ひとつ上の記事http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150224/p2の末尾で紹介した、渥美清の俳句だが、寅さんを演じた渥美清は俳号「風天」としてさまざま句を作り、句会にも参加していた。
乱歩読む窓のガラスに蝸牛
お遍路が一列に行く虹の中
好きだから強くぶつけた雪合戦
ゆうべの台風どこに居たちょうちょ
村の子がくれた林檎ひとつ旅いそぐ
赤とんぼじっとしたま明日どうする
ひばり突き刺さるように麦の中
小春日や柴又までの渡し舟俳句が趣味だった渥美清の作品を集め、句作に関する思い出を多くの人に聞いた一冊。全俳句と、その句を作ったころに公開された「男はつらいよ」シリーズの写真も掲載。渥美清の作なのか、「寅さん」の作なのか、読者を惑わせながら、俳号の「風天」そのままに、ノスタルジックで少しさびしい世界へといざなう名句の数々です。
- 作者: 森英介
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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検索すると、この記事は非常に詳しくまとまっていますね。俳句もたくさん収録されている。
http://www.kanda-zatsugaku.com/081003/1003.html
渥美さんが生前、「密かに」俳句作りを楽しんでいたことが初めて世間の人々に知れたのは、亡くなった直後のことでした。晩年、参加していた朝日新聞の週刊誌「アエラ」句会のメンバーが『アエラ』や『俳句朝日』誌上で追悼特集を組み、渥美さんの詠んだ45の俳句を公表…(略)
もう一つは、山田洋次監督の話。
渥美さんが俳句をやっていたことをほとんどの人が知らなかった松竹の関係者の中で、山田監督だけは、それを早くから知っていた。さすがでね。山田監督は撮影の合間、次の物語の構想についてよく話し込んだ渥美清に、あるとき、寅さんが旅先で山頭火みたいな放浪のお坊さんと一緒になったらどうなるかな、と言ったことがあります。寅さんはそのみすぼらしいお坊さんを哀れがって、なけなしの金をはたいてご馳走したりするが、旅を続けるうちに坊さんが自分の句を披露する。寅さんが「そんなのダメだよ」と言ってけなすと、坊さんは「じゃあどんなのがいいんだ」と聞き返すと寅はその場で思いつきを口にする。実はそのお坊さんは、俳句の大家なんだけれども、寅さんの句に感心して「あんた俳人になれるよ」と言う。
「そんなときに寅が口ずさむ句はどんな句かな?」と山田監督が聞くと渥美清は…(後略)
で、この句をyoutubeで映像、音声として公開したいと思ったのだが、既に先行作品があった。
自分が作るなら、人工音声ソフトで朗読も、と思ったのだが、それは後日作るかもしれないが、まずは敬意を表してこちらを紹介させてもらう。
きのう「サラリーマン川柳」も発表されたのか
http://www.sankei.com/life/news/150224/lif1502240009-n1.html
「レジェンドと 呼ばれる事なく 定年に」。「帰り道 スマホと私 電池切れ」と疲れは抜けず、ディズニーのアニメ映画「アナと雪の女王」の大ヒットにかけて「アナとユキ わたしゃ胃にアナ 医者にユキ」と嘆く。「シニアだが リニア乗るまで 生きてやる」