「不祥事根絶を託された全日本柔道連盟(全柔連)の宗岡正二会長(68)が21日で就任から1年を迎える。」ということで、インタビュー記事が掲載されておりました。
いろいろ大変だろうけど、それとは別に、ああこれを言うようになったんだな、という部分をメモ。
http://mainichi.jp/shimen/news/20140816ddm035050023000c.html
−−各種大会のあいさつでは、敗者への配慮としてガッツポーズを控えることを求めてきた。◆フランスなど欧州で日本柔道が高く評価されるのは、教育的側面にある。格闘技として、ただ強ければいいのではなく、礼儀作法や品位、知力が備わるから、子供を道場に通わせたいと思われる。
−−とはいえ、現場は結果も求められる。◆確かに勝つことは大事だが、(礼節や品位を重んじる)その延長線上に強さはあるのだと思う。強さが先にあるのではない。
−−国内の柔道人口が減っている。昨年度の全柔連の会員登録人数は17万人を割り、過去最少だった。◆裾野が広ければ、山の頂も高い。少子化といえども、減少に歯止めをかけるためには、柔道が安全な競技であることを示していくことが重要だ。7月には「全国柔道事故被害者の会」と(初の)協議会も開いた。
以前から言われてたといえば言われてた気がする。アントン・ヘーシンクの東京五輪でも振る舞いなんかが逸話、伝説とされていて…
http://imogayu.blogspot.jp/2008/08/blog-post_3673.html
…アントン氏が金メダルを取ったということより、決勝に勝った後の彼の取った行為に賞賛の気持ちを感じずにはいられません。アントン氏が決勝に勝った瞬間、彼の故国のオランダの関係者は喜びのあまりに彼に抱きつこうと駆け寄ってきたのですが、アントン氏は「礼に始まり礼に終わる」、柔道の敗者を辱めず純粋に技を競い合う精神からその関係者たちを制止して試合場に上がらせず、喜ぶようなそぶりは一切見せずに試合場を後にしたそうです。
というか、日本においてこの「勝利しても喜びは体で表現せず、勝っておごらず負けて乱れず。特に勝者は敗者に礼を尽くす意味で喜びを示さない、ガッツポーズはしない」…というのは、今でも日本スポーツ界のすべての理想になってるっぽいな??
そうだそうだ、たぶん日本のスポーツ界では、まだどこもこう考えているはずだ。
「本当は、ガッツポーズなんかせず、礼に始まり礼に終わる”木鶏”が理想なんだけどねー。だけど、勝てばうれしいのは自然の感情の発露なんだから、ガッツポーズぐらいはしょうがない」
たぶん、みなこうなんだよね。
ただ、柔道界は理事長から公式の伝達として「ガッツポーズは控えよ」と言われるようになったと。
たしか今、本当にルール、規定で定めたもの+えらいさんの提言的なもので言うようになっているのは
剣道・相撲・高校野球(?)だったかな…。
ああ、「ガッツポーズ」ウィキペディアに項目があった。
尚、一部の武道、スポーツではガッツポーズが問題視されることがある。
剣道
一本を取った後でガッツポーズをした場合、全日本剣道連盟の試合審判細則第24条で不適切な行為と規定している「打突後、必要以上の余勢や有効を誇示」と判断されて、同細則第27条により一本が取り消されることもある。2004年8月11日放送された「トリビアの泉 〜素晴らしきムダ知識〜」ではガッツポーズをしたために一本が取り消しになった実際の剣道の試合が紹介された。残心が終わり、競技が終了した後はこの限りではない。
相撲
2009年1月場所千秋楽の優勝決定戦で白鵬に勝利して復活優勝を遂げた横綱朝青龍が勝利直後に土俵上でガッツポーズをした際には、横綱審議委員会などから問題視され、後日に日本相撲協会から所属部屋である高砂部屋親方の高砂親方を通じて厳重注意を受けた。
野球
ホームランを打った後などに、派手なガッツポーズを行ってはいけないとされている(野球の不文律参照)。日本高等学校野球連盟は高校野球は教育の一環との考えから、球児に対してガッツポーズを慎むように指導している
お礼に柔道の例を、ウィキペに追加しておこう。
うち、朝青龍のガッツポーズに関しては「横審の魔女」こと内館牧子氏が色々書いていた。ひそかに「ゴン格」に拠る松原隆一郎氏とのバトルもあったと記憶している(笑)
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こうやって公に、あるいは不文律としてガッツポーズを抑制することを、日本の後進性と感じる人もいて、けっこう議論になってきたなあ。やはり「武道」「道」系の考え方が色濃く残る競技に、この傾向が強いような気はする。
ガッツポーズ、是か非か。オッケー牧場か。
この論争史も、手堅く実証的に調べていけば、学問的な価値が生まれるかもしれないねえ。