【創作系譜論】【記録する者たち】
この記事
武術の一般受けとイメージ - 火薬と鋼 (id:machida77) http://d.hatena.ne.jp/machida77/20140617/p2
のちょっとした余談として、こういう考察の文章が紹介されておりました。
しかしフィクションの中のイメージも結構重要だ。
映画・TVドラマの中に登場する図書館や図書館員のイメージについて論考をまとめた伊藤敏明氏は次のように書いている。それにしても映画の中の図書館員像というのは まことに惨憺たるものである。こうしたイメージ の普及は、現職の図書館員や将来図書館員になろうとする若者の思考や行動に決して良い影響があるとは思われず、イメージチェンジのためのパブリシティーの展開が必要ではないかと思われる。
http://www.rsch.tuis.ac.jp/~ito/research/lib_articles/itoh/libcinema1.html
図書館映画論考 映像表現における図書館と図書館員像に関する論考武術の場合、フィクションの中でそれほどネガティブなイメージはないが…(後略)
http://www.rsch.tuis.ac.jp/~ito/research/lib_articles/itoh/libcinema1.html
をあらためて読んでみよう…
自分がなんかぼやーっと記憶してるのは、「大統領の陰謀」で、ラストシーンだか冒頭に図書館が出てきて、しかも図書館前の碑文がクローズアップされてたんじゃなかったかな?
この議会図書館の碑文が、たしか名文で…猪瀬直樹「ラストニュース」でも引用されていたような。「これまでの出来事は、すべてがプロローグにすぎない」的な…あとで調べてみるよ。おまけにこの記憶もかなり曖昧で、まるで別かもしれない。
それは
ともかく。
上の記事はそもそも、1991年前、なにしろ四半世紀近く前にかかれたものだし、漫画への言及もまったくない。その後の漫画の、「ジャンルのニッチ化」たるやたるや、ね。
なにしろ、こんな作品が出たりしたわけで。
「タチアオイ児童図書館」の名物司書・御子柴は、ぶっきらぼうな地味眼鏡。
- 作者:篠原 ウミハル
- 発売日: 2011/08/09
- メディア: コミック
しかし、仕事は一流だ。
今日も、人々が救いの一冊を求め、彼のもとへ…。
図書館を舞台に「児童書のソムリエ」御子柴が活躍する癒やしの物語。
市立図書館で働く新米司書・ひなこ。日々、利用者からはいろんな質問が…。「ある写真を探している」「光る影の正体が知りたい」など、難問ばかり。こうした疑問に対し、適切な資料を紹介するのも図書館の仕事。ひなこ、迷宮入りしそうな利用者の「?」に立ち向かいます! 史上初!? 新感覚・ライブラリーコミック!
- 作者:埜納 タオ
- 発売日: 2011/10/17
- メディア: コミック
本当のところ、これは「古書店、書店、図書委員、また市井の蔵書家」まで含めてイメージの変遷をたどったほうがいい案件だと思う。上の記事はまた別コンセプトだから、いいんだけど。
- 作者:芳崎 せいむ
- 発売日: 2004/12/24
- メディア: コミック
- 作者:芳崎 せいむ
- 発売日: 2014/07/30
- メディア: コミック
ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~ (メディアワークス文庫)
- 作者:三上 延
- 発売日: 2014/01/24
- メディア: 文庫
暴れん坊本屋さん・完全版 ~平台の巻~ (ウィングス・コミックス)
- 作者:久世 番子
- 発売日: 2012/10/25
- メディア: コミック
番線―本にまつわるエトセトラ (ウンポコ・エッセイ・コミックス)
- 作者:久世 番子
- 発売日: 2008/03/27
- メディア: コミック
世の中には、さすがに未だ「読書家萌え」というジャンルはない(笑)んだろうから、そっちの方面で増えたりジャンルができたりってのはないだろうけど、ま、ちょっとした個性を打ち出すには適しているんで、図書委員さんというのは漫画や小説のどこかで……どこかで……あ、「バーナード嬢曰く。」に出てくるシャーロキアンの子しか思い出せないや(笑)ただ、ほかにいたはず。
- 作者:施川 ユウキ
- 発売日: 2013/04/19
- メディア: コミック
自分の図書館(および蔵書家)のイメージというのは「世界の知を集めるという妄執」「知識を永遠に後世に伝えるという欲望」にとらわれた、神への挑戦者、というイメージなのである。
いや、これはむちゃくちゃというのはわかっているが、ひとつの究極的イメージよ(笑)
全部じゃないが、【記録する者たち】というミニ擬似タグを作っている。
要は「海賊行為によって近隣を通る船が積んでいた本をすべて没収(強制買い上げ)をしたという伝説のあるアレクサンドリア大図書館や、
まさになんども紹介している
「文字禍」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000119/files/622_14497.html
や
「鉄函心史」のイメージに重なる。
これは図書館じゃないけど「百人一首」が歌い継がれることを語ったもので、こういうイメージにも通じる。
将来的な希望としては、もう少し重層的にこういう図書館物語=【記録する者たち】の話を、それこそデータ一覧でも年表でも系譜を追った論考でもまとめたい。
「これまでのすべての記事は、プロローグにすぎない」のである。
(ほんとか)