【創作系譜論】
本日は「シャーロック3」放送記念で、推理小説ネタでまとめるぜい。
そんでこんなまとめ、つくったった。
「少年探偵」から、少年ヒーローは生まれた?〜その系譜を「奇巌城」から探る - Togetterまとめ
http://togetter.com/li/670999
なんでプロの漫画家の方がこれを語ってるかというと、まさに今現在、少年探偵の草分けの一人が登場する、ルパンものの中でも屈指の知名度を誇る「奇巌城」編が連載まっ最中なのだ、月刊HERO'Sで。
「怪盗ルパン伝 アバンチュリエ」
【漫画】森田 崇 【原作】モーリス・ルブラン|月刊ヒーローズにて「奇巌城」編連載中!
http://www.heros-web.com/works/aventurier.html
まもなく単行本、さらにはHERO'Sでの連載まえ、講談社イブニングで出ていたこのシリーズ(「怪盗ルパン伝」がつかない「アバンチュリエ」)の新装版も夏には出るんだって。
そんでこの奇巌城編に、夏休みを利用して推理旅行?に来た坊ちゃん名探偵・ボートルレ君が登場しておる。
なんか…作者、人気を狙ってるな(笑)?当てに来たよ(笑)。
で、この作品の原作は1909年で…ここから上togetter引用。
gryphonjapan @gryphonjapan 2014-05-13 11:09:56
HERO'Sの開始後、ちょっと興味があって調べ直したのですが。1909年に原作が発表された「奇巌城」のボートルレ君は「世界初の少年探偵」なのですかね?少なくとも自分が調べた限りではその前は発見できず。(ベイカーイレギュラーズは推理はしないので除外)@TAK_MORITA
@gryphonjapan @TAK_MORITA
「奇巌城」の少し前にガストン・ルルーが書いた「黄色い部屋の謎」に登場したルールタビーユは新聞記者ではありますが18歳の少年探偵でした。ルールタビーユとルパン:スリムじゃない生活
http://realize.txt-nifty.com/blog/2007/08/post_2124.html
- 作者: ガストンルルー,Gaston Leroux,宮崎嶺雄
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2008/01/31
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gryphonjapan @gryphonjapan 2014-05-13 23:52:46
ああ、そっちが先かあ。うーん、おしいな、何でも元祖となるのはむずかしいもんだ。@tentaQ4 @TAK_MORITA
森田崇ルパン伝アバンチュリエ奇巌城連載 @TAK_MORITA 2014-05-23 04:15:34
@gryphonjapan @tentaQ4 非常に興味深い話題なのに、修羅場中で返信が遅れました!えーと、イジドール・ボートルレは、「ルルーのルールタビーユとルパンを対決させよう」との着想から始まったと言われております。この辺り、ハーロック・ショームズのケースと同じ(^^;)。
@gryphonjapan @tentaQ4 ルブランはこの辺懲りないなあとwしかし大衆向け作家としての才能は凄くあったんだなと思います(笑)。とは言えショームズのケースと違ってボートルレはルールタビーユと違う面も多々ありまして。全く別のキャラとして作られてるとは思います。〜(略)
ルールタビーユ → イジドール・ボートルレ → 小林少年 → 初期の手塚漫画や藤子漫画の少年探偵…みたいな系譜はあると思います。(乱歩はかなりルパンの影響大きいですし。)鉄人28号の正太郎もこの系譜でロボット物に繋がっていくのかなと。 @gryphonjapan @tentaQ4
@TAK_MORITA @gryphonjapan 先生ありがとうございます。日本語版Wikipedia「奇巌城」によれば、ボートルレの出現にルルーは怒っていたようですね。当時としては少年探偵という設定自体に独自性を主張し得たということでしょうか
gryphonjapan @gryphonjapan 2014-05-23 04:49:45
そっちもか、やっぱり(笑) QT @tentaQ4 @TAK_MORITA ボートルレの出現にルルーは怒っていたようですね。
森田崇ルパン伝アバンチュリエ奇巌城連載 @TAK_MORITA 2014-05-23 04:55:59
@gryphonjapan @tentaQ4 タイミングが露骨なんですよね、ルブラン先生…(笑)。
ということで、
少年探偵・少年ヒーローの系譜をたどっていたら、原点にはきれいごとですまない大人の事情があったという結果になったが(笑)。
しかし、以前から何度も書いた話だが、とり・みき氏が喝破したように「一つふたつならパクリだが、類似のものが何個も出てくればそれは『ジャンル』になる」と。
そしてジャンルになることで、逆に元祖が再注目され、作品の寿命が長く保たれるという逆説もね、やっぱりあるんだよ。
とあるアパートで、さえないがやさしい男の子が、美しい女性とめぐり合う。だがそのアパートのほかの部屋には変人がたむろし、この人たちのせいでなかなか関係が進展しない…という話がテン年代に人気が出れば、80年代の作品も延命するものでしょう。
固有名詞を抜いて語ると分かりづらいな(笑)。
でも、ホントそうだと思います。
またさらに、「少年がヒーロー」は、過度に一般化するべきでもないが、相対的には日本の作品に例が多いように思えます。
上のtogetterにもいちど戻ると
gryphonjapan @gryphonjapan 2014-05-23 04:46:15
日本はなぜかこの「子供が大人の領域で活躍」というお話が大いに人気となり定着したけど、むしろアメリカとかだと違和感を持たれることが多く「やっぱヒーローはおっさんじゃないと」「え?」となる、という話きいたことあります @TAK_MORITA @tentaQ4
森田崇ルパン伝アバンチュリエ奇巌城連載 @TAK_MORITA 2014-05-23 04:39:02
日本においては、この小林少年と少年探偵団の影響が大きいんじゃないかと思いますしね。(この雰囲気が月光仮面や仮面ライダーにも続きそうな感じがします。)それでもちろん、この「少年探偵」の系譜はコナンや金田一少年にも続くのかと
そして関連資料
http://world-manga.at.webry.info/201204/article_22.html
アメリカの子どもは戦わない? アメリカヒーロー事情
手塚治虫が亡くなったとき、朝日新聞の追悼社説は
「日本人はなぜ漫画を大人になっても読むのか、他国から不思議がられる。
答えの一つは、彼らの国には手塚治虫がいなかったからだ」
と書き、いまだに語り継がれている。
「なぜ、日本人は少年がヒーローとなる作品を好むのか。答えの一つは、江戸川乱歩がいたからだ」
というのは、ひとつの有力仮説といってもいいんじゃないかな。
【追記】
ところがあのtogetterに、「実は少年探偵は、日本だけでも少年探偵団の前にあったんだよ。むしろそいつらは単独で事件を捜査解決しちゃうので、もっとリアリティを、と「名探偵の助手」である小林少年と少年探偵団が生まれたのだ」
との指摘が!!!
それをいま、togetterには追加収録しており、結果的にさらに面白くなったという(笑)。