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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

「かちあげ」「変化」などは是か、非か−相撲道と格闘技の間にあるもの。

大砂嵐関、今場所はラマダーンと重なっているにも関わらず堂々の戦いぶりで、土俵を面白くしている立役者のひとり。なにしろ金星ふたつだ。
モンゴル帝国は、エジプトを支配していたマムルークに、今のイスラエル北部で破れている。どうもエジプトはモンゴルに強いらしい(笑)。


そんな放言はともかく。
対モンゴルでも、敗れたこの取り組みでは、こんな報道があった。

大嶽親方、大砂嵐の危険なかち上げは禁止
<大相撲名古屋場所>◇8日目◇20日◇愛知県体育館
http://www.nikkansports.com/sports/sumo/news/f-sp-tp3-20140720-1337632.html 
 西前頭3枚目大砂嵐(22)の師匠、大嶽親方(元十両大竜)が、危険なかち上げは禁止させる意向をあらためて示した。
 20日の朝稽古後、8日目の白鵬戦に向け「顔を狙うかち上げは、相撲道に反する。それで勝って、何がうれしいのか。真っ向勝負すればいい。かち上げで上に上がった人間はいませんから」と指摘した。
 今場所の大砂嵐は、相手を狙って右肘をぶつけにいくようなかち上げが続き、大嶽親方もかねて問題視していた。

大砂嵐、惜敗も かち上げず価値上げた
http://www.nikkansports.com/sports/sumo/news/p-sp-tp3-20140721-1337984.html
 
 堂々と勝負した。立ち合いで右を差し、胸を合わせた。横綱十分の右四つがっぷりになったが、簡単には崩れない。腰を振られ下手を離しても、必死にこらえつかみ直した。右腕に力を込め、こん身のすくい投げも仕掛けた。体勢を崩した白鵬が右足だけで踏ん張る場面もあった。

 師匠の教えを守った。稀勢の里戦や前日の豪栄道戦でも見せた顔狙いのかち上げは、相手を傷つける危険もあり大嶽親方(元十両大竜)から叱られていた。「それで勝って、何がうれしいのか。かち上げで、上に上がった人間はいない。あなたの夢は? 横綱になることだろ」。そんな師匠の言葉が効いたか、かち上げるそぶりもなかった。

 大嶽親方は「これが若手らしい堂々とした真っ向勝負」と言った。鶴竜日馬富士を撃破しても静まらなかった怒りが、ようやく収まった。「今日は褒めてあげたい。間違いなく力をつけていることを証明できた。横綱に少しは抵抗もできた」と弟子をたたえる言葉も口にした。

うーーーん……。
「かちあげ」の形がルールの中にそもそも収まっているか、なども問題もあるだろうけど、親方のいうとおりだとして「相撲道」に反する、ものだとしよう。

自分は個人的に、板井のフック張り手からこのかち上げ、またモンゴル相撲的な技などが出ると大喜びする「相撲邪道」的な見方をしているから、それが「相撲道」という名前で、暗黙の了解で封じられているのをこうもあからさまに見せられると
「邪道で何が悪いんじゃーーーーーー。オイ、オイ、オイ、オイ、オイ、まなべぇぇぇ!」的に思うてしまうのですよ。

かち上げ以上に、もっと明白に「ルール違反ではないが、相撲道に反する」と言われるのが、変化に関する言われよう。


ここで、最近読んだ本を紹介する。

『「横審の魔女」と呼ばれて』内館牧子

「横審の魔女」と呼ばれて

「横審の魔女」と呼ばれて

女性初の横綱審議委員として、角界にもの申し続けてきた内館牧子さんが、10年間の任期を終え、朝青龍への苦言、大麻事件での相撲界の体質、貴乃花の秘話など、まだまだ言い足りなかったこと、これまで言えなかったこと、相撲界の内緒話を一気に打ち明ける! 週刊朝日連載で随時掲載した人気コラム「横審リポート」も10年分を一挙再録!

この人の横綱審議委員会時代は「朝青龍時代」とも重なり、なんとも風雲に満ちたものだった。ほかにも力士の大麻やら無気力相撲問題、貴乃花引退などもあったのだっけ。
だが、とくに朝青龍とは、メディア的にも「対立の構図」がクローズアップされたりして、そういう点でも場を沸かせた。


冒頭には超ロングインタビューとかもあるが、曙のK-1参戦なども語られ、賛否は別にしてえらくおもしろくはあった。

私はなんと「魔女」と書かれるしまつである……あげく女友達は、魔女がホーキに乗って星空を飛んでいる絵葉書を寄越し、こう書いてあった。
「魔女なんて、なりたくてなれるもんじゃないわ。ステキ!魔女就任おめでとう」
そして2007年、朝青龍の「仮病サッカー事件」のころだったと思う。私が朝青龍の引退勧告を言い張っていたせいか、新聞の川柳欄に次の一句があった。
 
「横審に 鉄の女が 一人あり」

…と、こんなところを書いていると話が進まないので、変化、注文相撲についての横審の反応を引用する。

大関琴欧州は初日、稀勢の里を相手に変化して一瞬のうちに「はたきこみ」で勝った…館内のブーイングはすさまじく若い客たちは手の親指を下に向け「ブー」「ブー」…(略)北の湖理事長に訊いた。(略)「変化して勝利した一勝と、真っ向から戦って敗れた一敗と、長い目で見たときにどちらが得ですか」

「(略)変化相撲の場合、それで勝った方も、変化を食って負けたほうも、師匠は叱りますね。食うほうも悪いんです。ただ、変化することが癖になると、その力士は伸びません」

(2001年)9月28日付の朝日新聞に、大橋巨和泉さんが大相撲について苦言を呈しておられた…ひとつは関脇栃東の「注文相撲」についてである。栃東がこの「注文相撲」が以前から多く…9月場所は…12勝3敗という好成績をあげながら、三賞をもらえなかった。
これについて大橋さんは「変化認めぬ愚」と…(略)

(大橋意見の要約)こんなことをしているから相撲人気が落ちる。変化を禁じたら小兵りきしはどうする。ヒットアンドアウェーを禁じたらボクシングは殴りあいだ。体重別にするのでもない限り、注文相撲を差別するな

内館氏の返答は長いので、こちらも要約する。
・これはまさに正論である。「注文相撲」の注文とは本来、作戦、奇襲の意味であり、堂々たる一勝だ。
・だが一方、相撲には「逃げてはいけない」という考え方がある。だから、立会いは一度は当たってから変化するのがスジ。、大橋さんがいう変化相撲は、氏がたとえたボクシングでいうなら、クリンチ連発のようなものだろう。これは場合によっては減点の対象だし、ファンからブーイングも起きる。
・それに「小兵力士の変化」は歓迎してないが認めている。栃東が問題なのは、恵まれた体格なのに、「自分より小さい相手」に変化するからだ。