309/k10010009591000.html
http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/gryphon/20130923/p2


だから今、紹介したほうが読者の興味を惹くだろう。

北岡伸一・安保法制懇(「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」)座長代理 インタビュー全文(2014年4月30日15:30収録)(2014年5月3日放送)

http://www.tbs.co.jp/houtoku/plus/20140503_1_1.html

しかし、あかんわ・・・完全に途中から北岡氏が金平さんを圧倒して、というかもはや「ゼミ生に教える」モードになってる。ノー編集だとこうなるのか…。
専門家vs専門家でやるべきで、専門家vsキャスターじゃちょっと無理。というのが小生の感想です。
表題にも書いたが、ゼミ生を追い込むように金平氏を追い込むさまが、ちょっと引いた。 これこそ、言葉の正しい意味で「アカデミック・ハラスメント」なんじゃないか?(誤用です)

金平キャスター
私も、憲法や現実的な国際紛争など、報道の仕事を通じて体験してきた立場から申し上げると、集団的自衛権という言葉が、これだけにわかに脚光を浴びたのは最近のことですよね。
北岡氏
そうです。
金平キャスター
例えば、報告書にどういう形で登場するかわかりませんが、例えば砂川事件最高裁判決の時、一審からいろいろありましたけど、その頃、一般的市民の間で、集団的自衛権というのが、意識されたり、論議の対象となったことは無かったですよね?
北岡氏
ありません。
金平キャスター
無かったですよね。ということはつまり、にわかに脚光を浴びてきた・・・。
北岡氏
いや、それは違いますよ。個別は良いけど集団はだめという観念も無かったですよ。

 

金平キャスター
憲法九条の条文との関係で、これはまあ、割りとフラットに読みますよね、その関係で、海外での武力行使は、なかなかどうひっくりかえしても出てこないんじゃないかという意見がありますよね? 北岡さんはどうお考えになりますか?
北岡氏
私はそう思いません。あなたの説明自身に既にバイアスが入っているんですよ。
金平キャスター
バイアスは入ってないですよ。
北岡氏
いや。
金平キャスター
フラットに読めば、こういうことだという意見の人もいますけども、北岡さんはどう思いますかと。僕の意見を言っているのではないですよ。
北岡氏
バイアスが入っているといったのは、武力行使という言葉が使われたところにバイアスが入っているんですよ。
金平キャスター
私にバイアスがかかっているんじゃなくて、それを持ち出した人の意見にバイアスがかかっていると?
北岡氏
そう言っても良いですよ。一般的な質問として言われたからね。武力行使というのは、9条1項に入っているんですよ、武力行使というのは、日本が関わった紛争において、武力を行使することでこれを解決するのはいけませんよ、というのが9条1項なんですよね。(後略)

 

北岡氏
(中略)反対のかたというのは、集団的自衛権の行使を一切どんな状況にも要らないという、そういうかたの対立なんですよね。一切ゼロであるべきかという議論か、ひょっとして必要かもしれないから、それは可能なようにしておこうという対立なんですよね。
金平キャスター
極端に言うとそうですが。
北岡氏
いや極端ではない。
金平キャスター
現行の個別的自衛権の行使、あるいは警察権の行使で、今言われているような事態は、対処可能ではないかと、そういうような考え方の人もいますね?
北岡氏
それは全く違います。なぜならさっきいったように、今のPKO法で何故隣にいる部隊が襲われたときに助けに行けないか。あるいは南スーダンでいえばJICAの職員がもし襲われたときに、今の自衛隊は助けに行けないんですよ。

何故そうかと突き詰めると、何度もその議論を今まで外務省あるいは推進派の(方々)、民主党(政権)の時もやろうとしたし、自民(党政権)の時もやろうとしたんですけど、議論して、(内閣)法制局との議論で、躓いてできていないんですよね。(後略)

金平キャスター
海外へ自衛隊が出て行って、PKO活動あるいは日本が密接に関係を有している国が何らかの武力紛争に巻込まれた場合の行動があった場合、最悪の事態みたいなものを想定しないといけないですね?
北岡氏
最悪の事態ってなんですか?
金平キャスター
いや例えば、自衛隊員に死者が出るとか、血を流すみたいなことがあり得ますよね。少なくとも日本の戦後の歴史の中で、これまでの歴史の中で自衛隊が海外へ出かけていって血を流したり、相手を殺傷したりということはないですよね。そういう意味では質的に物凄く変わるんじゃないですか?
北岡氏
これはですね、勿論そういうことはあって欲しくないし、ないようにできるだけの努力はすべきですよ、だけども今の法制度でもありえないことはないですよ。今のPKOでもあり得る話ですね。
金平キャスター
しかし今までなかったことが、これによってなお可能性が増すという、もっと大きくなるということはありませんか?
北岡氏
それはどうでしょうか。それはそうかもしれないし、そうでないかもしれません。というのはですね、"何々の恐れ"ということを皆さんよくいうんだけれど、"恐れ"の中には、"不作為の恐れ"というものもあるんですよね。

今の例えばPKOに限って言えば、南スーダンで絶対、死者を出さないようにしようと思えば、これは引き上げるのが一番でしょう。するとそこで、結果的に、かつてのルワンダの虐殺のようなことがあっていいのかということを、日本が"不作為"によって引き起こされる。日本人の自衛隊はセーフだったけども、そこでより多くの現地の人が傷ついたり怪我したり死んだりしたということが起こっていのかと。両方考えなくちゃいけないということでしょうね。(中略)

 

金平キャスター
そんなこと言っている訳じゃないんです。
北岡氏
じゃあ何ですか?
金平キャスター
ですからつまり、兵を出さないということによって、築かれたものの重みというのはあるんじゃないでしょうか、ということを申し上げているんです。
北岡氏
いや日本のPKO参加はとても評価されていますよ、世界では。
金平キャスター
PKO参加自体について、私は是非を言おうなんていうことは全く考えていませんし、PKOについての評価は、ご承知のようにそれは、例えばカンボジアとか、ああいうところでの活動があったから、実は今カンボジア民主化されてとか、そういうことをおっしゃる方がいるということは勿論存じ上げていますけどね。
北岡氏
知っているだけで評価はしないわけですね、あなたは?
金平キャスター
いや、そんなことはないですよ。
北岡氏
評価しているとすれば、はっきりそう言って下さい。

 

金平キャスター
友人の新聞記者から言われてきたのは、(インタビューで)北岡さんが"憲法は最高規範ではなく上位に道徳律や自然法があって、憲法だけでは何もできない。その意味では憲法学は不要だという議論もある"とおっしゃったと。この趣旨は正しいんですか?
北岡氏
それは東京新聞の悪意に満ちた歪曲ですね。テープを聴いたらかなり歪曲だということがわかりますよ。そう言ったのはですね、憲法は国内における最高規範ですよ。書かれたものとしてね。でも例えば憲法に、大日本帝国憲法というのを見てみましょう。そこにいろんな制約もあるしね。あるいは憲法に、色んな国に国教は何々教だと書いてあると、仮に日本国憲法職業選択の自由を認めないと書いてあっても私はそれを認めないと。人間はそれぞれの道徳的規範で根源的によって立つべきものであって、憲法に書いてあることにすべて一から十まで服従するというのは、原理的に成り立たない。そういう意味なんですよね。法哲学的議論ですよ。

第二にですね、憲法だけじゃ何もできない、というのは要するに、憲法の下に行政法があってね、それでできる訳でね。例えば明治国家というのは明治元年にできてからですね、憲法ができたのは20年(後)くらいですよ。憲法ができるまで、じゃあちゃんととした行政してなかったのかというと、一応きちんとやっているんですね。だから憲法がなくても、まあまあ行政はできることもあると。ですから行政法優位説というのはあるんですよ。だからそういう意見の人もいると。私の意見だとは言ってないでしょ。だからそれは、あたかも私の意見であるかのような、また前後の文脈を取り除いて、私は憲法を軽視しろといっているような、非常に悪意に満ちた表現で。

私は憲法は大変重要だと思うから、これを守って生かしていくためには、憲法の中の最も重要なのは、憲法の中でも重要性の論点があると思うんですよ。私は国家国民の安全だと思いますよ。安全無しには、基本的人権も幸福追求権もありませんよ。だからそれを守るために、国の安全をどう考えるか、これはやっぱり最上のルールの一つだと思うんですよね。その安全保障の条件は、時代によって凄く変わるんですよ。

そのために、如何に今の状況で安全を守れるか、安全を守るために防衛力を高める、それは当然副作用もあるわけですよ。副作用に配慮しつつ、今の時点ではどうやって安全を守るかということを真剣に考える必要があるんで、それは憲法も大事、国際法も大事、それから軍事バランスも大事、そういうことを全て総合的に考えましょうよと。憲法だけをひたすら考えることから、直ちに平和が生まれるというのは、それはちょっと論理の飛躍じゃでないですか、ということを考えている訳ですよね。

個人的には「やめたげて」という感想だが、違う評価のかたもおられるだろう。
だが、興味深いインタビューであることは間違いないでしょ?
さあ、はてなユーザーはレッツブクマ↓
http://www.tbs.co.jp/houtoku/plus/20140503_1_1.html

しかし、そもそも「議論の勝ち負け」を問題にする必要はないので、これはインタビューなのだから、北岡氏の考えを非常に分かりやすく、面白く読者、視聴者に提示したという点では、金平氏が最初から最後まで大勝利であった、と見ることもできます。そういう点では盛大な拍手を送りたい。

【全文革命】そもそも無編集の全文を載せたTBSがエライ!!それとも北岡氏の要求?条件?

番組の看板キャスター金平氏が、インタビュー相手とのやりとりでああいう状態にも関わらず、全文をコンテンツとして紹介したTBSの姿勢が立派なのだと思う。
それとも、北岡伸一氏からこういう要求、条件があったのだろうか?そういうことも考えられる。

そこから発展して…

【全文革命】対立的なインタビューが予想される時、相手側から「インタビューを受ける条件として、番組(新聞、雑誌)の公式サイトでは全文のやりとりを掲載してほしい」と要求する手法が出てくるかもしれない。

※注釈

(全文革命とは…http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20141225/p1 参照)

テレビ番組も新聞雑誌も、放送時間や掲載面のスペースが限られているのだから、「全部を載せろ」はむり、ムチャな要求。拒否しても合理的な判断であり、要求するほうが無理難題を言っていると思われるだけだろう。だが「公式サイトを使ってそこに載せろ」なら、これは物理的に可能。拒否するほうが「都合のいい編集をテレビ(紙面)でしてるのか?」「全部を載せると相手のほうに説得力があるんじゃないか?」となるだろう。

もちろん、これは被取材者の知力や事実のゆるぎなさに掛かっているのであって、全部のやり取りを見られたらもっと被取材者のほうに不利になるかもしれないわけだ(笑)。だからそんなに広まるかどうかは分からないが・・・「オプション」のひとつになったとは言えるかもしれない。


これは以前からもあった話で、わたしの記憶する限りでは本多勝一氏が、取材を受けた時などにすごく膨大な量の回答を送りつけ、「これを全部載せるならOK、一部だけなら拒否」とやったことがあった(笑)。たしか「噂の真相」や「創」の関係者も、それにうんざりした、と書いてたかな…ちょっとあいまいだが、そんな例を記憶している。

以前、すこし書いていたよ。

岡田斗司夫が「雑誌に載ったインタビュー、実際に喋った文章はこうだよ」とUP。今後のトレンドか?【全文革命】 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100814/p3

今後の予想。将来は「喧嘩系インタビュー」を受けた側の自衛策に?

実は将来予想として、インタビューの中でも和気藹々のものではなく、社会問題などで、対立者や批判的メディアから受けたインタビューに関して、こういう形式が出るのではないかと予想しています。
政治家なんか特に「一部だけ切り取られた!全体を聞いてくれれば分かるのに」とか「XXXに対し僕がこういった場面はカットされた」とかの不満を述べる。
そういうとき、本当に「全体を聞けば分かる」と思ってる人は、そういう公開をするかもしれない。録音機器も録画機器も、個人で持てる今の技術革命も後押しする。
案外、先回りして新聞掲載前日にブログにUPされたりして。
でも、そういうときの「インタビューの著作権」「了承権」なんてのはどうなるんだろう?(今回の岡田氏のUPは聞き手側の了承もあるようですが)


※のちに「全文革命」についてのまとめを作りました。ここで過不足なく説明できていると思います
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20141225/p1